10/4レッスン配信しました。 Lesson Room

ワンポイント・レッスン

やまだ

ホームページを最初に作った時(2003年)に書いていた「全175回の無料ワンポイントレッスン」です。古い記事のため、読みやすく配慮していない文字情報ですが、講座ブログから移行させました。

目次

第1回:どのギターを買うべきか

ふとしたきっかけでギターに興味が湧いた。
その気持ちを大切にして欲しいと思います。
一言でギターと言っても種類は様々です。
大きく分類すれば以下の3点になります。
ソリッドギター、アコースティックギター、
クラシック(ガット)ギター

細かく分類したら本当に多様なギターがありますが、
エレキギターと言われるものは一般的にソリッドギターです。
ギターのボディに穴が空いていないギター、
皆さんも想像し易いギターだと思います。

しかし、アコースティック、クラシックギターにも
アンプを使用できるよう改良されたものがあります。
いわゆる、「エレアコ」「エレガット」と呼ばれるものです。
それぞれの楽器には特徴がありますから、「最初に買うならこれにしろ!」などとは言えません。

演奏したいと思うジャンルに合わせて買うのがやる気も出ますし、
実際演奏出来た時ソックリで嬉しいですよね。
当の私の最初の楽器は、
よくある週刊少年雑誌の中の1ページに掲載されている
「¥19800、10点セット」の類のものでした。
しかし、ふところに余裕のある方は是非、
より良いギターを買い求めることをお薦めします。
初心者の方はギターの上手な方と一緒に買いに行くのが一番ですが、
そういった環境にないこともありますよね。
そんな時は良心的な楽器店のお兄さんに相談しましょう。

さて本題と参りましょう。私がギターを選ぶ時のコツです
1、弾き易さ 2、鳴りの良さ 3、見た感じ

きっと1番の前に「値段」がありますが、
あえてそこは無視します。
1番の弾き易さ
ギターを弾いた経験のある方じゃないと判断は難しいですよね。
弦高の高さというものはある程度はどうにかなります。
私のFujigenも最初はひどいものでした(笑)
ネックの長さ、横幅、弦の間隔、持った感じを重要視しています。

2番の鳴り、これも初心者には分かりません。
私はギターの鳴りがなるべく分散せずに
ボディに伝わるギターを選んで買っています。
ネックに振動があまり奪われずにボディに来る楽器ですね。
アンプからの出音もポイントです。
どの音域でもストレスなく音が飛んでくるギターが好きです。

3、見た目は大事です(^^)
私は昔、とんがったギターが好きでした。今は丸いのが好きです。

第2回:演奏を始める前に

これだけは忘れずにして欲しいと思います。
それはチューニング!!
チューニングを疎かにしているギタリストは沢山います。
すぐ弾きたい気持ちは分かりますが、
どんなに上手くてもチューニングが悪ければ、
その演奏は良いものには聴こえません。

ギターを持ったら、まずチューニング!これは必須です。
あのジョン・スコフィールドでさえ、
演奏途中に何度もチューニングを確認していますよ。
ギターは常に強いテンションで弦が張られており、
弦は日に日に延びていきます。
またギターによっては湿度の関係でチューニングが狂います。
エアコンの効いている部屋では
こまめにチューニングする方が良いと思います。
チューニングには市販のチューナーが便利ですが、
無い時でもせめて、6本の弦のピッチを合わせる努力をしましょう。

さて、チューニングの方法なんですが色々とあります。
私は2、3種類の方法で確認しています。
1弦7フレット=2弦12フレットのハーモニクスor
1弦7フレットのハーモニクス=2弦5フレットのハーモニクス
2弦8フレット=3弦12フレットのハーモニクスor
2弦8フレット=3弦12フレットのハーモニクス(同じです)
3弦7フレット=4弦12フレットのハーモニクスor
3弦7フレットのハーモニクス=4弦5フレットのハーモニクス
4弦7フレット=5弦12フレットのハーモニクスor
4弦7フレットのハーモニクス=5弦5フレットのハーモニクス
5弦7フレット=6弦12フレットのハーモニクスor
5弦7フレットのハーモニクス=6弦5フレットのハーモニクス
その他にも開放弦を合わせたり、
オクターブで合わせたり、特定のコードで調べたりもします。
よく使うコードであれば、
毎日弾くことで微妙な音の違いに気付くと思います。
しかし、毎日正しい音で練習してこそ可能なのですが。
Eadd9thというコードは比較的聴き取り易いです。
6弦からE、B、F#、G#、B、E
特徴は1と6弦、2と5弦がオクターブになっている事。

第3回:最初に何を練習するか

現在、手に入れる事が出来る教則本の数は非常に多く、
どの本を買ったらいいのか、
またどのように練習していけばいいのか悩むところでしょう。
どの楽器の教則本(初心者からのもの)にも
最初のページには必ず楽器の持ち方の説明があります。
クラシックギターは別として、
ギターを演奏するフォーム・姿勢は様々ですので
気になさらなくても問題はありません。
意識することはフレットの近くを押さえて、
ビリつきのない音をしっかりと弾くことです。

またギターにはTAB譜と呼ばれる譜面が存在します。
過度の使用はお薦め出来ませんが、
多いに利用した方が技術の習得が早くなるように思われます。
私はバンドスコアなどの譜面の使用はとても良いと思います。
最初からいきなり難しいものへと
チャレンジするのは無謀ですがフォークソングなどは有効です。
まず自身のやる気を起こさせること、
そして初心者でも
「1曲を演奏出来るようになる」という
目標を持つことが非常に大事だと考えます。
初歩の段階でつまらない反復練習ばかりでは
ギターを演奏する気すらなくなります。
指を広げる
指の間にゲンコツを挟む・・・?
机の角を使って指を強引に開かせる・・・?
恐ろしい・・・(>_<)
私は指を骨折してリハビリをしていた時に気付いたのですが、
ギターを演奏するのに必要な事は
ギターを演奏して覚えるのが一番だという事です。
今の私の指は演奏上問題ありませんが、
演奏で使う筋力以上は出せません。
でもリハビリはあっとゆう間に終わりましたよ!
話がそれました。
指を広げる為にまず、1フレット1本の指を
均等に割りあてることを意識しましょう。
1弦1フレット=人差し指、2フレット=中指、
3フレット=薬指、4フレット=小指

これを順番に1,2,3,4または4,3,2,1。
飽きたら他のパターン、他の弦でやってみてください。
指の組み合わせの可能性は全部で24通りあるはずです。
このウォーミング・アップは私が今でもやっています。
そういえば、カナダで見たあるギタリストもやってたっけ。
非常に効果的です。
すぐに効果は現れますので毎日の練習に組み込むことを
お薦めしますがやり過ぎは禁物です。正直飽きますからね。
注意点として、
1無駄な動きを減らすように心がける。
2、しっかりと音を出す。
3、無理に速く弾こうとしない。

気持ちはわかりますが(^^)

第4回:第1の難関Fコード

ギターをやっていた(過去形)人に
「Fコードが弾けなくて止めた」
という人が一体何人いるのでしょう?
「セーハ」とか「バレー」なんて呼ばれるコードで
C、G、D等のローコードが押さえられた人が
誰しもぶつかる壁です
逆に「Fコードから覚えたから、そんなに大変ではなかった」
という話も聞いたことがあります。
が私もFの難関にぶつかった一人であります。

そもそもセーハ・コードは通常、
日常生活ではありえない筋力を使用します。
その人指し指の張り具合は「しっぺ」をする時とよく似ています
1、「しっぺ」をするように指を伸ばしてみましょう
2、そのまま真っ直ぐにフレットのすぐ横に置いてみましょう
フレットの上に多少乗った方が良いかもしれません
3、親指がネックの上から出ている状態では押さえられません
裏に回してください。
4、親指と人指し指で挟むように力を入れましょう。
5、指はそのままで、 人指し指の力を
親指側の側面(左側です)に入れてみてください。
この状態が私の理想のセーハです
指はベタっと真っ直ぐ置かれていますが
側面よりで弦を押さえている状態です
指の内側でセーハ・コードを押さえ続けるのは
ハイ・ポジションであれば簡単ですが、Fコードは大変です
よりハイ・ポジション(Cあたり)から練習して
徐々にFに近づけるのも良いかもしれません
必ず全ての音が鳴っていることを1つずつ確認してください

セーハの練習
私は6弦ルート・5弦ルートでそれぞれ10種類の
セーハ・コードをアルペジオで練習しました
ここで10種類ご紹介しますが
ご自身でどの音が変化したら何のコードに変わるのか
調べて見てください。(一応最後に書いておきますが・・)
分かり易いようにCコードで説明します。括弧内は別の表記の仕方です。


(C△)
Cm
(C-)
CM7
(C△7)
Cm7
(C-7)
C7
CmM7
(Cー△7)
Csus4C7sus4Cadd9Cmadd9

これらのコードを自在に弾けるようになれば、
大抵のコード譜はセーハで弾けるようになります。
最後に音の変化を書きますが、
自分のためにも自分自身で覚えることをお勧めします。
ミの音(Cコードの3度と呼びます)が
半音下がると、そのコードはマイナーコードとなる。
ミの音(Cコードの3度と呼びます)が
半音上がると、そのコードはSUS4(サスフォー)となる。
1オクターブ上のドの音
半音下がると、M7コードとなる。
1オクターブ上のドの音
更に半音(全音)下がる7コードとなる。
1オクターブ上のドの音
全音(半音はありません)上がると、add9コード(アドナインス)となる。

第5回:右手の重要性

ギターを演奏するのに
左手に意識を持っている方が非常に多く見受けられますが、
音で表現をする上で右手もとても重要です。
勿論左手での表現方法もありますがピッキングが大事です。
ピッキングと一言で言っても、
その仕方は人それぞれであります。

「右手を軽視していた」という方は
一旦自分のサウンドに静かに耳を傾けてみることをお勧めします。
ギターはしっかりと弾かなければ
芯のある音が出てきません。
弦を撫でている演奏(時にはそれが良い時もあります)では
モコモコしてしまいハッキリとした音に聴こえません。

さて私は「どのように練習するか?」 という問題を常に自分に問い掛けています。
私がまだジャズを勉強し始めた頃、
自信の無さから弦を撫でているような演奏になっていました。
それを克服するために
私は毎日のエクササイズに組み込むことにしました。
第3回で説明した練習を使用します。
1、メトロノームに合わせ均等の力で弦をはじく。
2、アクセントを拍の頭に持ってくる。
「12,3,4,1,2,3,4・・・」
3、アクセントの位置を2フレットへ、
3フレットへ、4フレットへそれぞれ移動させる。
弦を撫でて弾くのは簡単ですが、
しっかりとはじくことは練習しなければ出来ません。
ここで重要なのは、弦を「はじく」 には力より、
「はじくスピード」が必要だということです。
どのようなピッキングをしていても、
弦をはじくスピードが速い方が芯のあるサウンドになります。
スピードと力の違いをまず明確にしましょう。
はじく力は指先に意識を向けることで可能になり、
サウンドに強弱が与えられる。
弾くスピードは手首に意識を向けることで可能になり、
サウンドに芯のある音とスピード感を与える。
どちらも、音に表現をつけるには必要なことです。
まずは音の粒を均等に揃えることを意識して練習しましょう。

第6回:音程を知ろう

音楽を理解するのに最低限必要な音楽用語を覚えれば、
理解する時間を短縮できます。
こればかりは、簡単に覚えられる方法はありません。
今後のために丸暗記しましょう。
音程について、最小単位は半音ですね。
ある2音の音程差を表記するのに「度数」 を使用します。

半音数呼び名表記
短2度m2C⇔C#、E⇔F
長2度M2C⇔D、A⇔B
短3度m3C⇔E♭、D⇔F
長3度M3C⇔E、E♭⇔G
完全4度P4C⇔F、A♭⇔D♭
増4度
(減5度)
Aug4
(dim5)
C⇔G♭、F⇔B
完全5度P5C⇔G、A⇔E
短6度m6C⇔A♭、B⇔G
長6度M6C⇔A、E⇔C#
10短7度m7C⇔B♭、G♭⇔E
11長7度M7C⇔B、E⇔D#
12完全8度
(オクターブ)
P8C⇔C、E⇔E

尚、同音を2つ鳴らす場合はユニゾンという。
実際に「短」とか「長」とか「完全」なんて言いません。
区別する時だけ使います。
当たり前ですが「マイナーコードの3度」と言えば「短3度の事」
「7thコードの7度」と言えば「短7度」の事です。
しかし
「Cのコード上でE♭の音がある場合、
この音程は何と言えばいいのでしょう?」
そんな時、「短3度」と言えばいいのです。
あくまで区別する為に使用する程度です。

第7回:耳コピのすすめ<単音編>

譜面に頼り過ぎるあまり、
まったく聴音の進歩が見られない方は結構いるものです。
最初の内から出来る限り、
耳を使って音を採る練習をした方が
早く楽器と仲良くなれると思います。
「でも、耳コピなんて難しくて出来ない!」
私もそう思いました。
1音採るだけでも大変なのに1曲なんてとんでもないと。
でも、どうでしょう。1日に少しでもいいんです、
1コーラスでも1小節でも。
継続して続ければそのうち
1小節採るのにかかった時間が半分になるでしょう。
もっともっと継続していけば、
聴いたことのある2,3音程度のラインは分かるようになります。
自分の耳を信じることが大切です。
学習させればさせる程、音に敏感な耳になってくるでしょう。
さて、「でもどうやるの?」 私はこのように始めました。
①コード進行が分かっている曲を選ぶ
②ギターのチューニングを合わせる
③ギターを抱え、ラジカセを目の前に置く
(巻き戻しを頻繁に行うので壊れても良いラジカセがベスト!)
④最初は1音聴くたびにテープを止めて、頭に鳴らす。
鳴らした音をギターで追う。
⑤この音より「高いのか?低いのか?」
また「どのくらいの音程差があるのか?」を予想する。
⑥必ず譜面を書く。

「何故コードが分かっている曲がいいか」・・・
それは初心者にはコードを採るのは非常に難しい事。
もし単音のメロディでも採れない時に想像して出来ること。
ポップスの曲でコードが
CなのにC#がメロディに来るはずはありませんからね。
(ジャズではありえます)

「チューニング」はそのテープに合わせるのが一番です。
基準となる音を探して合わせてしまいましょう。
まぁ、チューニング機器でも問題はありませんが。
そして最も重要なことは
「譜面を書くこと」です。
書くことは読むことの練習でもありますから
書いていれば読むのも速くなりますよ。
どんどんコピーして譜面を貯めていくことをお勧めします。
その譜面はいずれ何らかの形で役に立ちます。
私が役に立ったと思うのは、音を勉強し始めて
「この人はこのコードの時どんな音を使っているんだろう?」
と考えたとき、非常に参考になりました。 JOE PASS、JIM HALLは特に沢山コピーしました。

第8回:音階を知ろう

バンドスコアを沢山コピーすれば、
ある程度の技術はつきますし、
「何か弾いてよ!」と言われた時も格好がつくと思います。
趣味でやるギターとしてはそれでも十分かも知れません。
しかし、バンドスコアをやるにしても、
もう一歩先の目で音楽を見ることは
今後の音楽の楽しみを一つ広げることになるのではないでしょうか?
それは「作曲」が可能になる第一歩なのです。
もう一歩先の目・・・
そう書きましたが一体どうすればいいのか・・・?
まずは音楽がどうなっているかを知る・・・
理論をある程度理解することです。
そこでまず音階(Scale)というものを勉強してみましょう。
メジャースケールでキーがCだとしましょう。
C音はⅠ(Root:根音)
D音は2番目の音だからⅡ、
E=Ⅲ、F=Ⅳ、G=ⅴ、A=Ⅵ、B=Ⅶ

というようにローマ数字表記します。
もう一度言いますが、キーはCです。
もし、キーがDなら全て全音上がります。
このように・・・D=Ⅰ、E=Ⅱ、F#=Ⅲ・・・・
さて、この1オクターブ間の並びは全部で何種類あるでしょうか?
・・・全部で7種類です(数えれば分ります)
CDEFGAB、DEFGABC、EFGABCD、
FGABCDE、GABCDEF、ABCDEFG、BCDEFGA

音のスタート地点が変わるだけで含んでいる音は変わりません。
これがメジャー・ダイアトニック・スケールと呼ばれるもので
全てに名前が付いています。
この音階の名前と音間を覚えましょう。

実際の音スケール名音間
CDEFGABCイオニアン全全半全全全半
DEFGABCDドリアン全半全全全半全
EFGABCDEフリジアン半全全全半全全
FGABCDEFリディアン全全全半全全半
GABCDEFGミクソリディアン全全半全全半全
ABCDEFGAエオリアン全半全全半全全
BCDEFGABロクリアン半全全半全全全

全・・・全音、半・・・半音を意味します。
CイオニアンであればCの音から全全半全全全半
という秩序に従っているのでイオニアンと呼ばれます。
これがもしCから全半全全半全全という秩序であれば、
そのスケールはCエオリアン・スケールと呼ばれます。
つまり「スケールの名前」は
「1オクターブ内の音間の秩序」
です。
そして根音(Root)の位置によりDドリアンだとか
Fドリアン、Aドリアン・・と変わっていきます。
まぁ、このようなものがあると覚えておくだけで、
いずれ一つずつ学んでいけると思います。

第9回:ちょっとJAZZってみよう

JAZZが楽しめるようになるまでには、
結構時間がかかるものです。
市販の教本にあるようなものを弾いてもJAZZっぽくなりません。
まして単音のフレーズばかりでは面白みが少ないですし、
次第に勉強しようという意欲も
薄れていってしまう可能性があります

私も最初の頃はかなりストレスがたまったものです。
そんな時は市販の本を活用することをお勧めします。
私は学び始めてから2年間は「JOE PASS SOLO GUITAR」
というJOE PASSのギターソロの名盤「VIRTUOSO」のコピー譜をしました。
この譜面は別にインテンポで弾く必要はありませんし、
途中の数小節だけを弾いても形になります。
この本の利点を下に書きます。是非活用してみて下さい。
ジャズコードに親しめます。
(初期の段階では、ジャズコードは押さえるのが困難な場合が多いです。
コードネームを確認しましょう。
※たまに譜面が間違っているので注意)
JOE PASSの音源を楽しめます。
(コピー譜なんですから、CDと一緒に弾いてみましょう)
生音でもOK
(JOEはこのCDの大半を生音で弾いています。
アンプなど無くても十分に楽しめます)
スタンダードが多い
(どの曲も魅力的な曲ばかりです)
代理コードのお勉強
(JOEはコードを置き換えて弾く場合、
付け加える場合が多々あります。
JOEの演奏はジャズギターの見本とも思えるほど
あらゆるテクニックが見事に組み合わさっています。
例えば、半音上下させる場合や、
メジャーorマイナー・コードを7thコードに置き換えるとか、
その手法は沢山ありますよ)
単音ソロのお勉強
(JOEのソロは単音で弾いていても
コードを感じさせる部分が多くあります。
ジャズを演奏する為には単音でコード感を
いつでも出せるようにならなければなりません。)
いつでも気楽に
(全部通して演奏することを目的としないで下さい。
いつでも気軽に楽しく譜面を活用しましょう)
< 他にも、この譜面から学べることは沢山あります。
JOEの恩恵に授かりましょう(^^)

第10回:和音の整理

師はよく言っていました。
「50年以上ギターを弾いているけれど、
まだまだ指板上には知らない音の組み合わせがある」

また、こうも言っていました。
「ギターという楽器は指癖のでやすい楽器だ。
どんな上手な人でも癖がある」

譜面集にはコードCm7やGM7といった
コード表記しかされていません。
たまに9や♭13と指定されている場合もありますが、
大抵はコード・ネームを見て弾かなければなりません。
いつもいつも同じコードを押さえていては進歩がありませんし、
コードはソリストに沿って変化するものだと私は考えます。
ちょっと難しくなってきたかな・・??
今回のワンポイントは
沢山のコードを頭の中でどう整理しているか?
ということです。
★通常のコード・・・
それぞれの音間が3度から5度の間に収まっているものです。
★クラゥスター・・・
(葡萄の房の意味)音符が葡萄状態になっているコードで。
半音&全音の音間が入っているコードです。
★4thビルド・・・
ギターは1本指で押さえると4度重ね(+3度)になります。
この和音は音世界が開放される感じに聞えます。
★特殊コード・・・
開放弦を使ったコードや
コードネームの表記が難しいコードです。
 このほかにコードを覚えるには
ⅡーⅤーⅠ進行を使うと便利です。
色々なⅡーⅤーⅠの流れのスムーズなコードを付けてましょう
またコードソロをしたい!
なんて考えている上級者の方には
トップの音ごとに覚える練習が良いと思います。
例えば、コードCM7でトップメロディが
ドレミファソラシド。
それぞれのトップ音にコードを付けてみると良いでしょう。
上行、下行を繰り返しながら、
今回はクラゥスター・・・
今回は4thビルドで統一して・・・
なんて制限を設けると良い練習になります。
私がよくやった練習に
「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」のコード進行で
トップ音を固定したりしました。
勿論コードにより半音上下させなければ
コードが付けられない時がありますが、
トップ音が変わらないのに下のコードだけが変わっていく・・・
ジムホールのようなアイデアです。

第11回:指板=音として見よう

ギターという楽器はピアノのように
規則正しく音が並んでおりません。
勿論1本弦上ならば話は別ですが。
上達する為には
「○弦○フレットは何の音?」
と聞かれてもすぐ答えられる必要があります。
どの位置に何の音があるかが分からなけば、
それ以上のことを考えて弾くことは難しくなります。
とは言ってもそんなに大変なことではありません。
誰も最初は知らないものですし、
徐々に覚えていきましょう。

ただ、闇雲に覚えようとしたって忘れてしまいます。
私はCメジャー・スケール(ドレミファソラシド)を使いました。
私はジャズを勉強し始めて2年くらいまではスケールを
2オクターブ弾くことは困難でしたが、
メジャースケールは別でした。
どこでも弾けましたよ。(←なんだか偉そうだ<笑>)
さて音を見る為に私がやった方法を書きます。
★紙と鉛筆、ギターを用意する。
★6本の横線(弦にみたてます)
と5,6本の縦線(フレットにみたてます)
を書きます。計7つ用意しましょう
○| |○|のように弦の上に○をします。
その○が弾く場所です。
★原則としてポジションは変えません。
左右の動きは少なくていいんです。音を覚える為ですから。
5弦3フレットを中指から始める
ドレミファソラシド→1弦5フレットまで
5弦3フレットを人指し指から始める
ドレミファソラシド→1弦7フレットまで
6弦8フレットを小指から始める
ドレミファソラシド→1弦8フレットまで
6弦8フレットを中指から始める
ドレミファソラシド→
1弦10フレットまで
6弦8フレットを人指し指から始める
ドレミファソラシド→1弦12フレットまで
4弦10フレットを人指し指から始める
ドレミファソラシド→1弦13フレットまで
5弦15フレットを小指から始める
ドレミファソラシド→1弦15フレットまで

ドレミファソラシドの場所が分れば、
あとは半音ずらすだけですから簡単です。
ピアノでもまずは白鍵を知るように、
ドレミファソラシドの場所を覚えましょう。
大丈夫です!やっていくうちに気付いたら覚わってますよ。

第12回:ダイアトニック・コード

今回は少し頑張って
ダイアトニック・コードについて触れてみましょう。
第8回でも書いた通り、ローマ字表記をします。
分り易いように今回もキーはCです。
CDEFGABCそれぞれの音から
3度上の音を加えて見ましょう。
音を上、そのコードを下に書きます。

C+ED+FE+GF+AG+BA+CB+D
DーE-A-B-

これを見て頂くと分ると思います。
「なにがって?」
音程がM3(長3度)の時コードはメジャー・コード、
m3(短3度)の時はマイナー・コードです。
同じ様にもう1つ・・・と言わず2つ付けましょうか。
するとコードはこうなります・・・

CM7D-7E-7FM7G7A-7B-7♭5

ついてきていますか?
M7コードになるのはC音にG音(P5:完全5度)と
B音(M7:長7度)が付いたためです。
m7(-7:マイナーセブン)になるのは
DにF音(m3)でD-。
A音(P5:完全5度)とC音(m7:短7度)が付いた為です。
大事なのは音ではなく、音間がどの程度開いているかです。
今日はもう少し頑張ってみましょう。
これをローマ字表記してみましょう。すると・・・

ⅠM7Ⅱ-7Ⅲ-7ⅣM7Ⅴ7Ⅵ-7Ⅶ-7♭5

呼び方は「一度・メジャーセブン」
「二度マイナーセブン」・・と「~度」と呼びます。
そして、これら7つのコードは
メジャーダイアトニック・コードと呼ばれます。
ローマ字表記であれば、
キーが変わっても考え直すだけで済みます。
例えば・・キーGの一度メジャーセブンは間違いなくGM7です。
三度マイナーセブンはB-7。
六度マイナーセブンはE-7。
G(Ⅰ)A(Ⅱ)B(Ⅲ)C(Ⅳ)
D(Ⅴ)E(Ⅵ)F#(Ⅶ)

Gの時はFに#(シャープ)が付いてます。
不思議じゃありませんか?
(えっ、そんな事ない?優秀な方ですね。)
私は最初、なんで♭や#が付くのか分りませんでした。
勿論メジャースケールの音間(第8回参照)を
Gから数えていけばFは#します。
数えれば分かるけど、すぐに分りません。
そんな調号についてはまたの機会に。

第13回:ヴィブラート

音に表情を付ける技術に
音程を揺らすヴィブラートというテクニックがあります。
ギターで可能なヴィブラートは2種類。
クラシックタイプとロックタイプに分かれます。
ロック・タイプ
ネックをしっかり握ります。
当然、親指はネックの上(6弦側)に出ています。
そして親指を軸として、手首を回します。
感じとしてはドアノブを回す感じでしょう。
しっかりと弦を押さえていないと、
音程が一定のリズムで揺れません。
クラシック・タイプ
親指はネックの裏か、もしくはネックから離してください。
そして押さえている指先を軸として
弦を左右に引っ張る感じで揺らします(手が揺れている感じですね)
やはり、しっかりと弦を押さえていないと、
一定のリズムで揺れないどころか音が途切れます。
さて、両者の違いを明白にしましょう。
ロック・タイプでは弦を押し上げる(チョーキングの様に)ため、
実音と実音より高い音の範囲で揺れます
クラシック・タイプでは弦を引っ張ったり緩めたりするため、
実音を中心に実音より高い音と実音より低い音の範囲で揺れます。
ヴィブラートの注意点は
リズムに合わせること
(それが16分音符でも32分音符でも構いません)
均等に揺らせること。(高かったり低かったりバラバラでは気持ち悪いです。)
時にはストレートな音が表情だということを知ること。

特殊なヴィブラート
★クラシック・タイプで同様に構え、
押さえている指先を中心に円を描くように揺らす方法。
★押さえているフレットの上下1,2フレット感を
高速でスライドする。
(手が疲れる上に、
これをやってるギタリストが実際にいるから驚きです。)
★1弦&6弦限定、弦をネックの外に出す!
(ジョンスコがやる方法です。喋っているみたいです。)
★主にアコギ限定、右手でヘッドを持ち(手が交差してます)
ネックを軽く曲げる。曲げ過ぎ注意!
(私は怖くて出来ませんが、ジャコパスもやってたっけ)
ふざけた演奏はまだまだありますが、
私はクラシック・タイプです(^^)

