Vol.1 | Vol.2 | Vol.3 | Vol.4 | Vol.5 | Vol.6 | Vol.7 | Vol.8 |
Vol.9 | Vol.10 | Vol.11 | Vol.12 | Vol.13 | Vol.14 | Vol.15 | Vol.16 |
Vol.17 | Vol.18 | Vol.19 | Vol.20 | Vol.21 | Vol.22 | Vol.23 | Vol.24 |
Vol.25 | 最終話 | HPへ戻る |
2002年の春から秋にかけてボクはCANADAのトロントへ行ってきました。 それはスリルと興奮の連続の冒険をしているようでした。 ここでは、そんなカナダの旅を少しずつ書いていこうと思います。 |
放浪記Vol.7 仕事を探せ!部屋を探せ! |
大きな荷物を持った人ばかりの場所に、ボクは相応しくない小さな旅行カバンと大きなギターを持って到着しました。 1晩2000円程度で泊まれるという事で期待はしていなかったのが良かったのか予想よりは良いエントランスロビーでした。 早速チェックインをする事に!予定ではここのユースホステルに4日間泊まります。 チェックインはもう慣れたもの(まだ2回目ですが・・・)とすんなり会計をし、カードキーを渡されました。このカードでエントランスからの入り口と 部屋の入り口を開けることが出来ます。移動に疲れていたボクはすぐに部屋へと向かい休もうと思っていました。 早速部屋の入り口を開けると2段ベッドが6つ・・・。 死体が寝ているかのような薄暗い部屋でモソモソと人が動いている・・・。恐ろしい・・・ 「なんなんだ!ここは」と思いながらも自分のベッドへ。2段ベッドの下側でした。ベッドの下には既に他の人の荷物が置かれていて置けない状態。 他のベッドの周りには大きな荷物の山・・・こんな場所にギターを置いて大丈夫なんだろうか?と不安になったのでベッドのポールとギターとをワイヤーロックをしっかりかけて、ボクはシャワーを浴びることに。 シャワールームは共同、当然トイレもですが・・・。風呂釜も無し、コインシャワーのようでした。「やはり安いだけのことはある」といたって冷静にシャワーを浴びて、すぐ休むことにしました。 「かゆい」 そう思って飛び起きると足をダニに噛まれまくっているではありませんか。薄暗く汚い上にダニ付。 「ここは刑務所か?」 あとから聞いたところによると、他の部屋にもダニがいるところは多いらしいです。 しかし、そんな苦情を英語で説明するのはまず無理ですし、もし言い争いにでもなったら言葉の分からないボクにはストレス以外のナニモノでもない! シーツをそっとパタパタさせることしか出来ませんでした。 変な時間に寝てしまい夜20時頃(トロントはまだ明るい)目が覚めたボクはとりあえず、日本へ連絡する事に。 実家と友達・・まだ1週間もたっていないのに、妙に懐かしく感じました。ボクの感じている苦労だけは伝わらないようにと細心の配慮をしながら電話をかけました。 長話は禁物です。テレホンカードだって安くはありません。この頃になると日本から持っていったタバコも切れ、カナダでは銘柄も分からないし買い方も値段も分からないという理由で ニコチンの禁断症状が出てイライラしていました。 ホッとする自分の部屋もなし、まともに食事も取っていませんでした。特に困ったのは練習する場所がない事。部屋はいつものカーテンが閉められ、12人もいれば誰か1人は昼間でも寝ています。 そこでボクは散々迷ったあげく、ユースの前にある公園で練習をすることに!最初の内はなんだか恥ずかしくて全然練習なんて出来ませんでした。 ハードケースを置いてベンチに座るとリスがはしゃぎ回るのと人々が歩くのをじっと見ているだけ。ボクの心にはこれからどうしよう?という思いでいっぱいでした。 また、同じ部屋に置いてあるカバンから日本語のガイドブックが出ているのを見つけ、話しかけたのですがどうも彼は少し疲れている模様。孤独感が少しずつ出てきました。 ボクは出来るだけ早く部屋と仕事を見つけなければなりません。そんな時、ユースホステルのロビーで「ファームステイ」というものの存在を知りました。 働きながら、英語を覚え部屋を貸し出される。これは良いと思い早速パンフレットに載っている会社へ行くことにしました。 その場所はユースホステルからはかなりの距離があり、地下鉄を使わなければいけません。しかし地下鉄の乗り方が分からないボクは歩いて行く決心をしました。 幸い、ほぼ1本道だったので迷うことはなかったですし、街をよく知るにはもってこいです。 「前向きに、前向きに」この頃、ボクの口癖でした。なにかあると「バィゴォン、バィゴォン」って(笑) 果てしなく続く1本道。駅が現れる度に街は賑わい、駅から遠ざかる毎に町は静けさを持っていました。 行き交う人々もまた同じ。日本と違うのは緑と人工物が見事に調和されて存在しているところです。全てが自然に感じられました。だから民家の軒下にもリスが生息しているのだと思います。 いったいどれだけ歩いたでしょうか、出発してから時間は既に2時間を過ぎています。そんな時でも「バイゴォン バイゴォン」(笑) 街を楽しみながら歩いているうちに、やっと目的の大通りにたどり着きました。その会社はその通りを下った通り沿いにあるビルの中にあります。なんなく見つけると、呼吸を整えるためにコンビニでエヴィアンを買って一休みしてドアをノックしました。 すると日本人の女性が対応に当たってくれました。話によると「語学学校とかで勉強していないと難しい」との事。またボクのファームステイをしたい理由があまりよくないとの事で断られてしまいました。(泣) やっとの思いでここに辿りついたのに!それはないだろう そう思ったボクはホームステイがいくらかかるのかを教えてもらっていました。食事付で個室ならユースよりは絶対に良いという思いがあったからです。 帰る気力を失ったボクはついに初サブウェイ乗車に挑戦。まずはトークンを買う・・・出てきた物にビックリ!なんて小さいんでしょう。 1セント硬貨より小さい硬貨・・・それがトークンでした。ボケットにしまっていたら無くなってしまうかも知れません。 危険かと思われた地下鉄、日本に比べたらまだまだ全然発達していないし、汚いんですが足として十分に利用できました。ストリートカーも沢山走っていて便利と思いきや、その路線図のややこしさに結局1度も乗ったことはありません。 「さぁ、困った!」 これからどうしよう?と考え、とりあえずはとユースホステルの宿泊予約を延長しました。 しかし、結局ユースホステルに5週間もの間ステイしていました。ユースでは毎日何かが起きていて楽しくも苦痛の日々でした。 またここで出会う人達はみんな何かしらの事情があったり、どんな旅をしているのか聞けたりと、とにかく楽しいんです。何か問題が起こったら・・・ 「バイゴォン」「バイゴォン」「バイゴォン」「バイゴォン」....... |