第14回:調号について

調号はト音記号やへ音記号の隣に付いている
♯や♭のことで調号を見ればキーを知ることが出来ます。
さて、その前に平行調というものを説明します。
もう聞いただけで嫌になりますね(^^)
簡単に言えば、
1つの調号でMAJORとMINOR、両方のキーが存在する
ということです。
そのメジャー・キーとマイナー・キーの関係を平行調と呼びます。
全ての基準は調号が何もついてない状態
(キーはCメジャー、Aマイナーです、この2つの関係が平行調)

♯の数キー♭の数キー
G、EmF、Dm
D、BmB♭、Gm
A、F#mE♭、Cm
E、C#mA♭、Fm
B、G#mD♭、B♭m
F#、D#mG♭、E♭m
C#、A#mC♭、A♭m

調号が付加されていく音の順番も決まっています。
♯系は・・・
F・C・G・D・A・E・Bという順番で私は
「ファドソレラミシ」と丸覚えしています。
♭系は・・・
B・E・A・D・G・C・Fという順番で
同様に「シミラレソドファ」と覚えています。
慣れないうちは見ただけではキーは分かりません。
♯が増えるごとに5度上のキーへ、
♭が増えるごとに4度上のキーになると覚えていれば十分です。
私はギターの指板で覚えました。
最初のうちは
「♭が3個だから、F・B♭・E♭
と数えてました。
また、メジャーとマイナーを判断するには最終和音やメロディ、
曲を聴けばすぐわかります。

第15回:ブルーノートについて

まずはKey=Aのオーソドックスなブルース進行を弾いてみましょう。

∥A7|D7|A7|A7
|D7|D7|A7|A7
|E7|D7|A7|E7

ブルース(Blues)は18世紀頃に生じたとされています。
もともとは弦楽器でコードを演奏しながら歌う。
「弾き語り」のスタイルを主としていた音楽様式です。
ブルースの調弦された西洋音楽コードの上に
黒人達の祖国であるアフリカ諸国の民族音階をもとにしていました。
さて、民族音階とは・・・
Ⅰ、♭Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、♭Ⅶ+♭Ⅴ
(key=CであればC、E♭、F、G、B♭+G♭)

この♭Ⅴを除く5音のスケールを
マイナー・ペンタトニック・スケールといいます。
西洋音楽の調整された音から見ると
Ⅲ、Ⅴ、Ⅶ度の音に異文化的な歪みがあった為、
平均律上の音に当てはめた♭Ⅲ、♭Ⅴ、♭Ⅶの音が
Blue Noteと呼ばれる音です。
ブルース進行・・・
シャッフルのリズムを使用します。
3連符の真ん中の音を省いてみてください。
ズッカ!ズッカ!と音が歩き始めます。
3コードを基にして、12小節に当てはめたもの。
Call&Responceの要領で演奏されていました。
それって何?って思いますよね。
簡単に言えば、最初の4小節で呼びかけ
次の4小節で少し展開した呼びかけをして
最後の4小節で前半の呼びかけに対する応えをします。
典型的なブルースではそういった演奏を心がけましょう(^^)
って書いても分かりませんよね。
私は古典的なブルース、
B・B・Kingやスティービー・レイボーンの演奏を
そういった聴き方をしました。
うまく演奏する為の簡単なコツを幾つか書きます。
例として最初にあげたKey=Aのブルースで
Amペンタトニックを使用します。
AmペンタはA、C、D、E、G+E♭です。
★A7の所でC→C♯→Eという音の流れを作りましょう。
逆の流れはブルースっぽくありません。
★Dの音は少しチョーキングしてみましょう。
★E♭の音を積極的に使用しましょう。
しかし、E♭音を長い音符での使用は控えましょう。
★D7の時にF#の音を強調してみましょう。
★11小節目で終われるように演奏を心がけましょう。
ただ、適当に演奏しているだけでは進歩がありません。
「こうやったらカッコイイ」というルールを自分の中で決めていきます。
それがミュージシャンがよく口にする。
ネタとか引き出しを持つということです。
誰かのフレーズを丸々覚えることでは
ありませんので注意してください

第16回:音価について

値と書いて
「音価」という言葉があります。
音楽を演奏する上で音価を考えることは非常に大切なことです。
というのも音価の高い場所に適切な音をはめ込めば、
他の部分で少しぐらいおかしな事を演奏しても問題ないからです。
では、早速・・・・・

1・3拍>2・4泊
長い音符>短い音符
強い音>弱い音
大きな音程差>小さな音程差
他楽器と一致する音符(リズム)>ギターのみの音符(リズム)
極端な例ですが、
演奏途中の小節の頭にベース・ドラムと揃って
通常より1オクターブ高い音を、
いきなりフォルテッシモで弾いたとします。
(ありえない・・<笑>)
すると、その音は限りなく高い音価と考えられます。
音価とは音楽を形成する上で重要な部分のことです。
「>印」の左に書かれた音符を演奏するときは
音を大事にする方が良いと思います。
またアドリブを取る際、
長い音、強い音を弾く時。突然、高い(または低い)音を
出す時には注意が必要です。

あまり、このように音楽を考えないかも知れませんが、
少し意識するだけで変わってくるものだと思います。

第17回:自分の居場所

アドリブを始めると、
ソロを弾くことに意識が向けられるあまり
周りの演奏がどこを演奏しているのか
分からなくなる時
があります。
それは、きっと誰もが陥る問題だと思います。私も経験しました。
リズム変化についていけない場合(ポリリズムなど)を除き
頭の中ではコード進行を追っています。
ここに巨大マンションらしき建物が見えます。
自分の居る場所から建物を見ると
8階建てで1フロアーに4部屋見えます。
これは私が演奏途中にイメージしている物の実態です。
勿論、マンションなんて考えていません。
私は最初のうち、イメージする事で
自分が何を演奏していても周りが
どこを演奏しているか分かるようにしていました。
おかしな話ですが本当の事です。
楽譜をマンション、周りの演奏を照明だと思ってください。
演奏が始まると8階左端の部屋から順番に
スポットライトが当たっていきます。(譜面1小節目からスタート)
脱走囚人を探す刑務所のライト・・(イメージ悪いなぁ)
灯台の灯りのような感じです。
知っている曲を楽譜を見ながら聴く時、
私達はそのように目線を当てていきます。
それが頭の中の記憶されている曲の上で行われています。
おおぉ、
なんだかマインド・コントロールみたいになってきた・・・。(^^;)

何故この方法を取ったか? 実は私がこの問題に悩んだのは
倍テンポで演奏をしようとしていた時です。
1人だけダブル・タイム(倍テンポ)での演奏をすると
周りが1小節演奏する間に2小節演奏してしまっていたのです。
つまり倍の音符で弾くから、
頭の中のコード進行もついて来てしまっていました。
だからイメージ作戦に出ました。
これをやってもやらなくても練習を続けていけば、
最後にはみんな無意識に自分の場所が分かるようになると思います。
でも、何故この方法が良いかを説明させて下さい。

★コード進行がビジョンで見れる為、
先のコードが簡単に読める。(3小節先も8小節先も分かります)
★1つのコードを忘れても他のコードを手がかりに思い出せる。
流れで覚えていてはそうはいきません。
★フレーズが小節線を越える場合でも見失わない。
(つられる場合は除きます)
★同小節数の曲が覚えやすい。
(これもイメージの力か?)
しかしデメリットもあります。
それは1段4小節の楽譜でイメージすると、
ぐちゃぐちゃに書かれた譜面
(1段に5小節あったり3小節しかなかったり)は
非常に演奏しにくいことです。

第18回:聴くということ

音楽を学ぶ初期の段階で
聴くということは非常に大事なことです。
その面で私はラッキーだったかもしれません。
専門学校では音楽の話題で持ちきりです。
また、18歳の頃からジャズ喫茶に出入りして
何が良いのか?を沢山教えて頂きました。
私生活ではアルバイトで稼いだ大半を
CDに費やせる時期でもありました。
名盤と呼ばれる音楽を沢山聴く事をおすすめします。
聴く方法
・・・そんなものが存在するのかどうか私には分かりません。
初期の段階では、優れた演奏家がどんな音を使っているか?
どんなフレーズを弾いているのか?

といったことばかり聴いていました。
しばらくすると、
前乗り、後乗り
なんて言われるリズムの乗り方を注意していたのを覚えています。
最近では、どんな音を使っているか?
を聴くこともありますが音楽の流れを重視して聴いています。
そう聴いていると自分の中でソロをどう進めていくべきか?
が鳴るようになります。
これは少し難しいかも知れません。
分かり易く言えば、とって付けたようなソロから、
より自然な流れを持ったソロにする為の
自分の心の中の訓練なのかも知れません。
優れた演奏家のソロが次にどうなるのか?
を想像しながら聴いてみることをオススメします。

第19回:主要三和音

私は新しい曲を学ぶ最初に必ず
アナライズ(分析)をしていました。
勿論今では無意識に分かるようになりましたが、
コードがどのような機能を持っているかを知ることは
音楽を発展させる上で重要だと思われます。

まずは主要三和音と呼ばれるコードの機能を考えてみましょう。
今回もキーはCです。
CM7=ⅠM7
これを主和音(トニック)といいます。
FM7=ⅣM7
これを下属和音(サブドミナント)といいます。
G7=Ⅴ7
これを属和音(ドミナント)といいます。
「はぁ~(ー_ー;)と読んでいただくだけで結構です。」
これらのコードを主要三和音と呼びます。
主要三和音はコード進行中において、
個別の働きを持っています。
Tonic Chord(トニック)・・Ⅰ6、ⅠM7
キーの中で最も安定したサウンドを持っているコードです。
全てのコードに進行できます。
Dominant Chord(ドミナント)・・Ⅴ7
動的で不安定なサウンドを持っています。
そのため、トニックへ進行して
安定(解決)しようとする性質を持ちます。
ドミナントは基本的にトニックへ進むしかありません。(例外は多数あり)
Sub Dominant Chord(サブドミナント)・・Ⅳ6、ⅣM7
中性的な性質を持ち、
主要三和音の中では最も柔らかいサウンドを持っています。
トニック、ドミナント、サブドミナント・マイナー(Ⅳー7)
のいずれにも進行が可能です。

第20回:弦の交換時期

梅雨の季節にピッタリのお題ですね。
一般的に弦をどのくらいで交換するものなのかは
演奏量によると思いますが、私の目安をお話します。
まず張り替えた直後
サウンドはとても生き生きとしています。
しかしチューニングは意外とすぐズレます。
1ステージ演奏を行った後ぐらいから、
だいぶ落ち着いてきますが、
最初は元気があり過ぎてピックへの抵抗感も増します。
そして1週間後
弦はとても安定しています。チューニングも合い易く、
オクターブ調整の必要もないくらいでズレにくい。
そして2週間後
どれだけ演奏をしていなくても、
この時期には間違いなくプレーン弦が錆びてきます。
しかし何故でしょう?
私はこの時期の弦の状態がとっても好きです。
指~弦~ギター~アンプととても一体感を感じます。

そろそろヤバイ3週間後
プレーン弦は死亡します。もう伸びきって勢いがない、鋭さがない
私は先にプレーン弦を交換してしまう事が多いです。
まだまだやるか?4週間後
完全にオクターブのピッチがずれて来ます。
プレーン弦は心機一転元気かも知れませんが巻き弦がヤバイです。
こうなると、オクターブ調整を古い弦の為にする必要があります
(↑これとっても面倒です)
そろそろ替えたら?5週間後
私がこの状態になるまで放って置くことは少ないです。
本当に忙しくて時間がない時になる最悪の状態です。
なかなかチューニングが合いませんし、サウンドはもう(ー_ー;)
弦を替えましょうよ。
しかし、これはあくまでダダリオ弦の私の演奏量での話です。
ひょっとしたら耐久力のある弦をお使いの方もいるかと思います。
サウンドにツヤが無くなったら替え時、
オクターブ調整が狂ってきたら替えなくてはいけない。

と私は考えています。

第21回:師の恩恵(音型)に授かろう

始めに、今回はとってもハイレベルです。
無理はしないように!(^ー^;)
私は師匠鈴木康允さんから本当に沢山の事を学びました。
師は自分の演奏の全てを事細かく私に教えてくれました。
全てを口にしているわけではありませんが
演奏で補う形のレッスンで私の音の可能性は格段に広がったと思います。

私は師を見て、そして今私が講師としてレッスンを行っていると、
自分のアイデアを後進に伝授することは
講師にとっても良いことなのだと実感します。
また私は師の演奏を徹底的に分析しました。
一時、師と共演しているとドラムの方が
「目を閉じてると、どっちが先生か分からない」
とまで言わせるほどソックリでした。
師匠または好きなギタリストに似てしまう・・・
それを私は多いに歓迎しています。

しかし重要なのは
常に先を見ているという事です。
似た演奏は研究しなければ出来ない事。
しかし、同じスタイルでは師以上のモノは
演奏出来ないという事を知っていてほしいのです。
その後、自分のスタイルを確立するんだ!
という気持ちがあれば自分の中で更に発展させることは可能です。

さて、前置きが長くなりました。師の恩恵(音型)に授かりましょう。
師のアルバムLove&Respectをお持ちの方は
最後の曲It’s so good to see you!を聴いてみて下さい。
4度&2度の音程で作られた3音のユニットを
師は発展させ続け見事に歌わせています。

まず最初に話して置きたいのは
インサイドの音でもアウト感を出せるということです。
4度&2度の音程とは・・・
例えばC+D+F、C+F+G、B♭+E♭+C
また逆にG+C+A、G+C+D
といった形。
1、2弦で作られる音型では
90度の角度を持つ三角形が指板上に見えます。
2、3弦上では・・・
言葉での説明は難しい三角形ですね。(笑)
また、ある種の規則性を持った音列は例え外れていても、
外れたグループとしてまとまっていれば
OUT感に耳が耐えられるという人体の不思議さをも考慮されています。
それでは実際に弾いてみましょう。
コードはCです。
CからFへ上がりDに降りてみましょう。
この3音はCのトーナリティーに居ながらも
Dマイナーを表現しています。
さて、DからまたFへ上がりB♭へ、
そしてGに下がって
見ましょう。
この時、Cのトーナリティーから少しOUTしましたが
違和感がありますか?
同一モチーフにより違和感を和らげています。
次にGからE→Bと下がり、Aに下がりきります
この時やっとCのコードへと繋がりました。
正確には代理であるAマイナーに。
3音+3音+3音と音符を切って
演奏
していくとそこにケーデンスが生まれます。
師はこの無限の可能性を秘めた音型を使用して
非常に美しいメロディを奏でます。
またOUTもOUTに感じさせない、
またインサイドでも単調になっていない
素晴らしいソロへと仕上げています。

興味のある人は師の演奏を聴いてみるか、
私のレッスンにでもどうぞ(営業は控えます<汗>)

第22回:無音の美しさ

レニーブロウのThierteenという曲をご存知でしょうか?
13秒間の静寂が
音楽を聴こうとしている私たちの耳と心に
何を届けてくれるでしょうか?
静寂というサウンドは究極のもの とレニーは語っています。
さて、私もまだまだ音を沢山弾いてしまうのですが
音楽には間というものが非常に大切であります。
人の心へ届かせようとする程、
私は間を意識します。
また美しいバラッドでは間を大胆に生かすことが出来るでしょう。
声をのばそうと思わなければ、
長く声を出すことは出来ませんよね。
同じ様に、私はギターも音をのばそうとしなければ
ロングトーンは出せないものだと考えています。
もし不必要な場所でやたらと音を伸ばすとどうなるでしょう。
1.まずジャズの4ビート感が消えます。
2.それはつまりグルーブがなくなります
3.という事は、ダラダラとした演奏に聴こえます。
そのあたりの繊細なコントロールが非常に上手いのがジムホールです。
パット・メセニーとのデュオでは
その上手さの違いがハッキリとしてますね。
パットも自己のトリオでは信じられない演奏を聴かせてくれますが、
ジムとの演奏では完全にやられているように感じます。
そのアルバムのサマータイムのテーマの取り方、
また別CDのPrerude to a kissのテーマの取り方は必聴です!
音をどのタイミングでどの程度のばすか?
その間合いを少し考えてみてはいかがでしょうか。

第23回:バタつかせる力

なんなんでしょう!このタイトルは。
私が書きたいのは
「ハンマリング・オン」「プリング・オフ」「トリル」
のことです。
まず、「ハンマリング」
ハンマリングとは弦をピッキングしないで、
左手の力だけで弦を勢いよく押さえて音を出す奏法です。
私は多様します。(←右手が下手っぴだから?)
そして、「プリング」
プリングとはハンマリングの逆で
押さえた状態の指から弦を引っかく感じで、
ピッキングをせずに音を出す奏法です。
当然、私は多様します。(←右手が下手っぴだから???)
はい、次。「トリル」
これはハンマリングとプリングを繰り返す奏法です。盛り上がります!!
まずは人指し指を押さえた状態で、中指で音を出して見ましょう。
C(人指し指)C#(中指)を繰り返す・・・。
次にC+D(薬指)そしてC+E♭(小指)
バタバタさせて下さい。
ここで注意
1、メトロノームに合わせてインテンポで練習してください。
2、音はビビっていませんか?
3、ピックで弾いた時に負けないサウンドが出せていますか?
最初はすぐに指が疲れますが、
練習していけば、指の力がついてより長く出来ますよ。
今思い出したんですが、
このトレーニングをインストのロックギターの名手
ジョーサトリアーニがやってたような・・。
確か彼は「フラッターパワー」と呼んでいた気がします。
とにかく、このテクニックは根気と体力・・いえ指力が大事です。
コツコツと練習していってください。
そうそう、
人指し指を押さえた状態で全てやったら、
中指を、そして薬指を押さえた状態でやって見て下さい。

薬指&小指のバタバタをしていると指がつりそうです。
腱鞘炎にならないように気をつけてくださいね。では。

第24回:ペンタトニック理論

ペンタトニック理論だなんて難しく書いてしまいましたが、
やはりまずは基本から説明します。
ペンタトニック・スケールとは
5つ音で構成されているスケールのことです。
メジャー・ペンタ
(↑こう呼ぶといつも岩跳びペンギンを連想してしまう)
通称ヨナ抜きと呼ばれ、メジャースケールの4度と7度が無い音階です。
キーがCであれば、
FとBが無いCDEGAという音階になります。
マイナー・ペンタ
(↑こう呼ぶといつも普通のペンギンを・・・連想しませんって!!)
マイナーでは2度と6度が仲間外れにされています。
キーがAマイナーだと
ACDEG
「おぉ!さっきのCメジャーペンタと同じじゃん!」 当然です。
「調号について」をお読み下され。
これらは平行調という仲間ですから。
さて、この5つの音達!選ばれた精鋭だけあって、
非常に使用頻度が高いのです。
別に4度や7度が落ちこぼれという訳ではありません。
ただちょっぴり気性が荒く、
使う方も気を付けないといけません。
というのも、この2音でトライトーン(増4度音程)を作ってしまいます。
ロックンロールやブルースでは
この音階にブルーノート(※ブルーノートについてを参照)
♭5度の音を織り交ぜ、カッコよく弾けます。
聴かせられます。泣かせられます。

またジャズでは
○M7コードの時に半音下のマイナーペンタ。
Ex)CM7→Bマイナーペンタ
○ー7コードの時に5度上のマイナーペンタ。
Ex)C-7→Gマイナーペンタ
○7コードの時に短3度上のマイナーペンタ。
Ex)C7→E♭マイナーペンタ
○ー7♭5コードの時に4度上のマイナーペンタ。
Ex)C-7♭5→Fマイナーペンタ
と処理することも可能。
可能性だけを見れば、
更にペンタトニックをグループとして考えることで、
OUTのまとまりをペンタトニックで作ったり・・・。
ペンタはとても奥が深いので絶対に覚えましょう(^ー^)
損はさせませんよ!
最後に私が以前作った曲JAPANICA(Japanese In Canadaの略)には
ジャパニーズ・ペンタトニックをふんだんにトッピングしました。
キーはEマイナーで構成音はEFABCという音の並びです。
日本人なんだから少しは日本の音階も知っておかないと
海外で向こうの人に教えられていたんじゃ情けない。

第25回:食う

そうそう私は米菓子には目が無くって
・・・(ー_ー;)失礼。
「食う」なら拍を食って下さい。
ミュージシャンがよく言う「食う」って
「アンティシペイション」と言います。
「食う」ととってもリズムが面白くなります。
情けないのは食った後リズムが速くなってしまう人。
メトロノームでしっかり練習してみましょう。
まずはメトロノームを4拍キッチリ鳴らします。
適当な譜面を持ってきて食ってみて下さい。
ワン・エン・ツー・エン・スリー・エン・フォー・
エン・ワン・エン・・・・・
という感じです。

「エン」は裏拍のことで「and」の意味です。
少しずつテンポを上げていって見ましょう。
一旦ズレるとなかなか元に戻れなくなってきますよ(^ー^)
次に2小節ずつコードがあると過程しましょう。
・・・エン・ワン・エン・ツー・エン
・スリー・エン・フォー・エン・ワン・エン・・・・・
気分はエアロビでも何でもいいですから、
必ずメトロノームに合わせましょう。
変な癖が付いたら直すのは大変なようです。
それが出来たらアドリブでも食ってみて下さい。
多くの教則本には「ここはアンティシペイションしている」
としか書かれていませんが、
これは非常に重要です。
ジャズを演奏するには本当に大事ですよ。

第26回:読譜

ギタリストは本当に譜面の弱い方が多い
いきなりとても失礼な事を言ってしまいましたが、私はそう思います。
きっとギターを演奏する方はある時期に音楽に目覚め、
今まで読む機会の少なかった五線譜に挑まなければならない時期に
TABに頼り過ぎてしまったから
だと私は思います。
読譜力をつけることは
本当に地道な作業を続けていくしかありません。
私も譜面はあまり強い方ではありませんが、
どのように訓練していったか?が今回のお題です。
1、調号のない(キーがCかAm)の譜面を用意する
2、ギターを弾かずに譜面を1度読む
3、自分がしっかりとしたリズムで弾けるテンポから、
メトロノームに合わせて練習する。

※この時、間違えても止まらないように!
どんどん先を読む。次回は間違えないように。

4、常に先の1音を読み、次第に先の2音を
・・先の3音を読むようにする。

5、この頃になると、
既に指もしくは頭が覚えてしまっているので、
しっかり弾ける限界のテンポまで持っていく。

6、そして新しい譜面へ
(次第に調号の多い譜面へ)と移りますが、
絶対に譜面を覚えようとしない事が重要です。
自然に覚えてしまう場合は仕方ありません。

また、譜面を読むトレーニングは譜面を書くことでも養われます。
沢山コピーをして譜面に書いたり、
存在する譜面をノートに書き写すだけでも効果はあります。
(↑これつまらない)
いつでも心にとめておいて欲しいのは
常に先を読む
という事です。

第27回:左手の無駄な動き

私が初めてJIM HALLの生演奏を見たとき、
その左手のスムーズな流れに衝撃を受けました。
同じギタリストですから、
向かいあっていても大抵の指の流れは分かります。
しかしJIMの左手は無駄な動きがほとんどない状態で、
私は間近で見ていたにも関わらず
JIMがどの音を押さえているのか分かりませんでした。
私の言う無駄な動きがない
というのは分かり易く言えば、
指がフレットから、あまり離れていないということです。
それ以来私は無駄な動きを極力減らすようにトレーニングをしてきました。
このようなことに意識しました。
☆必要がなければ、押さえている指以外は浮かさず、
弦に少し触れている状態に近づける。
☆1本弦上で指を押さえる際、
中指で押さえている時は人差し指は押さえたままにする。
☆同じように薬指を押さえている時は、
人差し指&中指を押さえたままにする。
☆最後はお分かりですよね、
小指を押さえている時は
人差し指&中指&薬指を押さえたままにする。
と言ったものです。
ジャズのフレーズは弦移動が多くて
全てをこの状態で演奏するのは不可能です。
しかし、指を押さえたら→押さえた状態で残す(適度に)
指を広げた状態で残す(適度にですよ~!)
このようにして練習していました。
コードは指がコ-ドフォームを覚えて、
すぐに押さえられるまでひたすら演奏、演奏でした。
4弦からA+E+F+Cといった
4本指がこんがらがるようなフォームも
繰り返し繰り返し演奏することで、
すぐ押さえられるようになります。
しかし!
世の中は本当に広い、
パッと見で無駄な動きが多くても
素晴らしい演奏をする人達がいるんですよ。
パット・メセニー!パット・マルティーノ!
冗談ではありません。ホントです。
彼等はきっと私達の想像を越える練習を積み重ねてきたのだと思います。
頑張るぞ~!

第28回:ポジションの選択

譜面を読む際、どのようにしてポジションを決定しているか?
をご説明します
ご存知の通りギターには同じ音が2つ以上ある場合が多いです。
ポジションが違うだけで随分と弾きにくくなる場合もあると思います。
ではまずギターという楽器(レギュラーチューニング)の
音域、配置を少し見てみましょう。
★5弦A音より低い音はポジションの選択をする必要はない。
★1弦G(15フレット)より高い音は
ポジションの選択をする必要はない。(稀に2弦を使用する)
★譜面上と実際の音が1オクターブ違う
(ギターは1オクターブ低い)
★2~3弦間だけ3度の音程他の
1~2、3~4、4~5、5~6弦間は4度の音程で離れている。
といった具合である。
譜面を見た時、そのフレーズが途切れもなく上昇、
または下降しているのであれば、
上昇ならポジションをどんどん上げ、
下降ならポジションも下がっていくようにする

実際の音は変わりませんが、
音を表現するというのは
このような演奏方法を選択していくことにあるような気がします。
ひとまとまりの音符の中で(次のひとまとまりを視野に入れた状態)で
一番高い音を見つけ出し、その音が弾けるポジションで演奏する
5弦Aより低い音はポジションが限られているので、
A以下が入った段階でポジションは
1~4フレット辺りに指を置くこととなる
ポジションを下げる時は人差し指で下げる機会が多く、
上げる時は薬指&小指で上げることが多い。

第29回:弦交換で気にすること

ギターの弦交換で気にすることは3点
1、ヘッドに弦を巻く回数
2、弦をよく伸ばす
3、オクターブ調整

1、ヘッドに弦を巻く回数
多少でもチューニングを安定させる為に私は巻きつける回数を決めている。
5、6弦=2回から3回巻きつける。
3、4弦=3回から4回巻きつける。
1、2弦=4回から5回巻きつける。
多少うまくいかない時もありますが、
出来るだけ上記の回数分ヘッドに巻きつけます。
ベストの状態は弦やギターによって違うかも知れませんが
一般的に見ても、このくらいが安定していると思います。
2、弦を軽く伸ばす
昔、私は弦を両手で引っ張って伸ばしていましたが、間違いです。
やはり弦は自然に伸びる方が長持ちするようです。
私は弦を張った状態で軽くチョーキングをしたりして、
ギターに張られた状態から自然に伸ばすようにしています。
3、オクターブ調整
これは非常に大事です。オクターブ調整がずれていたら、
いくらチューニングしても合わない位置が出てきます。
何故このような調整が必要かといえばネックが微妙に変化するからです。
ギターは強いテンションで弦が張られており
ネック部分がそのテンションに反発しようとします。
また湿度や温度により、木そのものが変化します。
丁度、中心位置で区切られるはずの
12フレットの位置が少しでも前後すると
オクターブチューニングが狂います。
しっかりチューニング・メーターを使用すること
12フレットのハーモニックスを出して、
次に12フレットの実音を鳴らす。
音程が上下するのであればオクターブが狂っています。
一旦弦を緩め、ねじを調整してから張りなおし
再度同じように確認します。
また上記の3つ以外にも
エボニーで出来ている指板には
レモンオイルをしようして割れを防ぎますし
ピックアップの調整も行います。

第30回:練習って何?

早いもので、このページを書きはじめてから30回目を迎えました。
皆様のお役にたっているのかどうか分かりませんが、
今後も頑張っていきたいと思います。
記念すべき30回目は練習って何?
こんな漠然とした題で何を言いたいのかと言いますと・・・
練習に復習を導入し過ぎるな!という事です。
もし貴方がより高いレベルへ一歩でも早く近付きたいと思うのであれば、
この事に気付くのは非常に重要なことです。
例えば、スケール練習にしてもいつまで同じ内容をするつもりか
メドを立てずに行っている方がとても多いです。
また、アドリブの練習にしても、
同じフレーズのワンパターンをいつまで繰り返すのでしょうか?
それは、私にとって練習の合間に行う気分転換のようなものです。
難しい・・出来ない・・と思うと私は燃えます
音楽を演奏していて本当に楽しいと思う瞬間は
閃きが私の心に舞い降りたとき!(観客の反応は除きます)
です。
勿論、そのレベルに達するまで
かなりの練習が必要になると思われますが、
私にとってはその為の練習も楽しいものとなっております。
閃きは自分の感性が音の中に自然に融合し、
次に来るサウンドを知らせてくれます。
そのサウンドを楽器で表現出来るようになる為にも、
楽器とのコミニュケーションを計る日々の鍛錬は
欠かすことが出来ません。

第31回:Root Movement Cycle No.1

今回のお題は少し難しいので2回に分けて書きます。
その名もルートムーブメント・サイクル
調性された音楽では音は
12音:C、C#、D、D#、E、
F、F#、G、G#、A、A#、B

そして再びCに戻ります。
つまり、半音で音が進行すれば、
Cから上(もしくは下)のCまで12音で頭に戻ってくる円を
描くことが出来ます。

ここで何故ルートムーブメントと私が呼んでいるのかと言いますと、
コード進行として考えている為です。
さて、まず最初に一番代表的な
CYCLE OF 5THから説明します。
コードのルート音が完全5度↓(完全4度↑)に移行する時、
そのコード進行は一番進行感がでます。
つまりDm7→F#m7と移行するより、
Dm7→G-7と動く方が進行感が出て安定しているということです。
上記ではマイナーコードで書きましたが、
どのコードにおいても言えることです。
E7→A7やD♭M7→G♭M7
CYCLE OF 5TH(サイクル・オブ・フィフス)とは
完全5度↓へどんどん進行した際に出来る円のことです。
C→F→B♭→E♭→A♭→D♭→G♭→
B→E→A→D→G→(C)

と延々と続きます。
この5度(↓)進行または4度(↑)進行と呼ばれるサイクルが
どれだけ重要かは、いずれ分かります。
(もう知ってるって?そんな人はNo.2へ)
ジャズにおいて、
頻繁に出てくるこの進行に対処することが重要になってきます。

第32回:Root Movement Cycle No.2

ルートムーブメント
は他にも存在しますのでNo.1を含めて簡単に見ていきましょう。
まず半音によるルートムーブメントは
12音1種類~クロマチックスケールは1種類~

C→C#→D→D#→E→F→F#→G→
G#→A→A#→B→(C)

全音によるルートムーブメントは
6音2種類~ホールトーンスケールは2種類~

C→D→E→F#→G#→A#→(C)
C#→D#→F→G→A→B→(C#)

短3度によるルートムーブメントは
4音3種類~ディミニッシュスケールは3種類~

C→E♭→G♭→A→(C)
C#→E→G→B♭→(C#)
D→F→A♭→B→(D)

長3度によるルートムーブメントは
3音4種類~オーグメントスケールは4種類~

C→E→A♭→(C)、C#→F→A→(C#)
D→F#→B♭→(D)、E♭→G→B→(E♭)

完全4度によるルートムーブメントは
12音1種類~サイクル・オブ・フィフス

C→F→B♭→E♭→A♭→D♭→G♭
→B→E→A→D→G→(C)

増4度によるルートムーブメントは
2音6種類

C→G♭→(C)、C#→G→(C#)、D→A♭→(D)
E♭→A→(E♭)、E→B♭→(E)、F→B→(F)
12音にはこのようなサイクルがあり、
このアイデアを色々活用することが出来ます。

ディジー・ガレスピーは短3度のムーブメントを研究し、
色々な演奏パターンを作りだしました。
ジョンコルトレーンは長3度のムーブメントを使用し
GIANT STEPSという名曲を作りだし、
更にはスタンダードにまでこのサイクルを応用し、
長3度によりムーブメントは現在
コルトレーン・チェンジと呼ばれています。
また、私は単なるスケール練習をするにでも
このサイクルを利用し、頭の中でサイクルを考えながら
スケールをチェンジしていく練習もしました。
「よし、今日はメジャースケールを
短3度のサイクルで練習しよう!」

なんて具合に。
すると頭では
CM7→E♭M7→G♭M7→AM7
というコード進行を鳴らせています。
次はC#からスタートさせて、次はD~といった具合です。
さて、何故増4度より広い音程がないのでしょうか?
それは転回形が同じになるからです。
完全5度=完全4度、短6度=長3度、
長6度=短3度、短7度=長2度、長7度=短2度
これらは上記の矢印を逆に進むことで
簡単に変化させることが出来ます。

第33回:エコノミーとオルタネイト

飛行機のシートのような今回の題は
エコノミーとオルタネイト
つまりピッキングのことです。
エコノミーとは・・・
文字通りダウンピッキングとアップピッキングを
自由に選択してピッキングすることです。
オルタネイトとは・・・
エコノミーとは逆に
ダウンピッキングとアップピッキングを交互に
規則的にピッキングすることです。
どちらがいいかと言えば、
それぞれに良さがありますが・・
私は初心者には必ずオルタネイト・ピッキングを勧めています。
というのも、オルタネイト・ピッキングは
リズムが安定しやすいというメリットを持っています。
逆にエコノミーは弦を移動するのが容易だということです。
この2つのうち、
ギターを始めたばかり人にとってどちらが大切かと考えたところ
リズム(オルタネイト)をとった訳です。
しかし、ジャズまたは他のジャンルにおいても
スウィ-プと呼ばれる3本以上の弦を箒で掃くように演奏する方法
が使用されます。
オルタネイトで慣れてしまうと
スウィ-プのリズムがなかなか安定しません。
私は、オルタネイトを基本に演奏出来るようにした後、
スウィープのリズム感を安定させました。

現在まで、仕事で右手が追いつかなかったことはとりあえずありません。

第34回:フィンガーピッキング

フィンガーピッキング
といえば指でピッキングをすることですが、
今回私が説明するのは
ピックを持った状態でのフィンガーピッキングです。
まず、ピックを持つ為に右手の親指と人差し指を使用します。
私はコードを弾く際、
ピック+中指+薬指+小指と全部使用します。

何故、このようにピッキングするか?
それはピックのみだと、
どうしても音の出るタイミングに時間差が生じる為、
ピアノのように同じタイミングで弾けるように指を使います。
「だったら、ピックを使用しなければいいじゃない?」
確かに・・・しかし、
ピックを使用したサウンドも捨てがたいのです。
音にならないカチャカチャしたサウンドが!

さて、練習方法です。
まずはピック+中指で和音を弾いていきましょう。
3度の和音がいいですね。
ド+ミ、レ+ファ、ミ+ソ・・・

必ず、ピックのサウンドと指のサウンドが
同じ音量で出せるように訓練しましょう。
最初はとても動きにくいものです。
親指+人差し指と中指で2本の弦をつまむ感じなので
最初はピック→中指→ピック→中指と
交互にピッキングして徐々に同時に出来るようにします。
さて、ここまでの段階では2本の弦は隣合っています。
6度の音にチャレンジしてみましょう。
ド+ラ、レ+シ、ミ+ド・・・
必然的に間に1本弦を挟む事になります。
これもまた難しいです。
やはり交互に弾く練習をした後同時に弾けるようにしましょう。
なれたら薬指も導入します。
中指+薬指の同時弾きは動かし易いので、
ピック→中、薬指→ピック→中、薬指の交互
で弾けるようにしましょう。
同様に小指も導入します。
小指が一番の問題なのです。
とにかく小指は動かない曲がらないと古い単車のよう。
しかし、単車同様に愛を持ってメンテナンスしていけば、
必ず動くようになります。
ピックを持ちながら4和音を同じタイミングで出す・・・
するとボサノバがピックを持った状態で弾けます。
脳のシナプスの数を増やし、
この電気信号が上手く伝わるまで訓練あるのみです。

最後に私のピック+指の最高峰のテクニックを伝授します。
まずこの状態でアルペジオが弾けるように訓練しましょう。
そして弾くタイミングを以下のようにずらします。
★3拍子の場合ピック=4分音符、
中&薬指=1拍半、小指=2分音符

どうです?トリッキーでしょう?
名曲「いつか王子様が」のイントロを
Fペダルで演奏する時に使用します。
小指のタイミングが最初の小節では
1&3拍目にくるのに2小節目では2拍目だけとなり、
かなり面白い。
★4拍子の場合中&薬指が4分音符、
ピック=2拍3連、小指=2拍3連上の奇数拍

さぁ、ややこしくなってきました。(^ー^)
つまり、中&薬指を先に4分音符で弾いた状態で
ピックで2拍3連を弾きます。
やはり問題は小指・・・
1回目の2拍3連で1拍目と3拍目で、
2回目の2拍3連の2拍目でピッキング・・・これで1小節です。
どうでしょう?このリズムの迷宮に迷い込んでしまった気分は?
指が思うように動かないことと、
リズムがなかなか安定しない事は
当然のことですのでゆっくり練習してみてください。

第35回:ゴーストノート

楽器の中でギターという楽器は
音にならない音を弾く珍しい楽器です。
これはギターがリズム楽器としての役割も
持っている所以とも言えます。
音にならない音
それはミュートされた音のことです
カッティングと呼ばれる技術は
ファンク音楽だけでなく、ロックやブルース、
またフュージョンにまで幅広く演奏されます。
勿論、アレンジ次第ではジャズでも可能でしょう。

故タルファーロウは
ピアノ+ギター+ベースというトリオを好んで演奏していましたが、
彼はそのトリオでパーカッション的な役割を果たしていました。
2拍4拍にアクセントを付けた
「チッ・チャカ・チッ・チャカ」という演奏は
聴いていて非常に気持ちの良いものでした。

さて、ゴースト・ノートとは
音よりもリズムを重視した音のことでジャズではよく演奏されます。
ゴースト・ノートを入れることにより、
音がとてもグルーブを持ったサウンドとして響きます。
具体的な例をあげると・・・
4分音符でC→B→B♭→Aと下がるより
8分音符でC→(A)→B→(G)→B♭→(G♭)→A→(F)
と演奏した方がグルーブを感じやすいと思います。
上記の括弧内の音は音を出すことより、
リズムを意識して演奏します。
音が出なくても問題はありません。
アップテンポの演奏では、
どうしても8分音符がイーブンになり易いので、
意識的にスウィング感を大きく出す場合はゴーストノートを導入します。

第36回:爪の保護

クラシック・ギタリストは
爪の保護にはとても神経を使うことでしょう。
それはクラシックではない私達でも同じ事です。
まずは左手・・・
とくに長さは気にしませんが、
指板に当たるようであればカットした方がいいでしょう。
左手に関しては、長過ぎなければ問題はないと思われます。
たまにささくれを取った後、弦を押さえると痛いことがあります。
まぁ、それでも大した問題にはなりません。
そして右手・・・
これには好みがあるかもしれません。
というのも、
タック・アンドレスなんかは深爪でも強くハッキリした音を出します。
あれは訓練のたまものかも知れませんね。
私は手の平側から指を見た時に、
爪が1ミリ程度見える状態が好きです。
ライブ前日などは爪には本当に神経を使います。
引っかかるのは問題外ですが、
長すぎて爪に力が入れにくかったり、
細いサウンドになるのは避けたいと考えています。
理想的な爪の形
とても美しいとは言えない形になります。
指を伸ばした状態で甲側から見ると、
弦に当たる爪の左半分は見事に斜めにカットされていますが、
右側部分は普通に爪が伸びた状態です。

しかし、この状態が一番力が入れ易いです。

第37回:どこを見てるの?

初心者の方はとにかく左手も右手も見ていないと
押さえられない&弦に当たらない状態だと思います。
まずは右手を見ないで弾ける練習をしましょう。
Cを基点にC→E→C→F→C→G→C→A→C→B→C→C
(オクターブ上)→D→C→E・・・

と弦を跳ぶ練習をしましょう。
慣れてきたら今度は高い音を基点としてやってみましょう。
弦の間隔を知ることが大事です。
最初は違う弦を弾いてしまうかもしれません。でも、
1、右手は見ない。
2、しっかりとハジく
ことに意識を向けましょう。
さて、演奏が高度になると左手を見なければ、
ポジションチェンジでミスを犯してしまうことがあります。
しかし私は、目を閉じて指を見ていない状態がとても好きです。
好き嫌いの問題ではないのですが、
そう思う理由がありまして、
まず、五感の一つを絶つことで聴覚が鋭くなる気がします。
そして、想像するという機能が
目を開けている時よりも長く維持出来るように思えます。

まぁ、間違った音を出すわけにもいかないので
程々にといったところですが。

第38回:4Way Mechanical Open

すごい題ですね・・・なんだか難しそうです。
でも心配は要りません。
よく言うDrop2とかDrop3と呼ばれるものです。
4Way Close Voicingというのは、
最も一般的というかシンプルに考えて下さい。
ある音から「団子状」に積んでいったものです。
例えばCM7であればC+E+G+B
A-7であればA+C+E+Gといった感じです。
さて、OPENとは・・・・
特定の声部を1オクターブ下げる機械的な作業をすること
によって出来上がるコードです。
種類は3種類・・・
Drop2、Drop3、Drop2&4があります。
Drop2
4way closeの上から2声目を1オクターブ下げます。
つまり5度の音ですね。
もし、コード自体にテンションを加えるときはOPEN化させた後、
テンションを加えましょう。
ギターという楽器はOPENコードは
とても使いやすいので勉強になりますよ。
Drop3
4way closeの上から3番目(3度の音)を1オクターブ下げます。
Drop3では上2声に
3度のハモリが保たれている状態が好ましいとされています。
Drop2&4
上から4番目(Root)だけでは順番が変わらないため、
上から2声目も1オクターブ下げる。

最もギターらしいですね。
ただ、和音としては音域がとても広いので
速いコードソロには向かないかも知れません。

第39回:クリシェ

ツェッペリンの「天国への階段」のイントロをご存知でしょうか?
Rootが半音ずつ下降していき、
とても素晴らしい哀愁漂うメロディを奏でています。
クリシェというのは、
コード内の声部が半音で進行することによって
コードのサウンドを装飾する1つの方法です。

クリシェにより、次のコードへの移行が
より自然に感じられる場合も結構多いです。

5度が変化する場合
5→#5→6→#5→5
5度の音を変化させる場合は大抵、トライアドの形を取ります。
例えば、C△、C△+、C6、C△+、C△のような感じになります。
これは私の大好きなスタンダード・ソング
「In the wee small hours of the morning」の出だしのコード進行です。
Rootが変化する場合
R→7→♭7→6→(#5→5)
Rootのクリシェの大半はベースラインに使用されます。
前述の「天国への階段」もそうですし、
スタンダードソング「MY FUNNY VALENTINE」なんかもそうですね。
また少し違った形として、ⅡーⅤ進行にも応用することができます。
Ⅱー、ⅡーM7、Ⅱー7、Ⅴ7といった具合です。
「Body and Soul」の出だしのコード進行を例にあげてみましょう。
E♭ー7、B♭7、E♭ー7、A♭7、D♭M7
このコード進行は元々下記のようになっていました。
E♭ー、E♭ーM7、E♭ー7、E♭ー6
このようなクリシェのラインは
Body and Soulのように○7コードを入れた形で演奏可能です。
「My funny Valentine」ではC-7、G7、C-7、F7~
ソロは○7コードが入ることにより少し変わった形にできますね。

第40回:ストラップ

今回のお題はとっても簡単。
ストラップについてです。
立って演奏する時にはストラップは必需品ですが、
私は座って弾く時も常にストラップを付けています。
しかし、私もロックを演奏していた頃があったのですが、
腰より下までギターを下げていました。
あの状態を座った状態で作るのは大変です(笑)
私の基本的な考え方は
立っている時も座っている時も
ギターが同じ状態(高さ)になるのが理想
だということ。
高さが変われば当然弾き易くも弾きにくくもなりますからね。
私の場合、座っている状態だと少し上に上がり過ぎるので、
足の上には置かずに斜めに鞄をかけるようにギターをかけています。
足は大抵組んでます。はい。
このお題についてはそれほど書くことはないのですが、
立って弾けないなんて人もいると思うので書いてみました。
クラシックギターじゃないんですから、
特に決まったフォームはありません。
また、ずっと同じフォームじゃなくても
後から練習すれば変えられますので
気にせず格好良いと思うフォームで頑張りましょう。

あとは肩パットの付いているモノが良いです。
1ステージの演奏でさえ肩こりますから。
レスポールを弾いている人は気合でしょう。激重ですからね。

第41回:リズムの感じ方

今回はリズムをどこで感じているのか
を書きたいと思います。
まず、表面的には足が動いていたり頭が動いていたり、
肩から腰まで動いていたり
と様々です。
私は耳から入ってきて、
喉の奥の方でカウントを取っているような気がします。
今回書こうと思ったのは表面的な部分ではありません。
カウントは必ず頭拍で取る
ということです。
これには異論が沢山出るかも知れませんね(汗)
あくまで私はこう思っているということです。
勉強を始めた初期の段階では、
2拍4拍にだけメトロノームを鳴らしていました。
これは非常に有効な方法でした。
特にリズムを刻む練習をするときはとても重要な練習方法です。
しかし、実際の演奏では
私は頭拍(1・3拍)でカウントをしています

また8分音符を感じる時は
(1・2・3・4拍)
を感じています。
何故こうしているのか?というと。
もともとバックビートというのは
体の中で強烈に感じるものだから
です。
黒人さんが歩いているところを見るとよく分かります。
1歩足を出すのを頭拍だと考えると、
肩から腰のあたりで足を追うように裏拍を感じているようです。
足を出しては肩が裏拍を取って、
また足が出る・・・
このいつでもバックビートを感じている状態が理想だと思いました。
実際にこうやって歩くと
妙に偉そうですが(^^;)
少し意識してみてはいかがでしょうか?
その為、
私はカウントを取る際も頭拍で足を踏んだり、うなずいたりしています。

第42回:クリスタルトーンの定義

クリスタルトーンって何?
きっと誰も聞いたことがないでしょう。
それもそのはず、私が勝手にそう呼んでいるからです。(^ー^)
さて、私は
希少価値の高い音をクリスタルトーンと呼んでいます。
さて、希少価値の高い音とはいったい何でしょう?
コードトーンでもテンションでもない。外れた音です。
その外れた音の中に時と場合により、
コードトーンやテンションよりも
はるかに輝きを持った音があります。

何故、その音が突然輝きを持つのか?
それは、曲の持つ雰囲気やコード進行、
他のメロディ部分との兼ね合い、
音の繋がり、私の耳の不具合(笑)
などなど、色々な条件が重なりあって出てきます。
理論上は使ってはいけないと書かれていても、
その存在感はコードトーンをも超える場合があります。
このような、音楽的な部分を面倒臭いと感じる人は
音楽の楽しみを1つ減らすことになるのではないでしょうか?
理論なんて確立されているようで、
あいまいな部分が多いものです

というのは、理論に「この音は使って良い!」と書いてしまったら
読者はどこでも使用していいんだ!と思います。
ですが、音楽とはそれほど単純なものではないと思います。

第43回:クリスタルトーンの実例

さて、では実際にクリスタルトーンと
私が呼んでいるものの幾つかをご紹介します。
まずは音の流れによりコードトーンよりも強い輝きを持つもの
G7→Cという進行があったとします。
この際の解決というのはコードトーンに行くのですが、
コードトーンより更に素敵な輝きを持つのが
9th解決と呼ばれる方法です。
G7上において、E♭からBへと下がった後、
解決する場合このBの音はCのコードトーンよりも
Cの9thであるDに行きたがります。
この9thは他の解決の流れより一層際立って聴こえます。
この9th解決で9thの音をコードトーンより
輝きを持たせる手法には
幾つかの決まった流れがあるように思われます。
例えば、G7のRootであるGの音に向かって
下降して(どんな下降の仕方でも構いません)
Cに解決する部分でG→Dと上がる。

つまり5度上がって解決する際に9thの音にする
といった論理を組み立てるわけです。
普通に弾いたら9thは
コレといって解決させる意味のない輝きしか出せないでしょう。
でも弾き方次第で流れの中で輝きを持たせることが出来るのです。
色々研究してみてはいかがでしょうか?
曲のメロディに対するクリスタルトーン
マイナーの曲において
ナチュラル13thという音ほど個性を持った音は少ないです。
この癖のあるナチュラル13thがどの程度の色を持っているか
Joe Hendersonの「Recoder Me」を聴いてみて下さい。
このカラーを覚えてしまえば、
欲しいときにこのサウンドをいつでも出せます。
しかし、これはマイナーのトーナリティーに
とらわれている時間が長いほど有効なようで、
ⅡーⅤに組み込むことは難しいと思います。
この他にも色々とありますので研究してみてはどうでしょうか?
○ー7♭5上のナチュラル9th
○M7上の#5や#11
○7上のM7
などなどユニークで強烈なカラーを出せるように
練習するのも楽しいですね。

第44回:即興演奏

先日、ある知り合いから
素晴らしい心のトレーニング方法を聞きました。
それは即興演奏を始める第一歩に相応しいものでした。
それは、もうサティの世界です。
コード進行はCM7→FM7→CM7→FM7
そうこのコード進行に秘密が隠されているようです。
永遠と続くコード進行にどこか
時が止まっているような静けさがあります。
このコード進行の上では白鍵全ての音が許され、
心を大切に演奏を続けると
多くのひらめきを受け取ることが出来ます。

是非一度試して見て下さい。

第45回:奇数リズム

数年前から、変拍子のリズムは
NYを始めとするハイレベルな演奏を行う場所では
注目を集めています。
拍子には4分の3拍子、4分の5拍子、
4分の7拍子、8分の6拍子・・・

ややこしいものを考えればいくらでも出てきますが、
ここで言う奇数リズムとは
単音によるソロフレーズの奇数リズムです。
奇数リズムは時として非常にジャズらしさを感じます。
1拍半、3連符、5連符、2拍3連
これらのリズムがソロに自然に組み込まれるようになると、
そのソロはとてもスリリングに聴こえるでしょう。
「だからどうなんだ?」「どう演奏するんだ?」
と思うかも知れません。
その演奏方法を説明することが大切だとは思いません。
重要なことはもう書いてある通り、
奇数リズムがソロをスリリングにさせると。
つまり・・・
テンション感を出そうとする時の1つの手法
だと考えておくべきです。
まぁ、そうは言っても演奏の仕方は知りたいことだと思いますので1つ。
偶数の音で構成された音内
(例えば、コードトーンやディミニッシュなど)を
奇数リズムで演奏するのは非常に格好良いです。

第46回:トライアドの使用方法

ジャズの演奏においてCとかA-とか記譜されていても
特別な記述(△)がない限り
通常は7thの音まで出すことが重要です。

しかし、ECMレーベルを代表とする表情に富んだ音楽においては
トライアドの使用はとても大切です。
たとえば、私のHPのトップページの音楽
「尾鷲からの贈り物」でのコード進行は
GM7→D7→E-7
というコード進行で始まりますが、
演奏の細かい部分を見ると次のようになります。
Gadd9th→D△/F#→E-7(9)
このように、私はスムーズなベースの流れを持たせる為に
和音をあえてトライアドの形にして
ベースをそのトライアドの3度もしくは5度に持ってきます。

このようなベースの流れを意識した進行は
非常に強いカラーを持たせることが出来ますし、
ジャズに限らず、ポップスや
ヒーリング・ミュージック的なものにも効果的です。

第47回:トライアドの可能性

トライアドの使用方法では、
コード進行にスムーズな流れを持たせる方法として
3度や5度をベースにするとお話しました。
ここでは、あるベースの音の上にあるトライアド
(アッパーストラクチャートライアド)
可能性を考えてみましょう。
難しいですが、考えれば分かることです。
例えばCM7を例にあげましょう。
CM7の構成音はC,E,G,Bですね。
ベース音と上のコードトーンを分けるとベース音Cに対して、
(E-△)E+G+Bが入っています。

つまりCM7はE-△/Cと考えられます。
同様の作業をCM7(9)でやってみましょう。
構成音はC+E+G+B+Dですね、
ではベース音Cと上の音を分けて考えて見ましょう。
E-△(E+G+B)は勿論G△(G+B+D)もあります。
更によく見るとトライアドではなく
E-7(E+G+B+D)にもなっています。

これがアッパーストラクチャー・トライアドの考え方です。
あらゆるトライアドを同じベース音の上に乗せて
コードネームを考えてみると意外な発見がありますよ。

第48回:トライアドの種類

「そもそもトライアドとは何なんでしょう?」
一般的にトライアドと呼ばれるものは
○△、○m△、○△+、○△゜の4種類です。
しかしトライアドとは3和音のことです。
3和音はまだまだ存在します。今回はそのうちの幾つかをご紹介します。
1、sus2トライアド=R+2度+5度の音程。
例~C+D+G

2、sus4トライアド=R+4度+5度の音程。
例~C+F+G

3、sus2&4トライアド=2度+4度+5度の音程。
例~D+F+G(ベース=C音)

4、密集された音群=短2度の音程を含む3音コード。
例~C+D+E♭

などなど、一言でトライアドと言っても奥が深いものです。
これらを完全に把握してソロを繋げたら、
とってもスリリングですよ。
一度、頭で考えたものを譜面に書いてみると
そのテンション感を理解していただけると思います。

第49回:耳コピのすすめ<和音編>

さて、今回は和音をコピーしてみましょう。
和音を取ることは色々な情報を頭の中でまとめています。
たとえば・・・・
1、その人の個性
2、コード進行
3、指の限界
といった事を考えながら取り始めます。
勿論最初からそんな事は分からないかも知れません。
そして分からない以上に、
和音を取るのが困難に感じるかもしれません。
しかし、和音もコツコツと採っているうちに
だんだんと採り易くなってくるはずです。
1、はジョーパスやウェスだったら、
ブロックコードの中でも分かり易いものが多いですし、
ジムホール、エドビッカートなどは4度堆積が多いと思います。
2、はコード進行が分かれば(予想できれば)
コードも限定されてきます。
3、は明らかに弾けないものありえないということ。
例えば、6弦1フレットの音が出てて
1弦11フレットが押さえられるはずありません。
なんらかのトリックを除けばですが・・・。
とにかくチャレンジすることが、上達の道です。
コツとしては、一番高い音を採って、次に一番低い音を採る。
後は、内声で1音でも採れれば選択肢が限定されます。
色々な指のフォームを試して合っているコードを探してみてくだい。

第50回:耳コピのすすめ<楽器編>

ギターを持ちながらコピーするのは、
ギターのサウンドが一番採りやすいですが、
是非、他の楽器のコピーをすることもお勧めします。
楽器にはそれぞれ特徴があります。
音域にしてもそうですし、フレーズにしても
楽器により演奏し易いフレーズというものが存在します。
また、管楽器やピアノの演奏を採り練習することで
ギターの可能性を更に引き出すことが可能です。
通常、ギタリストでは考えもつかないアイデアが
そこに眠っていたりします。

楽器の特異性を理解することで、
今後別の楽器と演奏する機会に恵まれたときに
巧く対応できるようになります。
私はピアノのフレーズをよくコピーしました。

第51回:主要和音の代理

今回は以前お話した
主要三和音の代理コードについて説明します。
主要三和音が分からない方!
第19回を参照しましょう。
さて、主要三和音・・
トニック、サブドミナント、ドミナント
・・
には代理コードがあります。
代理って書いてありますから当然、
代わりに使っても良い
ということになります。
代理コードは沢山ありますが、
まずダイアトニック内の代理を覚えてしまいましょう。
トニックコードの代理・・・Ⅲー7、Ⅵー7
サブドミナントの代理・・・Ⅱー7
ドミナントの代理・・・Ⅶー7♭5

ダイアトニックコードを見てみましょう。
ⅠM7(T)、Ⅱー7(SD代理)、Ⅲー7(T代理)、
ⅣM7(SD)、Ⅴ7(D)、Ⅵー7(T代理)、Ⅶ-7♭5(D代理)

さぁ、そろそろ頭が混乱し始めた頃でしょうか?(^^)
何故代理が有りえるのでしょうか?
それは構成音が非常に類似しているからです。

CM7(ⅠM7)に対しE-7(Ⅲー7)は
CM7(9)のRootを省いた状態です。
A-7(Ⅵー7)はC6の6度ベースです。
このように構成音が類似している為に
同じような機能を果たしますが、
コード自体のサウンドは違うので、
やはり若干違った進行となります。

第52回:最初の1年間

さて、今回はギターを始めて最初の1年間は
何をしたら良いか?ということ。
レッスンに通い基礎を身に付けることは非常に大切です。
しかしせっかく演奏したいと思っているのですから、
ご自分の好きな音楽の譜面を購入して
トライしてみるのが良いと思います。

とにかく私はコピーばかりやっていました。
きっとその時に誰か先生についていれば、
もっと理解が早かったと思います。
誰にも聞けず情報は雑誌のみでした。
(今ではインターネットで随分楽に情報が手に入りますが・・・・)
教室に通うことはギターを学ぶ上で非常に良いことです。
教室に通うことだけで満足せず、
ご自身のやりたい音楽にトライしてみてください。
沢山コピーをするのが最初の1年間で
一番の上達方法であるのは間違いありません。

第53回:スウィ-プ奏法

スウィ-プ奏法=弦の上を箒ではくように、
ピッキングする方法です。

一番最初にやったのは誰でしょう?
イングウェイ・マルムスティーン?
いやいや、ジム・ホールではないでしょうか?
スウィ-プ奏法はとても大きな音域を高速で演奏出来る
素晴らしい奏法です。特徴として・・・

①非常に大きな音域を演奏出来る。
②スピードが出る。
③見た目が凄そうで良い(笑)

しかし、気をつけなければいけないことが
沢山あり非常に難しい奏法です。
まず、右手と左手が一致しなければギターは
音が出ないわけですから、
これが問題となります。そのほかにも・・・
①リズムキープ。
②音の粒を揃える。
③無駄な音をミュートする。

これらの作業を同時に意識しながら練習しなければなりません。
まずは3和音のコードアルペジオから練習しましょう。

第54回:ハーモナイズド・ベースライン

「某雑誌でウルトラS級の伴奏」
と紹介されていたジャズの伴奏方法のひとつです。
名付け親はこれまたジム・ホールでしょうか?
簡単に言えば、4ビートのウォーキング・ベースラインの上に
コードが乗っているものです。
演奏方法は2パターンあります。
①ベースラインを弾き、
2拍目裏と4拍目裏に和音をはさむ。
②ベースラインを弾き、
全ての音にハーモニーを付け刻む。

①はベースとピアノの役割を果たしていると言えます。
私はアップテンポの時など演奏します。
②はベース・ドラム・(ピアノ)の役割を果たしていると言えます。
ハーモズド・ベースラインの重要なポイントとして。
ベースラインとリズムに気をつけなければなりません。
その上の和音はある程度自由に選択可能です。
「グイグイと進行感のあるリズムで矢のように鋭い刻み」

が理想です。
JIM HALL&BILL EVANSの
MY FUNNY VANLENTINEの伴奏がとても参考になります。
①では挟む和音は大抵3度と7度の2声で行います。
それ以上の音はソリストを邪魔してしまう気がします。
②での和音はクロマチック・アプローチ、ダイアトニック・アプローチ、
ディミニッシュ・アプローチ、代理和音・・・
様々な手法を用いて和音を付けていきます。
またこの演奏は全くの即興ではありません。
ギターで演奏可能なラインはある程度決まってしまいますので、
いくつかのラインはあらかじめ考えられています。
この演奏ほど文字で伝えるのが難しいことはありません。
詳しく学びたい方はレッスンを受講して下さい。
(↑だから営業するなって!)

第55回:ディミニッシュ

ディミニッシュ・コードほど
使用用途の多いコードは他あまりないと思います。
さて、ディミニッシュとはどんなコードでしょう。
それは不協和音極まりないのですが短3度で音が積まれた人工的な和音です。
C・E♭・G♭・A(Root・♭3・♭5・6)
というコード構成になります。

ディミニッシュコードは3種類しかありません。
上記と「C#・E・G・B♭」、
「D・F・A♭・B」
です。
その上のE♭から始まるディミニッシュコードは
Cdimと同じ音になります。
E♭・G♭・A・C

第56回:曲の特徴を掴む

ソロを取る上で曲をどのように料理するか?
それは非常に大きな問題だと思います。
大きく分けて2種のアプローチ、
細かく考えれば、沢山の要素が絡みあっていると感じています。
★曲の特徴を掴む
★曲を自分の自己表現の素材とする

大半のミュージシャンは前者の方法で
ソロを取っていると思いますし私もそうです。
後者に代表されるのはコルトレーンであったり、
ジムホールなどがそう言えるのではないでしょうか。
譜面を見たときに素早く曲の特徴を確認するのは
非常に大切なことです。例えば・・・

特殊な音がテーマに使用されていないか?
メロディーの最高音と最低音
和音の流れ
曲として最も盛り上がる部分
リズム的な特徴とその変化
全体の構成

などがあげられると思います。
理論では解決出来ない場合も多々あると思いますし、
このことを感じるか否かで演奏は大きく変わってくるでしょう。
勿論、これらの事を踏まえた上で
共演者の音楽のアプローチを聴いて影響し合いながら
即興をしていく。これぞジャズの醍醐味ですね。

第57回:連続する和音の可能性

今回のお題はとても一言では言えませんし、
75歳を越えた師匠が
「指板にはまだ知らないコードがある」
とおっしゃってます。私なんぞには偉そうなことは書けません。
それでも和音の可能性を探ることは
とても勉強になるので書いてみました。
連続して変化する和音を弾く時
どのようなことを考えて弾いているか?
そして、どう練習していくか?

これは私にとっても
大きな課題であり続けることであるのは間違いありません。
まず、連続して和音を弾く時に
私は幾つかのことを先読みしています。
当然、先のコード進行を考えていますし、
先の和音をも考えています。
また、なるべく同タイプのコードを連結させ
流れをスムーズに行えるようにしています。

少し具体的に言いますと、
4度堆積コードで始めるのであれば、
その流れが終わるまで4度堆積コードを弾きます。
逆に3度主体のブロックコードでは、
半音によるアプローチは避け、
ドミナントアプローチやディミニッシュによる
アプローチを多く使います。

しかし、一番気にしている事はやはり
トップノートによるメロディです。
またコードを形として押さえていますが、
全ての音を出しているわけではありません。
3音なら3音で続けます。
盛り上げるのであれば段々と音数を増やしていく・・・
(6音までしか出せませんが・・・)
逆に音数を減らしていくのは
随分とおかしな演奏に聴こえてきます。
全てはソロの練習と同じで自分の中に
論理を作っていってしまうのが一番の練習方法です。
「この音がこう動いたからこうなる」
といった論理を自分の中に少しずつストックしましょう。
誰かの演奏を聴いた時でもそうです。
音ではなくアイデアを盗むことが大切です。

第58回:偽ブルーノート

ブルーノート
を皆さんは覚えていらっしゃいますでしょうか?
そう♭Ⅲ音、♭Ⅴ音、♭Ⅶ音です。
私がここで話す偽ブルーノートとは
実際にはブルーノートではない音を
ブルーノートにしてしまう事
です。

ご存知の通り、
本当のブルーノートとは音と音の間に存在します。
ブルーノートがそうであるように、
音がブルージーに聴こえるように演奏すれば
それが偽ブルーノートとなり、
例えスケールから外れた音であったとしても
周囲の音の流れがその外れた音をブルーノートとして扱い
全体の雰囲気を壊すことはありません

では実際に始めましょう。この音程を順番に弾いて行きましょう。
起点(C)→短3度→(E♭)→
長2度M→F)→短2度→(F#)

大切なのは音ではなく、この連続した音程です。
何時、いかなる場合でも、
このように短3度から半音ずつ狭くして
順に弾いていくことでブルージーさが出ます。
勿論、曲のキーを起点にして使えます。
コードのルート音を起点にしても使えます。
でも、せっかく偽ブルーノートなんですから、
違った音から上手く外してみてはどうでしょうか?

※この4音は仲間です。
1音でもかけてブルージー感が損なわれてしまったら
それは単なるミストーンになりかねません。
仲間の音同士、仲良く一緒に使ってあげましょう。

第59回:和音スタイル

和音スタイルとは?
これはあくまで自論ですが
多くのギタリストやピアニストは和音にもスタイルを持っています。
それはコード楽器ですから当然かも知れませんが、
和音のサウンドと非常に関係を持ったソロを取るということです。
和音があり、そのサウンドを聴いて
心にサウンド(メロディ)を鳴らすからなのかも知れません。
ある人のスタイルを語る時、
いったいどの位の人や教則本が
ハーモニーの面までを意識しているでしょうか?
自分なりのハーモニーを頭に鳴らす事が出来れば、
それは自分なりのスタイルに近づけることだと思っています。

勿論それが全てではありませんが。
バド・パウエル~ビル・エバンス~
マッコイ・タイナー~ハービー・ハンコック~キース・ジャレット

上記のミュージシャンの和音は
同コードでも押さえ方は全く違ったものです。
そして、彼等が弾くコードの上には
コードの影響を多いに受けたメロディ・ラインがついている気がします。
分り易くギターで言えば、
ジョー・パスはブロックコード中心だから
バップ的な演奏が出てくるんです。
ジムホールはあの自由自在な和音があるから、
あのソロが浮かぶのです。
アラン・ホールズワースしかり、
エド・ビッカートだって和音は結構オーソドックスなんですよ、
だからソロはいたってオーソドックス。
コンテンポラリーな楽曲を演奏するミュージシャンでも同様です。
私は和音スタイルを持つことが重要だと感じました。
そんな私は2年程前からオーグメント・コードの響きを
重視しています

第60回:ジョンスコの秘密

60回を記念して一人ミュージシャンを取り上げます。
ジョン・スコフィールド
ウネウネ、アウト、ファンクジャズ・・・・
彼の名を聴いてすぐ連想される事やはりあのアウト感です。
私は彼の演奏が頻繁に外れているのに
どうしてまとまっているのか不思議でした。
ジョンのソロをコピーし始めたころ、
凄いカッコ良いフレーズからアウトしてまた戻ってくる、
あの感覚が大好きでした。
しかし、自分でアウトをトライしても
戻ってこれずにおかしくなってばかり・・・・。
その後も沢山の曲を耳コピして
研究していたときにある事に気付き、謎が解けました。
それはジャズ学習者にとっては必ずマスターすべき事でした。
ジョンは超絶インサイドの人!!インサイドが凄くしっかりしているから
アウトサイドがより一層際立っているんです。
是非練習してみて下さい↓↓↓
ジョンはコードが変化する前の
8分音符や4分音符に次のコードのコードトーンを置くことが
極めて多いのです。(シンコペしなくても)
勿論、コードが変わる部分の頭に
コードトーンを置くこともありますが、
先のコードトーンが食ってはいってくるんです。
時には今いるコードは無視して
次のコードトーンのアルペジオを弾いています。
これには私は大きく影響を受けました。

第61回:アルペジオ

アルペジオとは
音を継続させながら分散和音を弾いていくこと。
初心者には右手の親指+人差し指+中指を使った
スリーフィンガーと呼ばれる弾き方に
馴染みがあるのではないでしょうか。
フィンガーピッキングに関しては以前、
第34回で取り上げたように最終的に小指まで使えるのが理想です。
今回はピックを持った状態でのアルペジオです。
まず
アルペジオを弾く時はコードフォームを押さえよう!
ということ。
これは、左手を安定させることでけではなく、
もし間違った弦を弾いてしまった時に
不協和音をださないためです。
では右手のピッキングについては2通り考えられます。
オルタネイトとエコノミー・ピッキングによるものです。
オルタネイトではダウン・アップを交互に行う為、
非常にリズムが安定しやすいのですが
弦移動がとても難しい為、初心者向けではないかも知れません。
続いてエコノミーはとても合理的なピッキングで弾き易いのですが
やはりリズムが安定しません。
どちらも一長一短なのですが、
私はアルペジオを最初からオルタネイトで弾いていました。
というのも最初に見た教本に
ギターはダウンとアップを繰り返して弾かなければいけない!
と思わせんばかりにオルタネイトを勧めていたので、
エコノミーというピッキングを知ったのは随分後になってからで、
かなりの下手っぴでした。
スウイープというテクニックを知るまではね。
しかしダウンピッキングで弾くかアップ・ピッキングで弾くか?
これはクラシック奏者が弾く指を決めるように
表現方法からしたらサウンドから選択するのが
最も良いのかも知れません。
事実、ダウンにはメロウなスピード感が、
アップにはシャープな鋭さが出しやすい気がします。
↑↑こんなことしてたら、かなり大変ですが・・・・。

第62回:市販教則本

「おっ、この教本良さそう」
そう楽器店で思って買って帰って読んでみても、
さっぱりで意味が分らない。
そんな経験はきっと多くの人がお持ちなのではないでしょうか?
なかには買ったはいいがほとんど開いてないような人もいたりして。
ここではJAZZの教本について考えてみます。
勿論、私も沢山の教本を買って勉強しました。
しかし教本を読んでも例題を弾いても全く上手くならないんです。
それは何故でしょう?
「何が悪いって教本が悪いに決まっています。」
現在手に入れることの出来る教本はいったいどうなっているのか?
①ここでこのスケールが使えます。
②このコードの時にこんな風に弾けますよ。
③アルペジオを弾いてみましょう。
④これは実際演奏した楽譜です。
⑤有名ギタリストのソロをみてみましょう

・・・・もういいでしょう。
私には著者が知識をもったいぶっているか
若しくは知識を言葉に変換できないのではと感じます。
それで売れるんですから良いものですね。
実際にはスケールに入る前にやることがありますし、
そのスケールをどう使用するかが分らないものです。
沢山のフレーズを沢山弾いて

その際、意識すること、どんな効果があるか?
そこまで書かれている本がどのくらいあるのでしょう
あるソロを分析した・・・・だからどうなの?
とまぁ、不十分な部分が沢山あるような気がしてなりません。
結局、初心者対象ではないんです。
正直な所、練習の過程というのは結構忘れてしまうものです。
私は事故で一度ギターが弾けなくなり、
再びギターをやりましたから
2度ギターを学んだことになります。
そんな経験からちょっと
執筆活動をしてみようかなと思ったりしました。

第63回:脳内メモリー

師匠を見ていると
スタンダード・ソングは全て知っているのでは
と思うほど曲を知っています。
しかし楽曲はいつもジャズのような
AABAとかABABといった構成ばかりではなく、
AAA’BダカーポAAA’
BB’ダルセーニョA’B’C~~~

とやたら長い構成かも知れません。
某雑誌でご紹介されているNY在住の
日本人ギタリストI氏の講座はかなり面白いです。
コード進行やらキー、構成、
メロディの第1音、メロディの進み方
と様々な面から研究されていてとても興味深いものでした。
演奏中にメロディを忘れてしまったら
コードをはじき出すのは結構大変です。
沢山の曲を覚えることよりも
理解力を早めたい。
と私は思います。
その為に私は「可能な限り早く曲を忘れて、
可能な限り早く渡された譜面を理解、暗記しよう」

としています。
全体の構成、コード進行のパターン、
メロディの移動の仕方。特徴となる音、盛り上がる部分

といった情報を譜面から得ていますが、
それぞれの基準となる曲や
音程パターンを覚えておく必要があります。

たとえば構成面
I GOT RYTHMのコード進行は
もう定番ですし、AABAの定番構成。

サウンド面
My IdealにおけるⅥ7のナチュラル9thとかも
サウンドの基準にしています。
この音はこんな音だろうとイメージできます。

音程面
ウィスパーノットの完全5度の音程とか。
ステラバイスターライトのトニックディミニッシュ代理など
特徴面
脳内に沢山のメモリーを設け、まずはOSを作りましょう。
そして、いつでも関連付けて覚えると
非常に理解がスピーディに行われると思います。

第64回:いきづまったら?

今すごく悩んでて・・・。
全然上達していないように感じる・・・。
なにをしたらいいのかわからない・・・。
行き詰まると本当に自分がよく分からなくなります。
そんな時、私は「これでもかっ!」って言うほど
練習します。
よく行き詰まったら違うことをした方がいいなんて言いますが、
それは頭を使って感じていることの場合です。
例えば、全然上達していないように感じたとしても
見えていないだけで、
うまくなりたいと思って練習していれば上達しています。
問題は何を考えて練習しているか?
焦ったって上手く弾けません。
ゆっくり一つずつやればいいじゃないですか!
アドリブが上手くできない。
私はしょっちゅうあります!
だったら、ゆっくりとこの音階でこのコードで何が出来るか
色々と試してみるのはいかがでしょう?
他の楽器でもそうかも知れませんが、
ギターって、どうしても出来なかったことが
ある時ふっと出来るようになることが多々あるのも事実です。

同じ曲を演奏し過ぎて何も生まれない!
そんな時は諦めて映画でも見ましょう。

第65回:まずはドレミちゃん

申し訳ありません。
ドラえもんを思い出したもので・・・。
アドリブを始めるにあたって、まず
Cメジャースケール(ドレミファソラシド)程度は
ポジションで覚えてしまいましょう。

指板上の理解にもなりますし、
ポジションで覚えたら結構使えますよ。
バークリーではこのポジションが
結構細かく分けていると聞いたことがありますが、
私は5つで十分です。
①5弦Cを中指から始まるポジション
②6弦Cを小指から始まるポジション
③6弦Cを中指から始まるポジション
④6弦Cを人差し指から始まるポジション
⑤5弦Cを小指から始まるポジション。
まずは音よりポジションを優先した方が良いかもしれません。
私は音がポジションより先に見えていましたが、
ポジションが見えていればキーの違う曲でも
とりあえず合わせられますから良いと思います。
意図的な部分を除き私達が
メジャースケールを間違えることはほとんどありません。
私がよくやった練習は、
ポジションを変えずにスケールを半音ずつ
Cメジャー~D♭~メジャー~Dメジャーと順番に弾いていきました。
ギターという楽器は平行移動は簡単ですから、
あえてそれを禁止させたわけです。
スケールはCからCまで、D♭であればD♭からD♭までと
1オクターブを上行させても
下降させても良いから止まらずに弾きましょう。
常に頭の中には次のポジションと音を考えていなければ
止まってしまうので、とても良い訓練です。
固定されたポジションは
5,6フレットをひとくぎりにすると良いでしょう。
お試しあれ!

第66回:ダイアトニック・スケール

ダイアトニック・コードについては第12回を参照して下さい。
さて、ダイアトニック・スケールとは
ダイアトニック・コードに最も合う(調和する)音階です。
多くのジャズ教則本ではこの事から触れています。
が!!私のレッスンで
ダイアトニック・スケールが出てくるのは随分後なんです。
このダイアトニック・スケールを表で書くのは簡単ですが、
「だから、何?どうすればいいの?」
と多くの方はお思いでしょう。
では、よくあるダイアトニック・スケールを
導きだす作業までを今回は書きます。
①ダイアトニック・コードをローマ数字で表記します。
ⅠM7、Ⅱー7、Ⅲー7、ⅣM7、Ⅴ7、Ⅵ-7、Ⅶー7♭5
key=C  CM7、D-7、E-7、FM7、G7、A-7、B-7♭5
②そのキーのメジャー・スケールを
それぞれのコードのルート音からスタートさせ7音を導く。

Ex) CM7=C、D、E、F、G、A、B
Ex)FM7=F、G、A、B、C、D、E

はい、お疲れ様でした。
③それぞれ、第1音(コードのルート)からの音程を書いてみよう。
音程については第6回参照。

Ex)CM7=1、M2、M3、P4、P5、M6、M7
Ex)E-7=1、m2、m3、P4、P5、m6、m7
④この導き出した音の並び方に全て名前がついています。
それがダイアトニック・スケールです。

ⅠM7
(CM7)
1,M2,M3,P4,P5,M6,M7イオニアン
Ⅱー7
(D-7)
1,M2,m3,P4,P5,M6,m7ドリアン
Ⅲー7
(E-7)
1,m2,m3,P4,P5,m6,m7フリジアン
ⅣM7
(FM7)
1,M2,M3,Aug4,P5,M6,M7リディアン
Ⅴ7
(G7)
1,M2,M3,P4,P5,M6,m7ミクソリディアン
Ⅵー7
(Aー7)
1,M2,m3,P4,P5,m6,m7エオリアン
Ⅶー7♭5
(B-7♭5)
1,m2,m3,P4,Dim5,m6,m7ロクリアン

おぉ!見た気がする!だから何なんだ?
ここで、どうするかは貴方次第です。
私はまずダイアトニック・コードを度数で覚え、
次にそれぞれのスケール名を丸暗記しました。
そして、その後スケールの音の並びを
一つずつ覚えていきました。
例えば、メジャー系(イオニアン、リディアン)間は
4度の音が違うだけ。
(イオニアン、ミクソリディアン)間は7度の音が違うだけです。
同じ様にマイナー系はドリアン中心に比較して
覚えれば割とすぐ覚わりますよ。

何故エオリアンではなくドリアンか?
その方が私には覚え易かったからです。
これを覚えてどうするかって?
それはまたの機会にしましょう。
最後に昔、私が専門学校にいる頃、
スケールにはまりおかしなスケールを作りました。
そのサウンドがどんなだったか覚えておりませんが、
友達に「シノリアン・スケール」と呼ばれていました。
音階を覚えておけば良かった。

第67回:コード表記

せっかく第66回で表を書いたので、
見やすいうちにコードの表記方を書きます。
では、66回の表を
じ~~~~~~~~~~っと見てみましょう。
あなたはいくつ共通項や規則性を見つけられますか?

①ローマ数字(アルファベット)を書く。
これがコードのルート(根音)です。

②ローマ数字の横には3度音が表記されます。
譜面には長3度(M3)は「空白」。
短3度は「m」や「-」や「Min」
と表記。
③3度音を表記した右横に7度音が表記されます。
(3度が空白<M3>の時は左積め。)

長7度(M7)は「M7」と表記。
短7度は「7」と表記。

そして、7度の上、もしくは後ろにテンションを書いていきます。
括弧で書かれる場合もあり。
リディアンのAug4なら「#11」と。
エオリアンのm6なら「♭13」と
7(1オクターブ)を足した数字になります。
※7度のないトライアドや6thコードにおいても
表記する場所は7度と同じである。
それでは、有り得ないかも知れませんが、
このコードの構成音はなんだろう?
F-M7(#5、9)
一つずつみていきましょう。
①アルファベットの隣は3度音だから、
このコードは「Fマイナーコードだ!」
②その横には7度音だから、
このコードは「Fマイナーメジャーセブンス・コードだ!」
③さらに括弧がついているから、
このコードは
「Fマイナーメジャーセブンス・ナインス・シャープ・イレブンス」と呼べる。
さぁ、早速いろいろなコードを調べてみましょう。
最後に特殊編!
ディミニッシュはテンションを書く所に小さい丸を書いたりdimと表記。
オーグメントは「+」と書いたり「#5」と書きます。
問題は4和音のディミニッシュ・コードの際、
7度音が無いのに7を表記すること。
またマイナーセブンスフラット5は丸に線を入れ
「DΦ7」←こう表記される。

第68回:度数が大事

度数を理解されていない方は
音程の話を読んでください。
コードトーンや、スケール、そしてコード進行など
私はほとんど度数読みをしています。
勿論、度数から音を瞬時に出せるように
何回も何回も書いて読んで歌いました。
例えば、あるコードを弾いている時に
「何度の音を出せ!」と言われたらすぐに出せるように
反復練習をしました。
ギタリストは譜面上で音を覚えるよりも
指板上を頭にイメージして音を覚えるのが良いと私は思います。

それは、迷路のようなギターの指板も度数読みすれば、
規則性を帯びてくるからです。
その時に気をつけなければならないのは
2弦が絡んでくる時(3~2弦間は他の弦と音程が違います)

一つの音程(度数)を指板上で覚えたら、
かならず2弦がからんだ方の押さえ方も確認するべきです。

第69回:コードの色を読もう

今回のお題はコードの色を読むこと
コードの色ってなんでしょう?
以前にも書きましたが譜面にCと書いてあっても押さえ方は沢山あります。
沢山ある中で、それぞれのコードには特徴があるものです。
昔、あるピアニストが
「コードをその重たさで分けて考えている」
と語った記事を読んだことがあります。
そのサウンドは素晴らしいものでした。
色を読むというのはこの重たさと似ているかもしれません。
また、「師の恩恵に授かろう」のワンポイントでも書いた通り、
インサイドの中でもアウトサイドな音を作ることが可能です。
またまた、あるクラシックピアニストはこんなことも言っておりました。
「メジャーキーというのは時には
マイナーキーより暗く表現出来ることがある」
と。
コードの色を読むことはそのコードのサウンドに対して、
より意識を向けることで理解できます。
そして、コードの色を読むことは
小さな努力の積み重ねでしか理解できないものです。
では通常のCコード(5弦=C、4弦=G、3弦=B、2弦=E)
と別のものを比べていきましょう。
こんなCはどうでしょうか?
5弦=E、4弦=B、3弦=C、2弦=G
なんとも、悲しげでいて切ない響きに感じます。
5弦=C、4弦=G、3弦=B、2弦=D、1弦=Bはどうでしょう。
とても開放的でありながら浮遊した感じですね。
また時にはCの部分でこんな風に弾いてはどうでしょう。
3弦=G、2弦=B、1弦=C→→→
3弦=E、2弦=G♯、1弦=A→→→
3弦=D、2弦=F♯、1弦=G

はてチーズはどこへ・・・
いやCはどこへ消えました?不協和もいいとこですね。
でも音をみると
変な音は特にありません。
イオニアンのコードから、
オーグメント・コード、
リディアン・コードということで全てCです。
ここでお話しているのは色を読むことですが、
より自由でいることを忘れてはいけません。

Cと書いてあるからCのコードトーンしか入れてはいけないのだったら、
サウンドの幅は狭くなります。
こんな破滅的な色をしても使い方次第で
そのサウンドは非常に面白くなります。
ひどいサウンドを批判するのではなく、
そのサウンドを支配できない自分自身を責めてください。
※目的をしっかりと持ちましょう。
心地良い歌に上記の破滅的不協和が合うはずもありません。

第70回:演奏のアイデア

演奏のアイデアについて。
このお題は1回ではおさまりきらないと思いますので、
ソロの組み立て方を書いていきます。
テーマはしっとりとしていたのに
急に16分音符の速いパッセージが入ってきたと思ったら、
ず~~と速いソロだった。
↑これはいただけません。
ソロの始まりはかなり大事です。
私は昔、ソロの出だしを何十通りも記憶していました。
勿論今は違います。

当然、それが即興演奏ではないのは知っていましたが、
良い出だしは、その後の良いソロを生んだのです。
ソロの流れを保ちたい時は
テーマのメロディを崩していく方法をお勧めします。
また、テーマのなかの特徴を発展させていくのも良いです。
たとえば、
5度の音程が魅力的なベニーゴルソン作曲のウリスパーノットなんかも、
この5度を利用してソロをスタートさせてみてはどうでしょう。
またコードに対して同じ度数を繰り返すのも手ですね。
ⅠM7で3度、Root、5度と弾いたら
次のⅥー7で♭3度、Root、5度。のように
1つのアイデアを継続させて、
少しずつ変化をつけていきましょう。
このような手法を何度も何度も練習すると音楽が流れをもってきます。
取って付けたようなソロから脱却する為に、
しっかりと流れをつけましょう。
本番であまり意識しなくても自然に出来るようになると、
今まで弾いたことのないような
素晴らしいフレーズが飛び出てきたりします。
その瞬間はもう最高の気分です。
キース・ジャレットやジム・ホール、
井上智さんのレコードをこのようにアイデアが
どう発展するか考えながら一度聴いてみることをお勧めします。

第71回:ペンタトニックの移動

今回から少しペンタトニックについて書いてみます。
まずペンタトニックは計5ポジション、
これは通常のメジャースケールと同じ数存在します。
一つのポジションで固まってソロを取っている方たちの問題点は
ポジションが見えていないことがほとんどですが、
見えていても、弾けないのは
移動がうまく行われていないことに起因しています。
この5つのポジションをポジション移動をしながら演奏するのに、
幾つか気付くことがあります。
①移動は3つのポジションまで。
②移動場所は必ず同じ音である。
③5つのポジションを2つのルートで移動できる。
まず①について3つのポジションを越える場合
1つのポジション内の音数が少ない為、
ポジションを見ながら演奏するということは
非常に難しいということです。
その為、移動のラインは3ポジションまでが効果的でしょう。
結果③のように、2つのルートが存在します。

では②について、どうでしょうか。
別に移動場所を限定しているわけではありません。
ですが、良い演奏を聴いていると
頻繁に移動する場所が決まってきているように思えます。
それはメジャーペンタの
2度⇔3度(マイナーペンタでは4度⇔5度)間で移動されています。
これは、間にブルーノートである♭5が
挟まれるためだと考えられます。

ペンタトニックで上記の音を弾いた時、
隣のポジションに移動してみてはいかがでしょうか?
また、紙上にポジションを書いてみることもお勧めします。
今まで見えていなかったもう一つのポジションが発見できるでしょう。

第72回:ペンタトニックの応用

レッスンにいらしている生徒さんの多くは
ペンタトニックでのソロは取れるけれど、
まんねり化している気がする。

という悩みを持っています。
さてペンタトニックでソロを自由に取れるようになった後は
何があるのでしょう?
どうやったら、より高度な演奏へとレベルアップできるのでしょう?
解決策その①が「ペンタトニックの応用」にあたります。
応用ですから、従来のペンタトニック1発とは訳が違います。
ブルースを例にしますと、
Aのブルースをマイナーペンタ1発+ブルーノート音で取っていたところに
メジャーペンタトニックをいれてみましょう。
ブルージー過ぎるマイナーペンタに慣れてしまった方には
どうも演歌っぽくて非常に格好悪く感じるかもしれません。
しかし上手いプレイヤーはメジャーペンタの使い方も非常に上手です。
マイナーからメジャーへどこから変化させるか?
それをよく考えてください。
次に練習すること
AブルースにAマイナー1発の状態から、
それぞれのコードのペンタトニックを弾いてみましょう。
A7(Am Penta)D7(Dm Penta)E7(Em Penta)
といった具合です。そこで、一辺倒だった自分のソロのムードが
若干変わるのを感じてください。
それが出来たら今度は、
それぞれのコードのペンタトニックもメジャーへと移行してみましょう
ここで大事なのはポジションと
ブルーノートをしっかりと覚えてしまうことです。

第73回:ペンタトニックからの脱却

さて、ペンタトニックでのソロは上手く取れてきた。
それでも、まだまんねり化している気がする貴方は
次のレベルへステップアップ可能な段階です。
解決策その②、「ペンタトニックからの脱却」です。
脱却・・・するのは非常に大変です。
今まで覚えたことからかけ離れていきますからね。
まず、ペンタトニック+ブルーノート以外にも
使用できる音が沢山あることを知ることです。
私はコピーのTAB譜ではなく、
音符をしっかり読んで覚えていきました。
その音とはマイナーペンタ上では9th&6thです。
この2音の音の使い方を色々な楽譜を見て覚えましょう。
ある事に気付きませんか?
今演奏しているのは5音ではなく、7音です。
そう、通常のスケールを選択して弾いていることとなります。
もし伴奏がAmであるならば、
Amのコードトーンを意識して出す訓練をしてください。
1発のソロから脱却するのには意識して、
そのコードのコードトーンを出す必要があります。
意識して出すことにより、そのフレットの音を覚えることが出来ます。
音楽はTAB譜のような数字ではなく音符で表されています、
指板上がフレット番号ではなく音として捉えることで、
演奏の可能性はどんどん広がっていきますよ。

第74回:ペンタトニックの見直し

難しい音や面白い音を求める度に
ペンタトニックがいかに優れているかを感じさせます。
スケールでのアプローチを完全にマスターした方、
ブルースでの歌う演奏がしっかりと出来ている方
ペンタトニックを再び研究してみることをお勧めします。
別にペンタトニックを弾き込むと次第に自分が出したい音
・・・つまり手癖にとらわれてしまいます。
多くの人はメカニカルな音程を避けた手癖となっていることでしょう。
しかし、ペンタトニックには
4度や5度といったインターバルがふんだんに入っています。
ペンタトニック上の音程は
隣あった音だけではないことに気付くことが必要です。

隣合った音を弾かないペンタトニックのラインは
機械的ですが、とてもユニークで
流れているラインの中に入ると「おっ!」と思います。
それをもし、7音のスケール内でやろうとすれば
ミストーンが多く出る可能性もありますが
ペンタトニックのポジションで見れば
いとも簡単に、また正しい音の範囲内で
緊張感のあるサウンドが手に入ります。

ペンタトニックを1音飛ばし、
2音飛ばしで練習してみる
ことをお勧めします。

第75回:ピアノとギター

今回の題はピアノとギターです。
お互い単音も和音も出せ、
1人でなんでも出来てしまう楽器ですね。
ギターは気軽に持ち運べる反面、
ピアノほどの音程・音量・音数は出ません。
逆にピアノほど音楽を支配する力を持っていない楽器でもあります。
そこがギターの良い所。

まだセッションに通い始めた頃、
ピアニストの後にソロを弾くのが大嫌いでした。
それはピアノに盛り上げられたら後は何も弾けないから。
サックスやピアノがガンガンとソロを取る中、
クールなギターって素敵だと気付きました。
どんなにゴチャゴチャした音楽でもギターはどこか空間を作ってくれます。
そんなことは分かってる。。。と言われてしまいそうな・・・。
重要なのはピアノのラインを勉強することです。
ギターという楽器は3度や4度での移動が非常に楽な反面、
2度で進行するにはポジション移動する必要があります。
ピアノのソロは2度の音程が非常に多い楽器です。
ギタリストが「このスケールで弾いてみて」と言われたとしたら、
単なる上行または下行する場合、
3度音程を中心にしたソロになることがほとんどです。
2度中心で格好良い演奏が出来ると
フレーズの終わりが心地よくなります。
音符を切って次に音符を弾くまでの休符が
うまく出せている状態ですね。

とにかくピアニストのラインを良く聴き、
真似することをお勧めします。
因みにギター&ピアノのDUOは本当に楽しいです。

第76回:7thコード・タイプ

7thコードには色彩感を出す為に
様々なテンションを乗せることが出来ます。
大きく分けて書かくと下記の2系統があります。
ナチュラル9th系とフラット9th系
に分類することができます。
では、まずナチュラル9th系とは・・・・
比較的7thに協和するテンション(9、11、13)
がある○7コードです。他にも#11や#5があります。

これに伴ってスケールも選択していきます。
同様に♭9th系にはオルタード・テンションと呼ばれるテンション
が付加されます。(♭9、#9、#11、♭13)
これに伴ってスケールを選択しますが、
使用されるスケール名だけはすぐにでも覚えてしまいましょう。
ここではナチュラル系かフラット系に分けて考えている
ということを念頭に置いてください。
○7(9)→Mixo-lydian、Lydian7th、Whole Tone
○7(♭9)→H-P5↓、Altered、Con.Dim

※H-P5↓・・・Harmonic Minor Scale Perfect Fifth Belowの略
Com.Dim・・・Combination Diminish Scale

第77回:7thコード・スケール内容

前回のテンションは理解できましたでしょうか?
今回はスケールがどのようになっているかを探ってみましょう。
○7(9)
Mixo-Lydian Scale・・・・R、3、5、♭7(コードトーン)
9、11、13(テンション)
Lydian♭7th Scale・・・・R、3、5、♭7(コードトーン)
9、♯11、13(テンション)
Whole Tone Scale・・・R、3、#5、♭7(コードトーン)
9、#11(テンション)
※Whole Toneは人工的に作られた6音構成のスケールです。
全ての音間がM2となっております。
おでこのめがねでデコデコでこり~~ん。って感じ。
知らない人はごめんなさい。
○7(♭9)
H-P5↓Scale・・・R、3、5、♭7(コードトーン)
♭9、11、♭13
Alterd Scale・・・R、3、(5)♭7(コードトーン)
♭9、#9、#11、♭13
Combination Diminish・・・R、3、5、♭7(コードトーン)
♭9、#9、#11、13
それぞれの音階の使用・説明はまたの機会に譲ることにします。
このようにスケールは類似したものを集め相違点を覚えてしまうと
割と簡単に覚えられます。

第78回:7thコードのスケールを読む

7thコードではほとんどのテンションが許されますが、
基本的には9th系では9th系テンションのみ、
♭9th系では♭9系テンションのみを使用します。
また、テンションの種類からスケールを特定する事が可能です。
つまり、○7(9、#11)とあれば、
そのテンションが属するスケールを探せばいいのです。・・・Lydian♭7
○7(9)・・・Mixo、Lydian♭7、Whole toneのいずれか
○7(♭9,♭13)・・・H-p5↓、Alterdのどちらか。
○7(9,♭13)・・・Whole tone。
○7(#9,13)・・・Com.Dim
といった具合です。※♭9と#9の共存は原則禁止です。
ただ例外もあることを忘れないで下さい。

第79回:7thコードのスケール選択

7thコードのスケール選択は非常に種類が多くて大変です。
まず第一にメジャー型Ⅱ-7~Ⅴ7では○7(9)系、
マイナー型ⅡΦ7~Ⅴ7では○7(♭9)系を使用します。
またメジャー型では不協和感を強め、
解決した際の解決感を増す為に
わざと♭9th系を使用することもあります。
※○7(9)~○7(♭9)・・・良い。
○7(♭9)~○7(9)・・・解決感が出ない。
ではⅤ7でもなく、
ⅡーⅤの形も取っていない7thコードをどうすればいいのでしょうか?
そこで下記の表を覚えてください。
突如出現した7thコードを
曲のKeyから考えてまとめたものです。(メジャーキー)

Ⅰ7♭Ⅱ7Ⅱ7♭Ⅲ7Ⅲ7Ⅳ7
両方9系9系9系♭9系9系
♭Ⅴ7Ⅴ7♭Ⅵ7Ⅵ7♭Ⅶ7Ⅶ7
9系両方♭9系♭9系9系♭9系

注意して頂きたいのは、
これが絶対的なものではないということです。

時と場合により変化することもありますので
参考程度に知っておくと便利かと思います。
また上の表で少し気付いたことはありませんか?
上の段と下の段はちょうど♭5の関係にありますが、
スケールは正反対になることが多いです。
上段が9系なら下段は♭9系になります。
また、これとは別に半音で進行していくような7thコードには
Lydian♭7を使用するのが一般的です。

第80回:練習計画

1日どれだけ練習すればいいのか・・・?
練習の質を高くすることこそが上達への近道だと私は考えます。
節度を持って楽しむときと
練習するときを分けるべきです。

ただ、ガムシャラに練習をしても上手くなりません。
指が動く動かない、脳が演奏についていくかどうかも
全て1日では上手くいきません。

日々の反復により指が動くようになり、
考えながら演奏をすることが出来るのようになります。
今日は疲れたから弾かない・・・
明日休みだから今日はいいや・・・というのは良くありません。
脳に毎日刺激を与え続けることが大事だと思いますので、
1日20分でも集中した練習時間を作ることをお勧めします。
私がやってきたのは、まるで筋力トレーニングのようでした。
細かい時間までは決めておりませんでしたが、
やることをリストに挙げ
1日に一つを出来るようにする練習ではなく、
全ての技術を総体的に上げるように
練習計画を立てました。

こんな感じです。↓↓
1、ウォーミング・アップ
・・・目標なし、決めた時間まで。
2、ピッキングトレーニング
・・・目標あり(テンポを前日より少し早くする)
3、左手のトレーニング
・・・目標なし、決めた時間だけ。
4、読譜
・・・目標あり(テンポ)
5、譜面
・・・目標あり(何かひとつ新しいフレーズやアイデアなどを得る)
6、ソロ
・・・飽きるまで引き続ける。
このような流れで大抵90分くらいです。
私の場合、集中力は90分~120分できれてしまいます。
そんな時は素直に一服したり、耳コピしたりしました。
そしてまた、同じ流れで繰り返すのです。
規則的に練習することは非常に大切です。

第81回:視覚的に見るギター

ギターという楽器ほど平行移動が容易い楽器はないと思います。
そのメリットを多いに利用すべきだと思います。
私が今まで演奏してきて、
視覚的に覚えたことで一番役立っているものは
「トライアド(三和音)」です。
トライアドを視覚的に覚えるために、譜面に書き出してみましょう。
6弦からRoot(6弦)+3rd(5弦)+5th(4弦)
同様に5弦からのパターンに4弦からのもの、
最後に3弦からのパターンを書き出します。

原則として1弦に対して1つの音のみです。
計4種ありますね。
続いて3rd+5th+Rootというパターンも同様に書き出しましょう。
更には5th+Root+3rdのパターン。
それぞれ4種類ずつで計12種のトライアドが出来ました。

音階を覚えるよりもこちらの方が利用価値は高いと思います。
例えば、C-7~F7といった進行があったとして
「CDoriain~FMixo-lydianを弾こう」とはあまり考えておりません。
勿論、意識以下のレベルでは理解しております。
演奏中、何かを考えているとすれば、
「E♭△(C-7)~D△(C-7~F7間)
~D♭△(F7)→C△(B♭)」

のような流れを考えている事の方が圧倒的に多いです。
しかし、これはまだアイデアの段階であって、
実際このアイデアで弾こうとした時にはうまく出来ない場合があります。
視覚的にトライアドを理解していると、
上記のようなアプローチを取る時非常に便利です。
そして、私の演奏の中には
アッパーストラクチャーを用いたアプローチが多いのも事実です。
トライアドにはメジャーだけでなくマイナーやオーグメント、
ディミニッシュがあります。(勿論他にもありますが)
音階ばかりのソロから少し離れてみてはいかがでしょうか?

第82回:オクターブを知る

オクターブ奏法というものがありますが、
オクターブの位置関係を理解するのは非常に重要なことです。
これも前回同様、視覚的にという事です。
ピアノであればドの位置が視覚的に分かり易いため、
「ここまでで1オクターブ」というのが分かります。
しかしギターには何フレットまでと区切ることは出来ません。

例えば初めて聴く音階を弾くにしても
オクターブが見えていると「ここから、ここまでだな」
といった具合に検討がつきます。

オクターブを知らないと、気付いた時には
1オクターブを越えて音階を弾いているかも知れませんね。
オクターブの形は2種類しかありません!
さぁ早速覚えてしまいましょう。
ポイントは「間に1つ」
6弦5フレット+4弦7フレット。
6~4弦間には5弦がありますね。
また5~7フレット間にも6フレットがあります。
間に1つずつ入っています!
この手の形をしっかり覚えてください。
この形が1オクターブです。

さて、2弦が絡んでくるとフレットが1つ広がります。
4弦~2弦間は間に1つの弦と2つのフレットになります。
ソのオクターブを見てみましょう。
4弦5フレット+2弦8フレット
同様に3弦5フレット+1弦8フレット

と2弦を間に挟んだ場合も変化します。
文章で書くとオクターブが凄い難しい感じになってしまっていますが、
正直簡単です。
この機会にオクターブの形2種類を覚えてしまいましょう。
何度も書きますが
「コツは間に1つ。そして2弦が絡んできたらフレット2つ」

第83回:繋いでみなよ!ジャズらしく

最もジャズらしいと感じるラインは
やはりクロマチックな音階だと思います。
クロマチックな音階とは半音で進むラインが入っているということです。
日本ではあまり馴染みがありませんが、
海の向こうではビ・バップ・スケールなるものが存在します。
名前の通りビ・バップの演奏で多く聴かれる音です。
このスケールについて書かれた
HOW TO PLAY BEBOPという教材も
海外から出版されていますので
興味のある方は読んでみてはいかがでしょう?
海外の教材といっても、ほとんど実例集のようなものでしたよ。
このスケールを使用することで
○7コードのM7音や○ー7コードのM3音などが
半音で繋がれた状態で入ってきます。

そこがジャズらしさが一番出るところなのかも知れません。
以前書いた音価について読んで頂いた後、
音価の低いところで半音階を使用して音価の高いところに
コードトーンなどを持ってくる練習をしてみてはいかがでしょうか。

第84回:囲ってみなよ!ジャズらしく

前回のクロマチックなラインに次いで
ジャズらしさを出す方法が囲むことです。
ディレイゾ・リゾルブというのですが、
ある出したい音の上下を囲んでやることです。
方法としてはスケール内の音で囲むのが一番無難かと思いますが、
計3パターン×2種類あります。
①音に対して半音上下の音で囲む。
②音に対して全音下、半音上の音で囲む。
③音に対して半音下、全音上の音で囲む。
2種類とは上の音から始めるか
下の音から始めるかの違いだけです。

※全音上下の音ではあまり効果がありません。
狙う音を装飾する感じで使用すると
とても良いものになりますよ。
また、このように装飾された後の音は
装飾されない時よりも音価が高くなります。
コードトーンや本当に出した音に向かって囲んでみましょう。

第85回:左手を安定させる鍵

どんなフレーズを弾いても
左手が安定していることが最大の目標です。
知っているフレーズを早く弾くことが出来ても
アドリブとなると、とたんに指は不安定になるものです。
そこで重要なのは不安定の状態の指を知り、
そうならないように訓練することです。

さて、不安定な状態とはどうのような時でしょうか?
私が思うに
第一関節がアーチを描いていない時
(逆に曲がっていたり、伸びきっているとき)は
無駄な力が入っています。

※勿論、和音を弾くときやフレーズにより
伸ばしていないと弾けない場合もあります。
そして、1本の第一関節が不安定だと
全ての指がバラバラとうまく押さえられなくなってしまいます。
音階を弾く時、速いテンポで演奏する時、
第一関節がいつも同じ角度で曲がった状態で
弦を押さえられるように意識して練習してみましょう。
効果的なのはアルペジオをトレーニングする練習です。
例えばCM7のアルペジオを順に弾いていきます。
5弦3f→5弦7f→4弦5f→3弦4f→
2弦5f→1弦3f→1弦7f・・・を今度は上から下がる。

次にD-7のアルペジオ
5弦5f→5弦8f→4弦7f→3弦5f→
2弦6f→1弦5f→1弦8f・・・を今度は上から下がる。

このように弦移動の激しい指使いで第一関節を安定させることが、
普段の演奏にも効果的なのです。
しかし、どんなに上手くなっても激しすぎる音が頭に鳴り、
それを弾こうとすれば指がもつれます。(経験大有り)
ですから、
自分の弾けるギリギリのレベルを知ることも重要だと思います。

第86回:支える指が大事

支える指=親指
ポジションを移動する際、
いつも親指まで一緒に動いてしまう方が意外と多くいらっしゃいます。
まずネックを握らずに親指を裏に付けた状態で
ギターを持ってかまえてみてください。
左手をネックと平行に横に振ってみましょう。
私の指の場合、5f裏に親指を付けたとしたら
人差し指は6弦2f~8fまで動かすことが出来ます。
だから?と言われてしまいそうですね(笑)
つまり、少しくらいのポジション移動は
わざわざ親指まで移動させなくても十分弾けます。
常に指がフレットと垂直になっていなくても良いんです。
また、この横の振りを知るとペンタトニック・スケールなどで
1つのポジションでしかソロを取れなかった方が
隣のポジションも織り交ぜて弾く事が可能になってきます。
例題)Aマイナーペンタトニック・スケール上での動き
4弦5f→4弦7f→3弦5f→3弦7f→
4弦7f→4弦9f→3弦7f→3弦9f・・・最初から。

今回説明しているのは、このような演奏をする際に
ポジション移動はするけれど、
親指は動かさないということです。

第87回:少しおかしな想定訓練

私の練習に対する考え方は
「とにかく意識をしっかりと持つこと、規制をすること」が多いです。
では、今回は少しおかしな想定訓練と行きましょう。
ここで何を想定するかが大事になってきます。
恐ろしいテクニックを持つタック・アンドレスは
「ウェス・モンゴメリーの代理として弾いている」
という意識を持って練習していると聞いたことがあります。
大切なのは
それが自分にとって有益な結果をもたらせてくれているということ。
タックはきっと、
そう思うことでいつもポジティブで
適度な緊張感を感じながら演奏していられるのでしょう。
さて、少し話がそれましたが
今回は弦が切れた時を想定します
幸な事に私は今までステージ上で弦が切れたことはありません。
ですが1本切れたところで演奏が大きく変わってしまっていては
聴いている方もがっかりです。
マイナス・ワン・テープを利用すると
どうもパラパラと弾いて終わってしまうことが多いのですが、
2弦を弾かないように!
・・・次は3弦・・・・
のような規制を設けてみましょう。
手癖の多い方ほど、
この演奏がどれだけ難しいか理解出来ると思います。

第88回:納得できない時

ギターを弾いていて納得出来ない時・・・・
以前に書いた「いきづまる」
とはまた違う気がします。
いきづまるのは本当にどうしたらいいのか
道すら見えていない状況であり。
今回の「納得出来ない時」というのは
分かってはいるけど、どうも納得いかない時です。
私の場合、常に演奏したい方向がありますが
やはり納得出来ない時期が周期的に襲ってきます。

「何故だろう?」
とあれこれ考えましたが、
結局そんな疑問に答えなんか出てこないんです。
結論として、私はこう思うようにしています。
私の心の音楽の技術が上達したのだ!
と。。。つまり自分の演奏技術は変わらないけれど、
自分の心の奥底で求める音楽がよりハイレベルになった為に
今の演奏が納得いかないんだ!と思うようになりました。
そう思うようになったきっかけは、
納得いかない時期の演奏でもお客さんに伝わりますし
実際、録音してみると自分が思う程悪くないんです。
つまり、自分が演奏している最中により
高度な演奏を心が求めているんです。
参考になるかはわかりませんが
プラス思考のようなもので、
演奏ではなく心でも、
「上達している」と思うと不思議と難なく乗り越えられるものです。

第89回:頭を柔らかく!

「これは飽きた!単純でつまらない!」
音楽をやっていて、
場面場面でそう思う方は意外に多くいると思います。
曲に対して感じる人、音階に対して感じる人、
ハーモニーに対して感じる人。
人は誰でも飽きる瞬間がありますし、
つまらないと感じる時もあるでしょう。
そこで終わるか、もう1歩先に進むかは全て貴方次第です。
おぉ、怪しい通販商品の決め台詞のようだ(^^)
人は飽きた、つまらない等と感じたらその事に関して
何故かそれ以上考えようとしないんです。
それはつまり全て自分のせいではなく
素材のせいだと決めつけているからですね。

ジョン・コルトレーン(sax)は
Cのメジャースケールのみで数時間も練習したそうです。
私はその話を聞いてから、飽きたと思った時は自分を責めます。
勿論、自分を責めても「飽きた~」って言いますよ(^^)
私だって人間ですからね。
でも、心の片隅では自分の中で生まれるのを待っています。
その素材が生まれかわるアイデアをです!
これは単純な音階だからつまらない↓
まだまだ未知の組み合わせがあるのでは?
これは単純な和音だから使えない↓
意外な使える場所があるのでは。
こんな曲はつまらない↓
面白くさせるアイデアがあるのでは?
音楽の世界を広げるのも狭めるのも
全て貴方次第だと気付いてほしいです。

第90回:スウィングしましょう

私がジャズを学び始めたころ、
マイルスやコルトレーンの演奏を聴きながら
ドラムのシンバルの音に身体を揺らしてました。
それは4ビートのスウィング感を
なんとか吸収したかったから
です。
自分の中でスウィングのリズムが出来上がるまでは
CDに合わせて一緒に弾いたりもしましたよ。
好きなミュージシャンのコピーをするにでも、
そのリズムまでコピーするべきだと思います。
ジョーパスのスウィングと、
ジムホールのスウィングは明らかに違いますし。
ジョンスコとメセニーの違いも明確ですね。
ジャズでは演奏途中にラッシュやレイドバックといった
リズムをわざとずらす事もあり、
基本的な自分のスウィング感を体得するのが大切だと思います。

そこで私はドラムのシンバルを聴いたわけです。
最初のうちは「チーン、チッキ、チーン、チッキ」というリズムが
「イーン、チッキ、イーン、チッキ」
インチキ呼ばわりされているようで不快でしたよ(^^)

第91回:ドラムを聴こう

俺はギタリストだ!
分かってますって(^^)
でも、今回は前回(90回)に引き続きドラムを聴いてみましょうよ。
音楽にリズムって大事ですからね。
ドラマーが何をやっているか?
正直私もよく知りません。
でも、だから知りたいし沢山聴きたいし、
ドラマーの心の中を読みたいんです。

オブリガードを入れるにしろ、ソロを取るにしろ
彼ら(彼女ら)は必ずどこかでリズムを感じています。
昔、必死になったのは
「ジャック・デジョネットのドラムソロの中から4ビートを見つけ出せ!」
というもの。
自由奔放に叩くジャックの演奏によくロスト(見失う)しました。
色々な海外ミュージシャンと演奏しましたが、
どんな人でもリズムをロストすることがあります。
ただ、戻ってくるのも早いんですよ。
ドラムを聴くことは自分のリズム感を鍛えることにもなりますし、
リズミックなアイデアを得ることにもなります。
以前にも書きましたが、
ギタリストは本当に自分勝手で孤独な世界に浸ってしまい易いです。
そして、それは音楽を聴く際も同様に
ギターの音ばかりを追ってしまいます。
ドラムだけに限らず色んな楽器を是非聴いてみてください。

第92回:使い込んだ物達①

このワンポイントを読み返していたら
誤字脱字の多さと共に気付いたことがありました(^^)
それは市販の教材の悪い部分ばかりを書き過ぎていたこと!
失礼いたしました。
当然、気に入って使い込んだ教材は色々とあります。

まず一番は何と言っても
JAMEY AEBERSOLDの膨大なマイナスワン教材です。
その音源の良さと質の高さから、かなり前から使用しております。
ある音が和音上でどんな響きがするか?
ある程度はギターで確認出来ますが意外と大変な場合が多いんです。
そんな時は実践的にマイナスワンを流し、
その音がどんな色を持っているか演奏しながら確かめています。
この教材はleftとrightチャンネルに
ピアノとベース&ドラムが分けてあるので非常に便利。
また伴奏テープだけを聴いてみるのも
非常に勉強になりますよ。
10曲ほどの教材と最良の伴奏テープを
2,3千円で購入できます。他には、
JOE PASS SOLO GUITAR
以前にも書きましたがやはりコレは使い込みました。
説明なんていりません。ただ弾きたいんです。
これを弾くことでジャズらしいライン、
ジャズらしいハーモニーを学べますし
ジャズ独特の指使いにも慣れる事が出来ます。
最高なのはどこから弾いても楽しい!
ということです。
初心者にはそこが一番大事です。
このソロ譜を弾き続けることで
ジャズの伝統を受け継ぐことが出来る気がします。

第93回:使い込んだ物達②

私もきっと皆様がそうであるように
沢山の教則本を買っては売ってきました。
その中でも未だに手元に残り、たまに使用しているものの中に
「PATTERNS FOR JAZZ」という教材があります。
この教材を購入直後はほとんど使用した記憶がありません。
しかし事故でギターが弾けなくなった後のリハビリで、
私はこの教材を頻繁に使用しました。
教本は洋書でいわゆるパターン集なのですが、
非常に有効的なパターンが多く楽しめました。
著者は・・・・4人!
Jerry Coker、Jimmy Casale、Gary Campbell、Jerry Greeneです。
多くの方は上記の名前すら知らないことと思います。
Jamey Aebersoldを筆頭にして、
海外には沢山の素晴らしいジャズ教育者と言える方達がいます。
(日本にもいることを願いますが)
良いミュージシャンが良い指導者とは限りませんが
彼らは音楽の研究家です。
私はそういった方の書く教本が大好きです。
彼らの教本には「諦め」がないから。
自分の記したものが十分なモノではないことを知っていますし
(現時点では最高峰でも)
それでも知る内容全てを伝えようとしているのが分かります。
人に知識を与えることが自分に対して理解を深めることだと
知っているからに違いありません。

そして常に音楽界の新しい発展を目指しています。
それはつまり自分が発見するだけでは
新しい発展へと繋がらないことも知っているからでしょう。

第94回:使い込んだ物達③

では、ここ1年の間に使い込まれている
現在進行形の素敵な教本をご紹介いたします。
洋書ばかりですが・・・・
A CHROMATIC APPROACH TO JAZZ HARMONY AND MELODY
よく知られているデイブ・リーブマンのクロマチシズムです。
単音のラインの発展の方法やハーモニーの特徴を勉強するのに
豊富なアイデアを吸収することが出来ました。
ただ、難しい・・・・誰か翻訳してくれないかなぁ。
それでも難しいと思うけれど。
ADVANCING GUITARIST
ギタリストはやはりコレでしょう!
バークリーの教授ミック・グッドリッグによる教本。
全てがギタリストのためにギタリストが書いたものなので
譜例はそのまま使用可。
英文よりも楽譜が多い点も好きですね。沢山勉強になります。
MODAL JAZZ COMPOSITION&HARMONY
現時点で最高峰のハーモニーを持っていると思われるロン・ミラーの教本。
正直、理解するのに数ヶ月、実践できるまでに数年はかかると思います。
しかし、ここに書かれていることは
ジャズ・ハーモニーの未来ではないでしょうか?
近い将来、この内容がミュージシャンに普及すると思われます。
私がギター・デュオが好きなのはココに原因があるかも知れません。
というのもギター1本ではこの教本の内容についていけない為、
キーボードかギターが2台必要です。

第95回:チョーキングはRockのテクニック?

チョーキングってカッコ良いですよね(^^
私的にはジャズを演奏するようになってから
一番衰退してしまったテクニックですが、
チョーキングはかなり魅力的です。
フルアコだとチョーキングは意外と厳しいですが・・・
初心者の方へチョーキングとは
弦を押し上げたり下げたりすることで音程を上げるテクニックです。

親指を支点にして手首を回すように
一気に出したい音まで引き上げます。
チョーキングにはクォーター・チョーキング(半音の半分くらい)
半音チョーキング(1フレット分高く)
1音チョーキング(2フレット分高く)
更には1音半、2音まで上げる人もいるでしょう。
狙った音へ正確に上げられるように何度も何度も意識して弾きましょう。
近年のジャズではチョーキングやアームを
どんどん使用するべきだと思います。
ジャズだから使ってはいけない!
とは思わないようにして下さい。
偏見です!
また時には弦(6弦or1弦)を指板から外してしまうのも面白いですね。
急激なチョーキングになります。

第96回:タップしてみよう!

タップ!することは
歌うことと同じくらい重要なことです。
楽器を持たなくても出来る音楽の演奏方法の1つですね。
ここでは指板上の音をタップすることをお話します。
タップが上手なギタリストと言えば
タック・アンドレス!
彼は多くの音を左手のタップのみで音を出してしまうようです。
他にはスタンリー・ジョーダン。
大道芸を見ているかのようなタッピングです。
また力の入れ具合で強力な爆裂音が得られるのも
タップならではと言えるでしょう。
タップはハンマリングの延長にある技術だと思いますが
一番重要なのはミュートです。
必要のない開放弦がならないように
余っている指や右手の腹でミュートしましょう。

ハービー・ハンコックのニュー・スタンダーズ・バンドで
ジョンスコは右手でタッピングしてましたよ!!
よく見るタッピング奏法ですね。
ここで私が言いたいのは第95回と同じです。
ジャズだからタッピングをしないというのは
間違っていると思います。

また見た目もカッコ良いですからね!
どんなに真剣にやっていてもその程度の遊び心は持っていたいものです。
タッピングの即興演奏も音を選んで弾くことには違いありません。
とても広い視野が必要になります。
まず最初に左手はペンタトニックを弾きましょう!
右手はその1オクターブ上のペンタトニックを
タップするようにして練習するのが良いでしょう。

右手の人差し指~小指まで全てを使用する
8フィンガー(エイトフィンガー)なるテクニックも
昔かなり練習した記憶があります。
しかし、私にはその使用頻度の低さから衰退した技術です。
またしばらくしたらちょっと練習してみようかな・・・。

第97回:アボイド・ノート

アボイド・ノートとは
その和音に対して不協和を作ってしまう音であり
強調して使用することは控えなければなりません。
しかし!だからと言って、
演奏に全然取り入れない人が多過ぎです。
色々なジャズ学習者をみてきましたが・・・
ちょっと面白いことに気付きました。
それは
①アボイドノートの使用を控えなければならないことを知ると
全く使わなくなる人←50%
②アボイドを知らない時に
アボイドノートを強調してしまう人←90%
③強調してしまった時、
不協和に感じていない人←プライスレス!
・・・失礼。
上記②&③にあるようにアボイドノートは実は身近な存在なんです。
また、アボイドノートこそが
その音階の唯一無二の特徴音となっている場合が多くあります。
なので強調せずにどんどん使用することをオススメします。
このことはモード奏法おいても同様です。
初めてマイルスのSO WHAT/KIND OF BLUEを聴いた時は衝撃的でした!
マイルスをコピーした時
その完璧にコントロールされた音の出すタイミングと
同時に特徴音の使用方法はかなり参考になりました。

第98回:IonianとLydian

○M7とコードが書かれてあった場合の
スケールの選択は意外と曖昧なものです。
当然、ⅠM7(トニック)はIonianですし、
ⅣM7(サブドミナント)はLydianですが、
その他の○M7はどうなんでしょう?
リディアン・クロマチック・コンセプトという理論がありますが、
実際の演奏でLydian Scaleを弾くことは多くあります。
スケールの適用方法としては
4度音と#4度音がキーと合っている方を選びます。
つまりCM7がFのキーに出てきた場合、
4度音<F>と#4度音<F#>
キーと合っているのは4度音<F>なので
このCM7にはIonian Scaleを適用します。
同様にもしDのキーで出てきたら
#4度音<F#>がキーと一致するのでLydian Scaleを適用します。

実際の演奏では○M7に進んだ際、
#4度音を小節の頭に持ってきてから
コードトーンに解決させることがよくあります。
これは、一時的なトニックのディミニッシュ化
と捕らえるのが一般的ですが
私はこれもリディアンの用法の1つとして認識しています。

第99回:指をあたためる

冬の寒い時期にクラブへ到着すると
まだ営業前で暖房を入れたばかりの時があります。
かじかんだ指では普段の半分の実力も出せません。
どのように指を温めるか?
・・・それは演奏前に非常に重要です。
以前ジムホールが「指を温めるにはぬるま湯がいいんだ」
語っているのを読んだ(聞いた?)気がします。
確かにぬるま湯に少しの間つけるだけで
信じられないぐらい良い状態になります。
しかもあっという間に。
しかし、一体どこでぬるま湯に手をつけることが出来るのでしょう?
自宅ならともかく、仕事先では出来ませんよね。
この問題を私はカナダのミュージシャンにぶつけました。
だってあちらではマイナス40や50度になるのですからね。
しかし多くのミュージシャンは一言
「手をすり合わせる」と・・・。
あちらの人は東洋人より体温が1度程高いのであまり気にしてないのかな?
と思いながら見ていると
ポケットに手を突っ込んでいる人が多かったんです^^
正直これが最適なのかも知れません。
脇の下に手を入れるのは見た目がよくありませんし長時間は無理。
温かい飲み物カップを持ったとしても、
熱いもので温めると人間の身体って意外と早く冷めるものですね。
お風呂と同じで少し温かい物(所?)で
ゆっくりと温めるのが一番なようです。

第100回:緊張をとく

ワンポイントレッスンも100回を迎えました。
勝手気ままに書いていますが今後とも宜しくお願い致します。
さて、「今回は緊張をとく」ということ。
実は私も結構緊張しやすい方です^^
しかしステージにたって演奏が始まれば
緊張はしていません。
まぁ、ようは集中力の問題です。
「自分は上手く弾けない」という心の声より
「周りの音をよく聴いて音楽を楽しみたい!」

という気持ちを強く持つこと。
音楽に意識を集中させることで緊張しなくなります。
とは言っても緊張はします。
ある程度の緊張感は多いに歓迎してあげてください。
それでも緊張する!
・・・・・しつこいですね~^^(嘘々)
緊張は誰しもすることですからね。
いくつか対処方法を書いてみます。
①マインドコントロール
「今から自分は人気者なんだ」
「スーパースターなんだ」「最高の演奏が出来るんだ」
といったポジティブな気持ちを強く持ちましょう。
②緩和法
指も歯も身体全体に力をいれます。
特にケツの穴はキュッとしめましょう(笑)失礼・・・。
しばらく力をいれたらゆっくりと少しずつ力を弱めていきます。
どうですか?少しはリラックスできましたか?
③ツボ
左手の薬指の付け根あたりに緊張をとくツボがあるそうです。
左手の手の平を自分に向けて、
右手で薬指をにぎったり離したり・・・
そうツボを軽快に刺激するように握ったり離したり、
しばらく続けてみましょう。
お客さんをお客さんと思わないのも結構^^
自分なりのリラックス方法をみつけましょう。

第101回:解決って何?

100回を越えても頑張って書いていきます、
ワンポイント第101回。
今回は解決についてです。
非常に重要です。
まず解決とは、
不協和な和音(音)から協和する和音(音)へ
移行すること
です。
不安定な(不協和な)コードは安定した(協和している)コードへ行きたいという性質を持っています。
本来は私達の耳が安定した音へと移動したいと
思っているのでしょうが・・・。
安定した和音や音へ辿りつくと、
終止感が得られます。
これを解決といいます。
最も強い終止感を出せる解決が
「トライトーン解決」と呼ばれる解決です。
トライトーン(TRITONE)とは全音3つ分のことで
aug4(dim5)の音程のことです。
このトライトーンは不安定な振動数比を持つ音程で、
安定した振動数比へと移行したがる性質を持っています。
この音程の両方がそれぞれ反対の方向へと
2度で広がることにより解決は起こります。
これがトライトーン解決です。 ※しかし人の耳って微妙なもので、
不協和も聴き続けるとそれが通常の安定したコードに位置付けられ
更なる不協和が聴こえてきそうです。

第102回:Dominant Motion

トライトーン解決は
一体どのような場所で起こるのでしょうか?
それはDOMINANT MOTION(ドミナントモーション)
と呼ばれる場所(コード進行)で起こります。
ドミナントモーションとはⅤ7がⅠコードへ進行することです。
実際に見てみましょう。
G7(Ⅴ7)のF+BというトライトーンがCへ移行するとき
Fが半音下へ、Bが半音上へ→E+Cへと移行する

強い解決感(終止感)がでます。
今、実際にギターを弾いてくれた貴方!
私はそんな人が好きです^^
しかし、これだけではまだ!!!
ドミナントモーションとは言えません。
もう1点、MOTION OF 5TH
というコード・ルートの動きが必要になります。
単音での進行、特に低音域で
非常に力強い進行感がでてくる進行のことで、
ルートはP4度↑(P5度↓)へ進むことです。
このトライトーン解決と、
Motion Of 5thが同時に起こることが
Dominant Motion成立の条件となっています。

第103回:リーディングトーン

リーディングトーンとは、
一般的な理論書では導音とも呼ばれ
キーセンターの音へと導く7番目の音のことを言います。
Key=CであればB音ですね。
キーセンターの音に限らず
コードトーンである3度や5度の音へ
どのように導くことが出来るのか?

その可能性を掘り下げることは無意味ではありません。
例えばCM7
3度へ導く
D→E、F→E、C→D→E、
G→F→E、C→A→G→E、C→D→D#→E
5度へ導く
A→G、F→F#→G、
C→E→G、A→F#→G、B→C→G、E→C→F#→G

このようにどのように動いたらどう聴こえるか?
を知ることは即興演奏を行う上で非常に有効ですし、
自分のスタイルを確立するのに、
まずはこの辺りから好みを採用していくと良いと思います。

第104回:ギター侍

最近、やたらと聞かれる「ギター侍」について・・・。
ワンポイントでも何でもありゃしない・・・。
まぁ、特に興味もないけれど
「どう弾くの?」と聞かれて答えられないのもなんなので、
一応TVでもう一度見ることに。
Am7とCの繰り返しと取るべきか、
ただのベースの移動と取るべきか?

私としては後者を取りたい。
8分音符でこんな感じです。
Am7・Am7・Am7/G・Am7~
これが繰り返される感じ・・・。
つまりはAm7を押さえた状態で
6弦3フレットへ薬指を付けたり、離したり・・・。

彼の芸風についてココで述べるのもおかしいし、
好きな人が笑えばいいと思う。
お笑いのプロを目指さない者が、
いちいち自分勝手な評価をするのも頭が悪い。
ギターをやりたいと思う人が少しでも増えたら、
また十二分にあるギターの認知度が更に上がるのであれば
嬉しいことではないでしょうか。
残念ながら最後の切腹を見る前に
TVを消してしまいました。
あとはご自身でお調べください。

第105回:音型(セル)

セルとはユニット・モチーフなどとも呼ばれ、
複数の音で作られた音型です。

セルを移動することにより非常に流れのあるソロが出来上がります。
またセルを利用して緊張感を高めることができます。
このあたりは以前
「師の恩恵に授かろう」の時にお話した内容とほぼ同じです。
また、このようなアプローチは佐藤允彦さんの演奏を聴くと
非常に勉強になります。
セルと同様に非常に面白い音型は
12音技法と呼ばれる手法です。
12音それぞれを1回だけ使用してメロディを作ります。
その後、その音型を逆行させたり平行移動させたりすることにより
音楽の可能性が本当に奥深いことにあらためて気付かされます。

12音技法はコルトレーンの
「Miles Mode」などジャズにおいても少しだけ研究されました。
私はある音階で自由に弾けないと感じた時、
極端にテンポを落として練習します。
まだ演奏したことのない、
カッコ良い音の繋がりを常に心に鳴らせるようにする為に
強く意識して音を出す必要があるからです。

第106回:サブドミナント・マイナー

サブドミナント・マイナー
(通称サブドミ・マイナー)・・・・Ⅳm7

ジャズを学び始めた頃、この和音の機能が大好きでした。
マイナー・キーではダイアトニック内にある機能ですが、
この和音がメジャーキーに出てくることが
ジャズには頻繁にあります。
私にはどこかダイアトニックの底抜けの明るさとは離れた
深いサウンドに聴こえたものでした。
分析をするのであれば単純に短調からの借用和音と考えるでしょう。
サブドミナントマイナーの進行として
・・・Ⅳー7~♭Ⅶ7

という進行が多くあります。
最も重要なのは♭Ⅵ度の音を必ず弾くことです。
Ⅵ音ではなく、かならず♭Ⅵ音!
これがサブドミナント・マイナーの条件です。
機能を見ると、Ⅳー7の代理として使用可能なのは
♭Ⅶ7・♭ⅡM7・♭ⅥM7・ⅡΦ7
などが一般的なようです。
とにかくサブドミマイナーになったら
「来た来た~~!!」と弾きまくった思い出があります。

第107回:転回和音の可能性

今回のテーマは和音について。
転回和音をいかに上手く使用するか?
ということ。
転回和音ってそもそも何か?
譜面上でお団子状に積まれた和音を
1オクターブ上げたり下げたりすることです。
転回和音を考える時、私はまずベースの動きを考えます。
コードは必ずしも
ベースがROOTでなければいけないわけではありません。

3度ベースや5度ベースはよくあります。
また、ベーシストが居るときは
いつも以上に自由にコードを選択可能です。
レッスンをしていると
ベースにROOTが来るコードは沢山知っているのに、
ベースが他の音のコードは全くしらない方が多くいらっしゃいます。
一人でも演奏可能なギターらしい問題点ですね。
テンションが一番低い音になるときも結構あるものですよ。

第108回:オルゴールサウンド

私は長い間エド・ビッカート(詳細は私のHPにて)
の和音に魅了されてきました。
彼のサウンドの謎を少しでも紐解きたいと思っています。
エドの伴奏のサウンドは
オルゴールサウンド
と呼ばれているらしいのですが、
あの演奏を聴いたらうなづけますね。
自力でコピーしていくのが自身の為に一番ですが、
ここではオルゴールサウンドになるヒントを1点だけご紹介します。
倍音を膨らませること
これが、どのようにして得られるか
ご自身で検討してみてはいかがでしょうか?
倍音こそがED BICKERTサウンド、
オルゴールサウンドの特徴です。
ジョージラッセル著のリディアンクロマチックコンセプトが
参考になるかも知れません。

第109回:ピックについて

初心者の頃、
自分に合うピックを探しだすのに非常に苦労しました。
ピックにはティア・ドロップ型と
おにぎり型と特殊系
があります。
一概には言えませんが私がレッスンを受講している方々を見ていると、
フォークの方がよく使うのは、おにぎり型ですね。
ストロークとか非常にやりやすいです。
比較的柔らかい方がしっとりしたサウンドが出せますが
ペンペンした三味線的なサウンドになりやすいですよね。
適度な厚さがある方がよいと思います。
ロックの方は何故か先が尖がっているティアドロップ型ピック
使っている方が多い傾向にあります。
尖っていると弦に当たっている時間(コンマ何秒の話ですが)
が短くてシャープになりますね。
またロックの方でペラペラなピックを使用している人を
あまり見たことがありません。
ジャズの方は意外と厚くて小さいピック
を使用している方が多いようです。
ジムダンロップのJAZZシリーズを私は長い間使っていました。
とても太い音が出る気がしてよかったのですが、
私のような丸めのサウンドでは
意外とペラペラのピックの方が太くて良い音がするんです。

それに気付いてからは若干薄いおにぎり型を買ってきて、
少しニッパーでカットして形を調節しております。
ピックを決める重要なポイントはなんと言っても
「継続して手に入れることが出来るもの」です。
ピック次第で音も演奏方法も変わってきます。
去年まで売ってたのに今はない!
・・・なんてことがあったら最悪です。
そんな私はYAMAHA 0.30 のおにぎり型 (自主カット加工)
を愛用しております。

第110回:Rootの位置

5弦ルートのコードフォームに
6弦ルートのコードフォーム・・・・
第107回:転回和音で少し書きましたが
ルートが一番低い位置になくても良いということを
もっと掘り下げてみてください。
和音を鳴らす時に考えている事。
それはフォームを考えているのではありません。
a)トップノートがどの音に鳴っているか?
b)ベースは何度の音か?
c)内声に2度音程があるか?
d)それぞれの音の構成はどんな音程になっているか?

言葉で書くと非常に難しいですが、
こんな具合ではないでしょうか。
決まった和音フォームから脱却する為に
まず4弦ルートのコードフォーム。
次いで3弦ルート、2弦ルートを書き出して見て下さい。
(1弦ルートは6弦とほぼ同じ)
きっと今までと違った未知のコードフォームが見つかることでしょう。

第111回:デッドポジション

ギターは「小さなオーケストラ」
と呼ばれるほどよく出来た楽器だと思いますが、
デッドポジションという場所はあると思います。
勿論楽器にもよりますけどね。
例えば、単音で弾く場合。
1弦の1fは線が細すぎて使い物にならない。
6弦15f以上はどうもヌケが悪い。

上記のポジションの音へ行くときは
私は無理をしてでも別のポジションへ移動させ弾いています。
そして自らデッドポジションにしてしまっている事も非常に多いです。
和音で言えば、5弦ルートと6弦ルートの間にある和音。
音階の見えないポジション。
音すら分からない場所。

ギターを演奏する上で自分の楽器のどこでどんな音が出るかを
しっかり見ることも必要だと思います。
私は楽器とは別に、音階や和音・理論・練習等に関しては
「使えない」と思いたくありません。
それは使えない自分が悪いと思っております。

「Cメジャースケールは単調で面白みに欠ける」という方が
どの程度メジャースケールの可能性を探求したか?
あらゆるインターバルを調べ、沢山のリズムで演奏をする。
時には違ったコードの上で演奏したりする可能性まで
研究したとはとても思えません。
音楽を勉強&学習していて
面白いなぁと思う部分にはそんな事も含まれると思います。

第112回:Ⅵ度上のトライアド

〇7thコード上にⅥ度上のトライアドを使用する。
私はこの技法をPETER BERNSTEINから学びました。
C7を例にすると、C7上でA△を弾くということ。
すると、どうなるのかを考えてみましょう。
A△/C7=Root+3rd+5th+♭7th上に
13th+♭9th+3rdというトライアドが入ってきます。
「だから?」
♭9thと13thが共存するということは
コンビネーション・ディミニッシュ(通称コンディミ)を
想定しなければ弾けないんです。

コンディミの説明はまた別の機会を設けますが、
コンディミ自体を弾くのは非常に難しいです。
人工的に作られた音階だけに(半音、全音を繰り返し)
歌わせるのが大変という意味で捉えてください。
しかし、Ⅵ△を弾くだけでコンディミの特徴を出すことが出来ます。
メカニカルさがコンディミらしいと思う方には
考えつかないかも知れませんが。
少ない音で表現することが出来ます。
重要なのは奇妙な演奏をすることではなく、
自分の中に難しい音をいかに自然に取り込むか!
普通に聴いているとなんてことないけれど、
実は凄く難しいことをやっている。
これは私の目指す方向でもあります。

優秀だと言われている若手ギタリストの大半が
この手法を取り入れていることにもその重要性が感じられます。
Ⅵ△をいつどの7thコード上でも演奏出来るよう、
練習しましょう。

第113回:和音平行移動

ギターという楽器はスケールだけでなく
和音まで平行移動できてしまう素敵な楽器です。
そのため、和音を半音でスライドさせるという手法は
ギタリストにとって必須です。
平行移動の種類には
①スケールを基にしている場合
②コード進行を基にしている場合
③装飾的な場合
があります。
③は上記のような半音のスライドから
4フレットぐらいの平行移動までを含みます。

4フレットも同コードをスライドさせることは
ほとんどありませんが、結構かっこいいんですよ!
①は一定の規則性を持った音階の場合です。
ディミニッシュ・コードは3フレット幅(短3度)で移動出来ます。
ホールトーン・コードは2フレット幅(長2度)で移動出来ます。
ホールトーン・コードとは
そう考えられることはあまりありませんが、
コード自体には9、#11、#5(5thは不可)
といったテンションが入ります。

C7(9th)omit5th(5弦3F、4弦2F、3弦3F、2弦3F)
のようなよく知られたコードも平行移動が可能です。
オーグメント・コードも同様に考えてみて下さい。
②コード進行を基にしている場合
私はこれが非常に大切だと考えております。
1つのコードを押さえられたとしたら、
あなたは複数のコードを押さえられるようになったということです。
Dー7♭5というコードを例にしてみましょう。
5弦5F、4弦6F、3弦5F、2弦6F
・・・いたってシンプルなこのコードをどう捉えてますか?
私はこの押さえ方で最低4つの和音が見えております。
まずD-7♭5、そして2つの7thコードB♭7(9th)と
裏のE7(♭9,#5)、最後にF-6。

〇-7♭、〇7(♭9)、〇ーがあるということは
マイナーのⅡーⅤーⅠが同じ形で移動するだけで
弾けてしまうということです。
ⅡーⅤーⅠやⅠーⅥーⅡーⅤといった進行で
可能性を探ってみてはいかがでしょうか?

第114回:試奏

今回は試奏について・・・。
言うまでもなく楽器屋さんでのお話です。
一体試奏で何を知りたいのかしっかり考えるべきです。
ギターを渡された瞬間「キュイ~~ん」とチョーキング・・・・??
ギターを渡された瞬間「ピロピロピロピロ」と凄い音群・・・・??
まずは楽器の鳴りやサウンドの特徴を知ることが
大事なのではないでしょうか?

和音を鳴らした時のバランスとか、
高音域のヌケやボディの振動、
ボリューム・レベルによるサウンドの違いなど

もし貴方がギターを弾くだけで精一杯な状態ならば、
パラパラと弾いてもサウンドが分るはずはありません。
そのギター独自のものを捉えてから
自分の弾くフレーズがどんな風に聴こえるか試すと良いと思います。
実はレッスンでもこの点を見ると非常に面白いんです。
ギターをセットして生徒さんが何を弾くかを聴くことで、
その日の生徒さんの自信の程がうかがえますし。
底力がどの程度上がったのかが分ります。
たとえ雑談をしていても、
私にとっては既にレッスンが始まっています。

またライブを見ていて面白いのは
あまり上手ではない方ほど曲が始まる前に無駄な音が多いんです。
これから曲が始まるのに
何でそんなに弾くの?ってくらい(笑)
また初心者になるほど心とは裏腹に
大きなサウンドになっていってしまうんです。
まぁ一概には言えませんけどね。だいたいは当てはまります。
すこし意識してみてはいかがでしょうか?

第115回:心にメトロ&頭にネック

意味不明?
正式には心にメトロノームを作れ!
頭にギターのネックを描け!
ということ。
メトロノームを作れ!
というのはリズムトレーニングでは
よく言われることだと思います。
実際にメトロノームを使用して、
裏を感じるなどしてしっかりとリズムキープをしましょう。
問題は頭にネックを描いていない方がかなり多いこと。
指板をしっかり見ているのに、
次に鳴る音がどんな音なのか予測すら出来ない人達です。
時には高いのか低いのかも理解されていない方がいらっしゃいます。
①心を静かにして目を閉じてギターの音を聴いてみましょう。
②音を高い方へ、また低い方へ意識して動かしてみましょう。
ギターの指板上でどう動いたらそうなるのかを知ることです。
③なるべく自分の次に出したい音へ指を動かしましょう。
これだけでも十分に
ギターと自分の心を繋げることが出来ると思います。

頭にネックを描けるとギターを持っていない時でも
なんとなく音を鳴らせることが出来るようになりますし。
自分が弾きたいと思うフレーズを予測することが出来るようになります。
私自身にも常に言い聞かせていることですが、
絶対音感を持てなくても、
しっかりと訓練された相対音感を持つことが大事です。

第116回:Diminish Chord①

Diminish=減少している・・・
これだけでは意味が分りませんが
Dimishというコードは非常に利用価値が高いコードです。
また、その不協和さはNo.1です。
Diminishコードについて簡単に説明します。
Root+m3+m5+M6という
全ての音同士がこのいずれかの音程になります。
Ex)Cdim=C+E♭+G♭+A
C-E♭、E♭ーG♭、G♭ーA、A-C・・・m3。
C-G♭、E♭ーA、G♭ーC、A-E♭・・・m5
C-A、E♭ーC、G♭ーE♭、A-G♭・・・M6
このように
全ての音同士の音間はm3、m5、M6のどれかになるコードであり、
Cdim=E♭dim=G♭dim=Adim
となります。
1つ覚えれば4つ覚えたことと同じ、素晴らしいですね。
このDiminishの使用方法は
本当に沢山ありますので1つずつご紹介していくこととします。
まずは一番よく使用される
パッシング・ディミニッシュ(P.D.)という方法。
つまり経過的にdimコードを入れていく手法である。
ダイアトニックコードにdimを入れた例が下です。
IM7-#Ⅰ7dimーⅡm7-#Ⅱ7dimーⅢm7
-ⅣM7-#Ⅳ7dimーⅤ7-#Ⅴ7dimーⅥm7
ディミニッシュコードが半音上に上がるとき、
半音の反行ラインが生まれ、
そこに解決感が生まれます。(〇m7♭5を除く)
Ex)BdimーCM7・・・・B音は半音上がりCへ解決、
F音は半音下がりEへ解決。
BdimーCm7・・・・D音は半音上がりE♭へ解決、
A♭音は半音下がりGへ解決。

この短くそして強い進行感を作りだすことにより
流れをスムーズに出来ます。
次回から更に発展したDiminishのお話に入りたいと思います。

第117回:Diminish Chord②

さて、今回はDiminish Chordを代理和音で使用してみましょう。
ディミニッシュには三全音(増4度)が入っているため、
〇7コードに変換させることができます。
また、ディミニッシュが便利な点は
全ての音の半音下の〇7(♭9)と考えて弾くことが出来ること。
つまり、Cdim7というコードは
B7(♭9)、D7(♭9)、F7(♭9)、A♭7(♭9)

弾く事ができます。
このように、同型で移動出来る和音というのは
ギタリストにとっては非常に使い勝手が良いので是非覚えましょう。
さて、では今度は逆に
前回のPD(パッシングディミニッシュ)を
別のコードで考えてみよう。

~CM7~C#dim~D-7~D#dim~E-7~
~CM7~A7~D-7~B7~E-7
ディミニッシュの入った複雑な進行も、
次のコードへドミナントモーション(5度進行する)
と考えればそこまで難しくはありません。
しかし下行PDについては5度進行できないので、
Ⅱ7を選択することが多い。
E-7~E♭dim~D-7
E-7~F7~D-7

第118回:Diminish Chord③

さて、まだまだDiminishの使用方法は続きます。
今回はChanging Diminish(転過和音)としての
Diminish Chordの使用方法です。

これはそんなに難しくはありません。
PDが間に挟むdiminishだったのに対し、
後半のdim~any Chordという流れだけにしたもの。
Passing Diminish=CM7~C#dim~D-7~D#dim~E-7
Changing Diminish=CM7~D#dim~E-7

通常は上記のように
半音下からアプローチするのが基本ですが、
時には下降したり同ROOTで変化させる場合もあります。

下降・・・GM7~E♭dim~D-7~G7~C~
同ROOT・・・CM7~A-7~Ddim・D-7~G7

第119回:Diminish Chord④

まだまだいきます!Diminishの使用方法!
今回は(トニック・ディミニッシュ)です。
メジャーキーでやる場合がほとんどですが、
ⅠM7をⅠdimに置き換えましょう。
なんとも素敵な雰囲気が出てきます。
私はシングルノートのソロを取る時に
頻繁にこの手法も用いて解決を遅らせています。

Stella By Starlightという今日の冒頭部分がそれにあたります。
キーはB♭です。
~EΦ7~A7~C-7~F7~
どこにもdiminishが出てきません。ではこう考えましょう。
~B♭dim~C-7~F7~
↓↓↓↓
~A7~C~7~F7~
diminishコードは全ての音の半音下の〇7♭9に置き換え可能でしたね。
↓↓↓↓
~EΦ7~A7~C-7~F7~
そして〇7コードはいつでもⅡーV化することができます。
つまりTonicがTDになり、
代理コードに変化し更にはⅡーV化してしまったんです。
そんなステラ~ですが、
トニックコードに落ち着くことがほとんどありません。
なのでサビの一番最後のB♭も
トニックディミニッシュで代理してあげましょう。

G7・G7・C-7・C-7・A♭7・A♭7・B♭dim・B♭
そうした方がこの曲に合う気がします。

第120回:Diminish Chord⑤

もっともっといってみましょう。
Diminish使用法。
今回はAux Diminish
(オグジュアリーディミニッシュ・補助和音的使用法)
です。
これは伴奏している時によく使用するのですが、
同ROOTでコードを
一瞬だけDiminishに置き換えてまた戻す方法。

C7~Cdim~C7~FM7~
勿論〇7コードではなくても問題はありませんが、
ようはどう聴こえるか?の問題。
〇7コードが一番自然に聴こえます。
C7→C、E、G、B♭
Cdim→C、E♭、G♭、A
どうでしょう?
ROOT以外の音を半音下げて戻す!これだけです。

コードサウンドを常に新鮮に聴かせる為に、
ほんの一瞬、補助する方法です

第121回:Diminish Chord⑥

さて、長く続いたDiminishも最後となりました。
最後はTensionについて。
まず、Diminish和音の上に音階を作る場合は
全音上のDiminish和音を積み、これがDiminish scaleとなります。
C・D・E♭・F・G♭・A♭・A・B
このうち、Diminishのテンションとして効果があるのは
9th(D)とM7(B)です。
M7がテンションだなんて、
なんかパッと聴いた感じで違和感がありますよね。
他のテンション(11th、♭13th)を使用するには
ちょっとした工夫が必要なようです。
Diminishの音階から派生するコードは勿論Diminish和音ですが、
他には代理和音でも書いた通り
〇7(♭9)と〇M7sus4(9、♭13)があります。
工夫とは、上記コードの内声音を一部変換させたり、
またはオンベースで使用する方法です。
これをギターで考えるとまだまだ知らない形がありそうですね。
また、これ以外にもDiminish内の音程の可能性など
調べてみると良いかと思います。

第122回:パーカーチェンジ

今回はパーカーチェンジ
と呼ばれるコード進行の話。
これはもう名前の通り、
チャーリーパーカーが(考えたのか定かではないが)
沢山録音したお得意のコード進行だ。
ディグリーで書くとこうなります。
ⅠM7~ⅦΦ7~Ⅲ7~Ⅵー7~Ⅱ7~Ⅴー7~Ⅰ7~Ⅳ
コンファメイションや、There will never be another you
がこのコード進行にあたります。
非常によくあるコード進行なので是非覚えて練習しちゃいましょう。
またブルースの最初の4小節にいれてしまうのも一つの手法ですね。
|F7|B♭7|F7|F7|
↓↓↓
|FM7|EΦ7・A7|D-7・G7|C-7・F7|
ドミナントモーションが続くこのコード進行は
ソロを取っていて楽しいですね。

第123回:コルトレーンマトリックス

コード進行の話をもう1つ。
コルトレーンマトリックスをご紹介します。
コルトレーンチェンジ
とも言います。
このコード進行の特徴はキーが長3度下に変化し続ける点です。
そして、それは3つのキーを経過すると元に戻ってきます。
C~A♭~E・・・・
この3つのキーを経過する。
C~E♭7~A♭~B7~E~G7~C
・・・・ドミナントモーションを作り流れをスムーズにさせる。

コルトレーンマトリックスはこの状態です。
更にはコルトレーンはⅡー7から始まるチェンジも作りました。
D-7~E♭7~A♭~B7~E~G7~C
・・・・これによりⅡーⅤ部分への導入が可能になります。
また細かいバラッドでは〇7コードを更にⅡーⅤ化して
複雑なコード進行を作りだすことが可能です。
C~B♭m7~E♭7~A♭~F#m7~B7~E~Dm7~G7~C
ソロの練習にはもってこいですね。

このチェンジは4つのサークルが存在します。
このハードな進行で自在にソロが取れるように練習すると
非常に勉強になりますのでやってみてはいかがでしょう。
では最後にその4つのサークルを書いておきます。
それぞれにドミナントモーションを入れたり、
Ⅱー7から始めたり、ⅡーⅤ化してしまいましょう。
C・A♭・E
D♭・A・F
D・A#・F#
E♭・B・G

第124回:リズムチェンジ

コード進行ネタが続いているので、
思いっきり典型的なものをご紹介。
お店のセッション、知り合いとのセッション
などなど必ず1回はやる進行、それが
リズムチェンジです。
循環モノとも呼ばれます。
最近はリズムチェンジと呼ぶ事が多いですね。
循環とは循環進行のことで、
ⅠーⅥーⅡーⅤという進行のことですが、
曲をやる際に循環といわれたら、
ⅠーⅥーⅡーⅤではなくI got Rythemのコード進行ということです。
このコード進行は本当によく使われますし、
バップ的な技術を練習するのにピッタリです。
また、この循環には沢山のバリエーションが存在します。
因みにⅢーⅥーⅡーⅤは循環のバリエーション。
ⅡーⅤーⅠーⅥは逆循環と呼ばれています。

第125回:ⅡーⅤ①

やって参りました。ⅡーⅤです。
もっともジャズらしい進行とも言えるでしょう。
ジャズを演奏出来るようになるためには
ⅡーⅤを全てのキーで自由に演奏できなければなりません。
私自身、沢山演奏しましたし、
今でも好きな進行なので
新しいアイデアなどは
ⅡーⅤ上で試すことが非常に多いです。
さて、ではⅡーⅤって一体なんなの?
というとこから始めましょう。
もっとも分かり易いのは
キーの2番目と5番目のコードってこと。
それで納得する人もいれば
「だから?」と言いたくなる人もいるでしょうが・・・。
考え方は2つあります。
①SD→D→T
上記進行はドミナント・ケイデンスと呼びますが、
それが発展したものと考える。
まずSDや→D→T(F→G→C)というのは
曲を終わらせようとする力を凄く持っています。
これがドミナント・ケイデンス。
で、このSDを代理和音Ⅱー7で弾くことにより
ROOTの流れが4度進行という更に強力な流れを持つ為。
SD代理→D→T(D-7→G7→CM7)
というコード進行がよく使われる。
②Ⅴ7上の和音を分割
Ⅴ7をルートから3度重ねしていくと・・・
Ⅴ7(G7)・・・
G,B,D、F、A、C、E・・・
どうでしょう
G7の3番目のDの音をROOTとするとD-7が出来ます。
よって、これを分割したものがD-7→G7
・・・つまりⅡーⅤだと。。。
まぁ、とにかく〇ー7から4度上に進行して
次のコードが〇7ならⅡーⅤに間違いありません。

第126回:ⅡーⅤ②

まず初歩の段階では
そのⅡーⅤが属するキーのメジャーorマイナー・スケール
で大きくとってソロを弾いてみましょう。
私のレッスンでも一番始めにやることです。
このレッスンをしていると、その人の性格が読めます^^
バックと外れているのに思いっきり伸ばしてしまう人。
外れているのに気付いて、しっかり修正する人。
音階が見えていないのに適当に弾く人。
知ってることだけを弾こうとする人。
出来ないから何も弾こうとしない人。
大汗を書きながら必死に弾こうとする人。
などなど
貴方はどのタイプでしょう?^^
上手い下手ではなくこれは性格だと思います。
それぞれ意識を向ける先は違ってくるのですが、
どんな人にも言えることは、
①自分でメロディを作る楽しみを覚えましょう。
②バックの演奏、
特にコードの移り変わりをしっかりと意識しましょう。
③自分の出す音を予想してみましょう。

歌うことを忘れたカナリア・・・・
いや上級者って結構いるものですよ。

第127回:ⅡーⅤ③

さて、次はそれぞれのコードに音階をつけましょう。
MAJOR KEY
名前を付けたところで演奏している音は変わりません。
Ⅱー7・・・Dorian
(R・♭3・5・♭7、9・11・13)
Ⅴ7・・・MixoLydian
(R・3・5・♭7、9・11・13)
MINOR KEY
Ⅴ7のみ少し変化します。(Ⅴ7の3度が半音上がります。)
Ⅱー7♭5・・・Locrian
(R・♭3・♭5・♭7、♭9・11・♭13)
Ⅴ7・・・H-P5↓
(R・3・5・♭7、♭9・11・♭13)
結論
つまりはメジャーⅡーⅤは間違いなく一発で弾け、
マイナーⅡーⅤもほぼ違いはないということ。
音階を知ることは大事ですが、
これを知ったところで弾けるようになるわけではありません。
また上記音階は最もベーシックなものであり、
実際には多種多様な音階が使用されます。

第128回:ⅡーⅤ④

そのⅡーⅤが属するキーのメジャーor
マイナー・スケールで十分に弾ける!
と思う人は次のステップに進みましょう。
ⅡーⅤーⅠを単音で表現する必要があります。
その為にまず、
コード進行を何回も何回も徹底的に弾きましょう。
その次にターゲットとなる音を1つずつ出していきましょう。
1音を狙って出すことの難しさに
最初は自分が嫌になるかも知れませんが、
コツコツと気長に出来たらいいですね。
さて、そのターゲットとなる音は下の赤字です。
Ⅱー7・・・ Dorian
(R・♭3・5・♭7、9・11・13)
Ⅴ7・・・ MixoLydian
(R・・5・♭7、9・11・13)
ⅠM7・・・ Ionian
(R・・5・7、9・11・13)
3rd音がコードを表現する上で大事な音です。
ではKey=Cで考えてみましょう。
D-7・G7・CM7
ターゲットは1拍目の頭に置きましょう。
F・B・E
という音を1小節に1音ずつ出してみて下さい。
重要なのは何度も書きますが、
最初にⅡーⅤーⅠのコード進行を何回も弾いておくことです。
すると、このたったの3音F・B・Eと弾いただけで
D-7・G7・CM7が聴こえてくるでしょう。

第129回:ⅡーⅤ⑤

さて、これだけでは
最初にコードを頭に鳴らさないと
音を表現出来ない事になってしまいます。
そこでもう少し進行感を出してあげましょう。
しかし、この段階になっても
コード進行を弾くことは忘れずに!

D-7・G7・CM7

F・B・E

F→・B→・E
この赤字の音を加えるだけで音の流れがスムーズになります。
「すべての音には行きたい方向があります」
「その行きたい音を出すか出さないかは自分次第です。」

ⅡーⅤーⅠ上で3度の音から始まり、
行きたい方向に従ったのが上記の音の流れです。
D-7上でF→CとG7上でB→Fといく。
ここまで書いてある教則本は少ないと思いますが、
(たいていは第128回ぐらいまでの内容でフレーズ練習に飛びます!)
こう書いてあったとしても
読者というのは弾いて終わってしまう方がほとんどです。
大切なのは
自分の中で応用しやすいように論理を作ること!です。

第129回で分かることは
ⅡーⅤーⅠで次のコードの3rdに行く際は
前のコードの7度の音から半音下がるのが理想ということ。
簡単に書くと下のようになります。
Ⅱー7の3度→7度→Ⅴ7の3度→7度→ⅠM7の3度

第130回:ⅡーⅤ⑥

なんだか久し振りの更新となってしまいました。
楽しみにされていた皆様お待たせしました。
さて、今ここで説明しているⅡーⅤは
あくまで音の行きたい方向に逆らわない
ということを前提に書いています。
最近はついつい面白い音へと
行きたくなってしまいますが、
まずは基本からというわけです、はい^^
第130回は5度進行(4度進行)と
ターゲット音(3度)の関係です。
前回、D-7・G7・Cという進行において、
F→C→B→F→Eという音を通ってきました。

では、更に音を囲んでみましょう。
Cメジャースケール上で3度の音の上下の音ですよ。
F・・A→C→B・・・D→F→Eという流れ
これををディレイゾ・リゾルブといいます。

次のコードの3度の音を上下から挟む感じですね。
まぁ、ここで説明を終わってしまっても良いのでしょうが、
少しサービスで。

私の中では
4度進行した場合、
次の3度の音の上下の音は
前のコードのコードトーンである。

と解釈されています。
勿論例外はありますが、上記の音を見てみましょう。
G7のB音にいく前のA・CはD-7の5thと7thです。
CのE音にいく前のD・FはG7の5thと7thです。
何か見えてくるものがあれば幸いです。
※例外は必ずありますので、
これが全てとは思わないでくださいね。

第131回:ⅡーⅤ⑦

3度の音をターゲットにして
確実に弾くことが出来たでしょうか?
次はROOTをしっかり見ておきましょう。
3度→ROOTという流れ
何度も練習してみましょう。
例によってKEY=CのⅡⅤⅠで、
F→D・・・・B→G・・・・E→C
上行?下降?・・・それは貴方が決めてください。
フレーズを考える上で基準となるのは、
それがカッコ良いか悪いかしかありません!

まぁ、あくまでインサイドの説明をしていますので
ある意味、なんとも言えない部分がありますけどね。。。
さて、では同様にディレイゾ・リゾルブもいれてみてください。
例によって上行・下降はご自身の判断で、
FDAC・・・BGFD・・・EC
そうですね、
私だったら数ある組み合わせの中でも
FからDに↑、Aに下がってディレイゾリゾルブ。
BからGに↓、さらにFに下がってディレイゾリゾルブ。
最後にEからCへ↑
が一番気持ちいいと感じます。
皆さんはいかがですか?
どことなくビバップの骨格が見えてきませんか?

第132回:ⅡーⅤ⑧

とりあえずⅡーⅤーⅠの説明は今回で最後にします。
あるフレーズを練習したとします。
キーが変わったら
フレーズの聴こえ方が変わるのは当然だと思います。
(当然音を変えたくなります)
でもキーが変わって同様のフレーズが弾けない
というのは勿体無いと思います。
手癖で覚えてしまったら
Key=Cで弾くのとKey=G♭で弾くのでは
ポジションを大幅に移動するしかありません。

また1小節以上の大きなフレーズを覚えることは
あまり重要だとは思いませんし、
私もあまり勉強した記憶がありません、
その代わりに沢山やったのは
「何度の音から何度の音へこのように飛ぶとカッコ良い」
とか
「何度から何度へのこんなリズムだと面白い」
このように、
自分が行きたいと思う方向を色々探すことこそ、
自分の喋り方を見つける道ではないでしょうか?

それが、よくあるフレーズだったりした時は
結構ショックでしたが(笑)
変更するのは凄く簡単。
ちょっとリズムを変えたり音を増やしたり削除したりすればOK。
昔、渡辺香津美さんの師、
中牟礼さんの演奏を聴いた時にビックリしたことがありました。
中牟礼さんのフレーズは
どれも結構よく似た音使いなのに、
同じフレーズが全くないんです。
微妙なノリの違い、ほんの1音の違い、
アクセントの違い・・・・
きっとフレーズで覚えていたら、
小さな音の組み合わせで
こんなにも表情豊かなラインが出てこないんだと思います。
コピーで満足するのであれば、
それでも良いと私は思っていますし、
生徒さんにも無理に勧めたりはしません。
でも、どうせやるなら自分らしさを出したいですよね。
コピーしたところで
演奏した本人以上には上手に弾けないんですからね。

常に美的センスを磨くことを忘れずに。

第133回:心を追いかける

実はバス・フェイトン・チューニング・システムを
インストールした後奇妙な現象がおきました。
音の揺れが以前より気になるようになったのは確かですが、
鳴らしていない音がなっているんです。
「えっ、それはマズイんじゃないの?」
って思うかも知れません。

でも、外れることはまずありません。
全てが倍音なんです。
エンディング等でコードをホールドして伸ばしている時に
弾いていないのに心が音を鳴らすことが多くあります。
またアドリブを取っている際にもよくあることです。

その音を追いかけましょう。
1曲演奏して何も聞こえない時もあります、
心のスランプ状態ですね。
理論的に考えながら演奏している時によく陥ります。
そんな時、私は必ずポール・デスモンドを聴きます。
心の中の美的感覚がリセットされて、
いつもの自分に戻れるような気がします。

デスモンドがメロディアスだからか、
それとも私の最初のアイドルだったからか
・・・知る由もありませんが。

第134回:演奏後の弦は?

これについては本当に意見が分かれますね。
楽器店でもそうですから困ったものです。

一体どちらがいいのか?またどれ位緩めれば良いのか?
大半の方は、自分で実際に調べていないのでは?
と思います。

と言っている私も試したことがありませんし、
証明するにはかなりの労力がかかります。
私は1週間弾かないであろうと思うギターの弦は緩めています。
他のギターは緩めていません。
なので新橋教室の貸しギターなんかはほぼ毎回、
張りが残る程度に(音程が出る程度に)緩めている感じです。

まぁ、もっとも信頼できるのは
経験を積んだビルダーの方の意見でしょうね。

第135回:ソロを書いてみよう

本当は作曲が出来ればそれでいいのですが、
まぁそんなしっかりしたものは
最初から出来ないでしょうから、
今回はソロを書いてみましょう!!
但し、むやみにソロを書いて「はい、終わり!」
では進歩がありません。
レッスンでは私がチェック出来るので良いのですが、
誰にもチェックしてもらえないとなると
自分に厳しくいかなくてはなりませんね^^
それはつまり、
基礎からじっくりやっていくことです。
①まずはコードトーンのみでソロを取ってみましょう。
私の教材の中に、
ファミレスで書き上げたソロが入っているのですが、
それは全部コードトーンを使用したものです。
でも、とってもジャズっぽいし、
何がジャズらしさを出すのかを考える為の
良い教材になったと思っています。
あまり時間の取れない人は
ⅠⅥⅡⅤで、
またブルースや短い16小節くらいの曲でもOK。
とにかく、自分が何のために練習しているか?が重要です。
②こだわりのソロを作る
「何かに執着している」
と感じるソロを作ってみてください。
音楽をどういう方向に持っていきたいか?
またそうするには
具体的にどういった方法を取れるのかが理解出来るでしょう。
③譜面上から読み取れる音で書いてみる
絶対音がある方は出来ないでしょうが、
偶然の産物を手に入れる為に
思うがままに音符を書きましょう。

どの作り方でも構いませんが、
作成後のソロの全体と細かい部分を
よく吟味して自分のフィルターに通してあげてください。

第136回:執着

第135回の②で「何かに執着している」「こだわり」
と書いたので、じゃぁそれは何か?を説明します。
公園のベンチに座っていると、
砂場で遊ぶ子供が「同じ歌を何度もうたっている」・・・
つまりは執着しているからですね。
大きな目で見ればそうですが、
実際の音楽ではこだわりは常に変化していきます。
あるリズムにこだわり、ある度数にこだわり、
あるユニットにこだわり、ある音程にこだわる。

こだわる部分なんて沢山ありますよ^^
自分が弾いたことに意味をもたせるつもりで
こだわって下さい。

例えばある小説があったとします。
①数ページにわたって主人公とまわりの事柄が書かれ、
次には全く別の事柄が書かれる。
最終的につながる。
これはよくある繋がりですね。
では、こういうのはどうでしょう。
②あるお店が舞台で
次々と来るお客の話をそれぞれ書かれている。
ソロと小説との共通項を考えた時、
何か繋がるものを見出せたらそれは音楽の練習になると思います。

第137回:こだわりの末

前回、執着することに関して書きましたが
具体的にそれでどうなるのか?
出来ること
何かに執着すると
音楽の流れがよくなります・・・・良かったですね^^
何かに執着すると
自分の持てる力を全て出さなくてもいいんです・・・楽ですよ。
何かに執着すると
自分が楽しめます・・・よく居るのは
「うまく弾こうと思ってそれで自分を苦しめている方」
何かに執着すると
バンドメンバーとコミニュケーションが取れます・・・大事大事。
何かに執着すると音楽の聞き方が変わります。
どうでしょう?
なにかにこだわって演奏をしてみたくなりませんか?

第138回:マイナーの楽曲

ジャズを始めてすぐは
メジャーの楽曲が弾き易いんですが、
しばらくするとマイナーの楽曲の方が
自分の思い通りに弾けている気がします。

原因はきっとどこかの研究者が
解明してくれると思いますが(笑)
マイナーの曲が色々な怪しい音までを
包みこむことが出来る
のだと思います。
それとブルージーな感じが出しやすい
という点でもマイナーの方が
演奏しやすいのかも知れませんね。
メジャーでブルージーに弾くと
あからさまに分かってしまいますし
それ以外の部分がカッコよく出来ないと
ブルージーさが更に浮いてしまうように
聴こえてしまいます。
勿論、それを狙っている場合は問題ないのですが・・・・
それでも自分を信じてメジャーの曲もやってみてください。
一時的(というには少し長い期間かもしれませんが)な感覚です
ので、
いずれ練習を続けていけば
メジャーでもジャズらしさを出す秘訣が
自然と身に付いていくはずです。

また、マイナーの方が緊張感のある音でも
さほど問題がない場合があります。
この辺りは演奏の構成&使い方による部分が
大きいのでクリスタルトーン並ですね。

第139回:マイナー音階の種類

トニック部分に使用されるマイナー音階って
どんなものがあるのでしょう?
メジャーは1つなのに
マイナーは3つ存在するって知ってましたか?
そんなマイナー音階をご紹介したいと思います。
ナチュラル・マイナー(Nm)
一番よく使われるもので、
自然的短音階と呼ばれています。
またメジャースケールの
第6音から始めたものですのでエオリアンと同じです。
音構成はCNm=C・D・E♭・F・G・A♭・B♭
となります。
ハーモニック・マイナー(Hm)
これはロック出身の私には非常に馴染みがありました。
なんてったって
イングウェイ・〇ムスティーンを代表に
クラシカルロックで頻繁に使いますから。
これを和声的短音階と呼びます。
音構成はCNm=C・D・E♭・F・G・A♭・B
となります。
メロディック・マイナー(Mm)
最後はコレ。旋律的短音階と呼ばれます。
これはジャズを始めてから、
こんなにも使える音階なんだ!と驚いた音階で
実によく出来ている音階です。
音構成はCNm=C・D・E♭・F・G・A・B
となります。
トニック・マイナーにはこの通り
3種類の音階を選択して弾くことが出来ます。

第140回:ハーモニック・マイナー

さぁ、〇ムスティーン講座でもいきましょうか(笑)
いえいえ、
この音階で特徴的なのは第6音と第7音の間にある短3度音程!
ここがあるからクラシカルだったり、どこか独特な音階に聴こえます
当然、この音階にもダイアトニックコードなるものが存在します
C-M7・DΦ7・E♭M7+・F-7・G7・A♭M7・B7dim
どうでしょう?見慣れないオーグメントや
マイナーメジャーセブンスなんてコードがあったり、
diminishがダイアトニックだったりします。
度数表記しておきます。
Ⅰ-M7・ⅡΦ7・♭ⅢM7+・Ⅳ-7・Ⅴ7・♭ⅥM7・Ⅶ7dim
当然、これらにも機能が付いていますが、
それは是非ご自身の耳で確かめて下さいね。
どうしても知りたい方はメールでどうぞ(無礼な方には答えません)
因みにHーp5↓
(ハーモニック・マイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウ)

というスケールはこの音階を5度から始めたよ!
と言う、名前のままの音階。
もっと良い名前なかったのかでしょうか(笑)
つまりC・D・E♭・F・G・A♭・Bを
G・A♭・B・C・D・E♭・Fとしたら
それがGhmp5↓という音階になります。

第141回:メロディック・マイナー

さて、マイナー最後はコレ。
旋律的短音階と呼ばれており、
とてもメジャーに近いマイナーとされています。
この音階はドレミファソラシドの3番目が下がっただけなので
上からドシラソファミ♭レドと下がってくると
ミ♭が出てくるまで音階に特徴がありません。

なので理論上の使い方に少し制約が付けられました。
(そんなやっかいなことしなくてもいいのにね^^)
まぁ、そういった配慮が必要なのですよ、理論には。
そこで上行する時はメロディックマイナーでも、
下行する際はドリアンを使用します。
さぁ、音階を上下してみましょう。
C・D・E♭・F・G・A・B・C↓
B♭・A・G・F・E♭・D・C

ではHmと同じようにダイアトニックコードを見てみましょう。
Ⅰ-M7・Ⅱー7・♭ⅢM7+・Ⅳ7・Ⅴ7・ⅥΦ7・ⅦΦ7
となります。これまた厄介で〇7が2つ、
更には〇Φ7が2つ・・・

機能はHm同様に調べて下され。
どうしても知りたい方はメールでどうぞ(無礼な方には答えません)
メロディックマイナーという音階は非常によく使われます。
●2番目から始まるDorian♭2
●3番目から始まるLydinan Augment
●4番目から始まるLydian♭7th
●5番目から始まるMixoLydian♭6
●6番目から始まるLocrianナチュラル9th
●7番目から始まるAltered
これらの音階は初心者には???でしょう。
中級者でLydian♭7とAlteredを知ると思います。
でも、近年のコンテンポラリーな楽曲では
この他の音階も必要なんですよ。
それはまたの機会か・・・
なければレッスンにでもいらして下さい。
(久々に営業してしまった・・・・)

第142回:デジタルパターン

おかげさまでこのワンポイントレッスンを読んで
沢山の生徒様がいらして下さり忙しくなり
こちらのワンポイントの更新もサボリ気味です。
こんなことではいけないと昨夜ふと思い更新させます。
本日のお題は少しレッスンでやっている内容を公開。
デジタルパターンです。
数字を度数だと思ってコード進行に合わせて弾いていきます。
こういったコツコツとやる練習は
一人でやるには非常にキツイのですぐ逃げたくなってしまいます。
実際、レッスンでも逃げてしまう人がいるくらいですから・・・(汗)
フレーズ練習とかコピーの方が楽しいんですけど、
頭の練習だと思ってやってもらいたいですね。
これが本当に役にたつんですから、
騙されたと思ってしばらく続けてみてください。
最初は3・1ぐらいから。
枯葉だったら・・・∥E♭C|AF|DB♭|GE♭|~
という感じで弾いていきます。
マイナーコードであれば3は自然と♭3になります。
135、37、1357
と段々と難しくしていってやってみてください。
半年続けることが出来れば、
ジャズギターの道を途中で挫折する可能性がぐんと減ります。

第143回:失敗は成功のもと

失敗は成功のもと・・・・・
よく言われる言葉ですがJAZZもそうです。
外してしまったら、その音に
説得力を持たせてあげればいいんです。

だからジャズにはミストーンはない!
と断言してしまう人もいるのだと思います。
「ここは何のスケールが使えるの?」と聞くと
「クロマチック・スケール」という人もそう。
両者とも間違いではありません。
中には無知な人はいるかもしれませんが、
多くの人はミストーンも良い音に変えられることを
理解していて言っています。
口が悪いのは間違いありませんが(笑)

ミストーンを出してしまった
(そこに気付かなければそれまでですが・・・・)

「やっちゃった~」って顔をするのは勘違い。
もっと自信を持って弾いてください。
「俺はこの音が出したいんじゃ」
・・・その気持ちはきっと伝わりますよ。・・・・・以上

・・・・と、
これで終わりでは何もワンポイントレッスンにならないので一つ。
その音がミストーンであるならば、
その音が含まれるグループ、音型、音階に行き、
戻ってこればいいんです。
失敗を成功に変えるのは自分自身の問題です。

第144回:トライアド奏法

さて、今回から私が音階をどのように見ているか?を大公開。
全部当たり前のことなんですが、私にとっては
音階とトライアド(三和音)というのは
非常に密接な繋がりを持っています。

勿論、演奏の1つのアイデアとしてですよ。
これが全てではありません。

まずはトライアドの種類をおさらいしておきます。
第48回も参照して下さい。
Major Triads・・・R、3、5(ドミソですね)
Minor Triads・・・R、♭3、5(レファラとか)
Augment Triads・・・R、3、5(ドミソ#)
Diminish Triads・・・R、♭3、♭6(レファラ♭)
Other Triads・・・sus2、sus4、sus2&4Triads

とありますが、全部を書くのは無意味というか
読んで終わりになりやすいので
ここではメジャートライアドのみを扱うことにします。
他のTriadsについても同様に考えてみて下さい。
では次項目から音階と一緒に見ていきましょう。

第145回:MajorとTriads

メジャースケールの音内容はと聞かれると
普通はR,9、3、11、5、13、7と答えます。
でも、私は第144回で書いたように
トライアドと結びつけて音を見ることがあります。
※ここではあくまでメジャートライアドのみです
他のトライアドは研究してみてはいかがでしょう?

分かり易いようにKey=Cでいきましょう。
私はまずⅠ△(C)Ⅳ△(F)Ⅴ△(G)
が自然に出てきます。
この時、Ⅰ△とⅤ△については自由に使えます。
Ⅳ△についてはKeyの11thの音が入っているので
どこかでⅣ→Ⅲの流れを作るという前提でみています。
FはCM7のアボイドですが上記のような流れを
意識的に作ることで使用しても違和感無く
suspendされた(保留された)状態として聴こえます。

それだけか?と言われたら、まだまだあります。
ここからはわざとテンションを高めます。
Ⅱ△・・・・D、F#、A
これを使うことによりリディアンのムードを出します。
シャープされた11thはリディアンの音内容です。
F#音はどこに行きたがってますか?
答えはGの音へと進行することを望む音です。
他にはⅢ△・・・・E、G#、B
Augmentの音内容です。
これについてはAugment Triadsで説明します。
とにかく、メジャースケールを弾かなければならないとき
一つの方法として頭の中にⅠ△、Ⅴ△、Ⅳ△、Ⅱ△、Ⅲ△
が思い浮かびます。(上記は協和する順になっています。)
他のトライアドでも見てみてね。

第146回:MinorとTriads

次はマイナーです。同様に音内容は
R,9、♭3、11、5、♭13、♭7です。

同じようにKey=Cで見ていきましょう。
C・D・E♭・F・G・A♭・B♭
♭Ⅲ△(E♭△)と♭Ⅶ△(B♭△)は自由に使いましょう。
ダイアトニック内でもテンションを強めているときは
♭Ⅵ△(A♭△)も使用可能ですが、
A♭音がGへ行きたがってます。

メジャーの時同様テンションを強めていきます。
Ⅴ△・・・G・B・D
これでメロディックマイナーorハーモニックマイナー的な
音が出きます、B音はCへ行きたがっています。
Ⅱ△・・・D・F#・A
全く外れている・・・でもね
これも使い方次第なんですよ。
良質なテンションが沢山乗っています。
D・・・9th、F#・・・Bluenote(と考える事がお洒落)
A・・・13th、この音についてはクリスタルトーンで
説明済み。第42、43回参照。

マイナーでは考え方によってまだ有りますが、
効果の度合いを考え
私はⅤ△とⅡ△が最も効果的だと思い採用しています。(笑)

つまり、貴方が良いと思えば
F△やB△もOKです・・・←書くか迷ったけど書いてしまった。。。
サービスということで。。。

第147回:DominantとTriads

次はドミナント・・・(ナチュラルテンション含む)です。
R・9・3・11・5・13・♭7です。
3回目ともなると分かると思いますが、
音階自体にはさほど意味はありません。

Key=Cで書くと
C・D・E・F・G・A・B♭
メジャーとよく似ていますね
Ⅰ△・・・は自由に
Ⅳ△・・・はsuspendされています。
実はナチュラルテンションなドミナントスケールには
このsuspendされた状態(保留された状態)が重要です。
それはもうひとつ♭Ⅶ△(B♭△)があるからです。
B♭・D・F・・・これもsuspendされた状態です。
少しテンションを強めるとメジャー同様に
Ⅱ△・・・D、F#、Aも可能です。
音内容はリディアン♭7thという音階です。

何度も書きますが、これは一つのアイデアです。
音階をこのように見ることによって
音階以上に重要な点がみえてきます。

第148回:Alterd DominantとTriads

ではドミナント・・・(オルタード・テンション系)です。
R・♭9・3・11・5・♭13・♭7です。
↑はHmp5↓という音階。

Key=Cでは、
C・D♭・E・F・G・A♭・B♭
Ⅰ△・・・どうぞご自由に
♭Ⅱ△(D♭△)・・・D♭・F・A♭
この♭Ⅱは重要です。Hmp5↓音階には欠かせません。
ではテンションを高めましょう。

♭Ⅵ△(A♭△)・・・A♭、C、E♭
(音内容はオルタード音階です)

Ⅵ△(A△)・・・A、C#、E
第112回参照・・・これは非常に重要です。

Ⅲ△(E△)・・・E・G#・B
これは使い方次第で可能です。
何故これが使えるのか、考えてみてください。
詳しくはメールor掲示板で質問していただければ
ヒントぐらいは出します(笑)

第149回:Augment Triad

メジャートライアドと音階の関係はどうでしたか?
重要なのはそれがどんなサウンドをもたらすのか!
またどこに進もうとしているのか?を知ることです。
自分なりに発展させたら是非、掲示板でコメント下さい。

さてAugment Triadというのは
非常に可能性を秘めた音階で
またしてもPeter Bernsteinから学びました。
たとえばG7の時にGaugmentを弾く。
すると音内容はG△・・G、B,D#
そしてAugmentの利点は長3で動かせること。
つまりG7alterdを弾かなければならない際は
G△+、B△+、D#△+
という3種類のオーグメント・トライアドが
使用することが可能になってきます。
普通のメジャートライアドだけじゃなく
色々なトライアドを考えると違ったことが出来る。
こうみるとまだまだ可能性ってありますよね。

他のコードでも、他のトライアドでも
是非トライしてください。

第150回:惜しみなく

ワンポイント・レッスンを書いていると
温かい励ましのメールを頻繁に頂き非常に嬉しいです。

ワンポイントも150回を迎え、内容的に被る部分も出てきたので
少し、私の気持ちを書かせていただきます。

私はこのワンポイント・レッスンに
私自身が時間を割いて学んだことの多くを注ぎ込んでいます。
決して出し惜しみすることなく、Webで公開出来る限りを。

あと1歩の所で止めているのは
考えることの重要性を知ってほしいから&
自分で考えずに、理解したと感じてほしくないからです。
ここに書いてある内容は読むと「そうか!」と思いますが、
実際、アイデアを自由に演奏出来るようにする為には、
私が学んだのと同等の時間がかかるでしょう。
そこがポイントなんです(笑)

私はアイデアを提供しているだけ、
例え読んでも私と同じように弾けるはずはありません。
誰一人同じ演奏にはなりませんからね。

でも、努力次第でワンポイント・レッスンは
通常の教本では得がたいものとなるでしょう。
「何が必要か・・?」
読んで終わりにせず、しっかりと自分で吟味することです。
私には美しく事でも、貴方にとって美しくない
美的感覚は意外と違うものです。
でも、ここで書いているアイデアというのは
例え語法が違っても共有出来るものだと思っております。

そして、情報を共有すること!
通常、アイデアを話し合うというのは
バンド内という小さな中ではよく行われています。
とにかくグループとしての成長が必要です。
Webに書くことで私はバンドでもなく、音楽仲間内だけでなく
日本音楽界そのものの成長を促せたらと
ちょっと大きなものを相手にしています(^^;
まだ見ぬ音楽へ、より高度な音楽へ

第151回:USTとは?

この講座も150回を越えました。
今回はUST(アッパー・ストラクチャー・トライアドについて
第144~149回までは音階から見るトライアドを説明しましたが
今回は和音からみるトライアドです。
基本的にはE/CとかA♭/Cと表記されるものですが、
和音にはトライアドの上にトライアドを積む
という方法もありますので、ここで取り上げるUSTは
EonCやA♭on CといったBass(分母側)が単音のUSTについて
ご説明していこうと思います。

まずC音の上に12のトライアドを乗せて見ましょう。
当然ながら、CというコードはC音がベースに来ているCコードなので
ConCもしくはC/Cと書くことも出来ますが
これは書く意味がほとんどありませんね。
同様にD♭/C、D/C、E♭/C・・・・と、
これらがここで言う
アッパー・ストラクチャー・トライアドという和音です。

実はギタリストというのはUSTを理解するのが非常に苦手なんです。
例えばE♭/Cは単なるCmなのですが、
パッと見てCmと理解するには少し慣れが必要です。
これがピアニストだと左手と右手が分けられているのですぐCmと書くより
E♭/Cと書く方が分かり易かったりします。
じゃぁ、ギタリストも同様に考えましょう。
1~4弦がピアニストの右手側E♭コード
5,6弦が左手側C音
と考えるとフォームが見やすいと思います。
コツはコードを弾く時にいつもルートを見ているけれど
ルートを弾かないようにすることによってUSTだけではなく
色々なコードの幅が広がっていきます。
「見てるだけ~!」とベース音はベーシストに任せましょうね。

第152回:UST使用方法

USTがどんなものか理解出来ましたでしょうか?
次はそれぞれのUSTコードがどんなサウンドか
検証する必要があります。知ってるだけじゃ弾けませんからね。
まずは12のUST和音を一つずつ表にして書いてしまいましょう。
そして、ベースであるC音から見て
USTが何度の音になるかを書きましょう。
Ex>G♭/C(♭5、♭7、♭9)
するとどうでしょう?どんなコードの時にピッタリ合うか分かるはずです。
上の例題G♭/Cは〇7alt系の和音にピッタリはまりますね。

そうしたら今度は「どう使うか?」を考えましょう。
「よし、このコードはここで使ってみよう」
などと覚えるのは賢いとは思えません。
オルタード系〇7コードを弾きたい時は
♭5上のメジャートライアドが弾ける。

という独自の解釈を自分の中に作れば、
12キー全部で覚えなくても
色々なポジションで覚えなくても
トライアドさえ見ることが出来れば弾けますよ。

他のトライアドも調べてみてはいかがでしょう。
トライアドも見えないという方!
ここではトライアドの形が指板上で見れるのを前提に書いていますが
形を覚えればUST和音の大半が弾けるようになります。
全UST和音の形を覚えることに比べたら
トライアドくらい簡単に覚えられますよ。

第153回:USTの可能性

アッパー・ストラクチャー・トライアドと呼ばれるからには
メジャートライアドだけではなく、あらゆるトライアドが使用できます。
それらを一つ一つ覚えていくことをオススメします。
トライアドについては第46~48回に基本がありますので参照して下さい。

第151回にも書いたとおりon Bassという形ではなく
トライアド/トライアドというコードも存在します。
実はここからがギターでとっても面白い世界なんです。
というのはギター1本では絶対に出せないからサウンドだからです。
例えばD△/C△・・・
6弦から8F・7F・5F・7F・7F・5F
これは一体どう押えるのでしょうね?
押えられる方が居たら教えて欲しいです。
1人で出来るコードの大半は
もう既に誰かが押えたことのあるコードでしょう。
でも、1人で出来ないギターサウンドには
まだまだ未知なる面白いカラーが存在します。

それが例え、ピアニストが簡単に押えられるものであったとしても
ギターだから出来る音空間は必ずありますから積極的に使用しましょう。
そしてオクターブ上だからこそ
ブツかっても平気な♭9や♭5という音程があると思います。
また、ミラーコードと呼ばれる人工的なサウンドも
ギター1本では限りがありますが、もしギター2本で弾いてみると
そこには不思議な世界が現れます。
そのサウンドを検証する時に重要なのは
ピッチを正確にあわせること!!

この手のギターの和音の可能性については
翌年2006年に少し本を書いてみたいと思っています。
いつ出来上がるのか?またそれが出版出来るのか?
知る由もありませんが
自分が書いてみたいと思うから書いてみるだけです。

第154回:モチベーションを保つには

今回のお題は高いモチベーションをいかに持ちつづけるか?
これは私自身大きな問題でもあります。
まず、モチベーションが高くなっている時ってどんな時でしょう?
●新しい楽器を買った。
●無茶苦茶良いミュージシャンの生演奏を見た。
●レベルが同等の、話のあう人と遊んだ。
●新しい教本を買った直後
●近々ライブや発表の場がある。
こんなところでしょうか?
私に限ってのことかも知れませんが刺激を受けて「やってやるぜぃ!」
と張り切ってしまうと翌日はもう疲れてしまっているんですよね。
まずは確実に練習出来る自分のリズムを
見つけることからスタートだと思います。
10分でも20分でも毎日続けると、
段々とその時間にギターが弾きたくなってきます。
私の場合はだいたい90分で集中力が切れるので
1日に何セットやるか?は気分次第。まぁ90分フルに演奏せず
間に別の内容(フレーズ研究とか、作曲とか)を挟みますが。。。
いかにモチベーションを高くもつか?
ようは考え方というか生き方?のような気がします。
●私は良い音楽を聴けば、 それでまた練習したくなります。
心の奥にまだ知らない音楽を演奏してみたい!
という気持ちが常にありますから、
不思議な演奏を聴くと、謎解き(分析)をしてみたくなるんです。
他の方を見ていると常に高いモチベーションを持っている人は
●楽器の演奏が何より好き・・嬉しそうに楽器弾いてる人。
この方々=モチベーションが高く、基礎練習さえも意外と好きなんですよ^^

●でも一番大きな違いは目標があるのか?という部分だと思います
目的もなく、だらだらと練習すると次第に飽きてきます。
また知っていることばかり演奏するのも結構つまらないものです。
どうせやるならもっと冒険心を持たなければ!
●あとは定期的な演奏の場(例えばセッションとか)が重要です。
セッションでは「上手だと思われたい」とか「あいつには負けたくない!」
という気持ちがどんな人でもきっと無意識下に絶対に働きますから

とても良い結果に結びつくでしょう。
そして最後に、イチローではありませんが
●自分の道具は大切にすること!
いつも弾きたくなるような状態で置いておきましょう^^

過去色々なミュージシャンと演奏してきましたが、
大抵の方は上に書いた5つの●印にあてはまります。
一見すると関係無さそうな内容もありますが、
私自身、ひとつでも欠けたら、もっとダラダラしてしまうでしょうね。
どうもやる気が出なくて・・・と言う方!
足りない部分を補えるよう気持ちを入れかえてみてはいかがでしょう?

第155回:リハモナイズ

きっと、ある程度技量を持ってから一番楽しいことって
このリハモナイズかも知れません。
新たに独自のハーモーニーを付けること!なんですが、
リハモナイズ初心者にありがちな点を幾つか挙げます

●とにかくドミナントモーションしている
やりゃ良いってものじゃない。
●機能に頼り過ぎている。
まぁ、いわゆる理論だけで考えられたコード進行。
●オンコードやアッパーストラクチャーは完全無視。
どう弾いたら良いか分からないコードだから当然使用頻度も少なくなる。
●コードを細分化するばかりで思い切った使用がない。
それはつまり音のカラー、コードに対するカラーを見ていない。

良いリハモって聴いててゾクっとするような瞬間が絶対に含まれています!
リハモナイズ後、頭は難しく考えることしか出来ないので
2,3日寝かせてから、もう一度弾いて見てください。
本当に良いリハモは、2,3日過ぎてもカッコよく感じるでしょう。

最後にリハモナイズの名手として知られる
アンディ・ラバーン(pf)の作品をご紹介致します。

まずは、そんなリハモが非常に分かり易い
ジョン・アバークロンビーとの一連のDUO作品を
このワンポイントを公開時点で購入可能なものだけご紹介します。

[amazonjs asin=”B00000ATVB” locale=”JP” title=”Nosmo King”]
■名盤
[amazonjs asin=”B000003NLN” locale=”JP” title=”Where We Were”]

■魅力的なスタンダード多
https://www.amazon.co.jp/Timeline-John-Abercrombie-Andy-LaVerne/dp/B01HEAGLQA/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=john+abercrombie+timeline&qid=1584454902&sr=8-1

そして、ジェイミーエバーソルドのマイナスワン集にも
大胆でいて美しいアンディのオリジナル集がございます。

[amazonjs asin=”B0002HLL0O” locale=”JP” title=”Andy Laverne-Secret of the Andes”]
そしてジェイミーシリーズのVol.85にはアンディ自身のリハモによる
Stella、Green Dolphin、Softlyなどが書かれています。
残念ながら現時点でamazonにありませんでした。
CD,教材紹介ページに上記作品の詳細を記してありますので
そちらも是非ご覧下さい。

第156回:演奏と記憶方法の違い

さて、今回はジャズの膨大な内容をどのように覚えていくか!
という点について書いていこうと思いますが、最初にお礼を。
150回以降のお題の幾つかはワンポイントページにあるアンケートから
「こんな内容が知りたい」とコメント頂き書いております。
温かいコメント本当にありがとうございました。
一度アンケートを記入された方でも、また何か御座いましたら
アンケート欄からご連絡下さい。超スローペースな更新ですが、
必ずお応えします。

さて、私の記憶方法はどこかで書いたと思いますが、
とにかく早く覚えて早く忘れること!早く譜面から離れること!です。
不思議ですが、一度忘れたものを再度学ぶと
結構長い間覚えているものです。
ライブで新曲をやる時なんかも最初はまだ曖昧なのですが、
3回程演奏すると「しっかり覚えているな!」と実感出来ます。
不安だからと言って、いつまでも譜面や音階帳をみていれば
結果いつまでたってもダラダラとして覚えられないでしょう。

スケールの場合
私は音内容を先に覚えました。
イオニアンなら、R・9・3・11・5~~ってね。
音階を弾けるようになる前に、
そのスケールごとの音内容の違いを全て理解しました。
たとえばイオニアンとミクソリディアンの違いは7度が♭するかどうか!
ドリアンとエオリアンは13が♭するかどうか!
その後、12キーでの音階をひたすらノートに書きました。
書き終わった後は、分からなくなったとしても頭で考えて&耳で聴いて
忘れた部分を思い出すようにしました。
例を出すとEH-m5↓はE、F、G#・・・なんだっけ?
と分からなくなってしまったとします。
そんな時はR・♭9・3・11・5・♭13・♭7という
音内容を覚えていれば導き出す事が出来ます。
そうすると、その部分だけは忘れなくなるんですよね^^
他の箇所を忘れたら、また同じようにすれば
段々と忘れる箇所が少なくなっていきます。
曲の場合
こんな教材もきっと役にたつでしょう。
[amazonjs asin=”B0088723I4″ locale=”JP” title=”Jamey Aebersold Jazz Vol. 76: How To Learn Tunes”]
スタイルや形式ごとに分けて覚えるのは
記憶する曲が増えるほど有効な気がします。
ジャズライフ氏の井上さんの講座はもっと素晴らしいですね。
まとめて本にしていただきたい気がします

他の覚え方としてバンドやマイナスワンに合わせる前に
無伴奏でメロディとコードを交互に弾き続けます。
弾かなくても頭の中でサウンドが聴こえてくるようになるまで。
この状態できちんとテンポに乗って演奏出来れば、
メロorコードどちらを忘れても思い出すことが出来ます。
第17回:自分の居場所、参考になさってください。

と、記憶に必要なのはなるべく譜面から遠ざかることが必要なのですが、
演奏するには必用なまでにしつこく弾かなければ
身に付けることが出来ません。

だから厄介。

以前、掲示板にいらした方のお話ですが
理論の話になると凄い勢いで食いついてくるけれど、
実際の演奏となると・・・弾きたがらない・・・
という人が沢山いらっしゃるようです。
弾くのはまた別の問題ですから、まぁよくある話です(苦笑)
このワンポイントを読んで下さっている皆様方には
ここで紹介されたアイデアをご自身で
今一度、吟味して頂くことを願うばかりです。

第157回:コード移動

100回を越えてからのお題は難しい内容ばかりなので
今回はコードの移動について書いてみようと思います。
コードチェンジがスムーズに行かず悩んでいる方の多くは
ただ単に「絶対練習量が少ない」ということに起因しています。

対処法として、そのコードが出てくる曲を用意すると
意外とあっさりクリアされる方がほとんどです。

では実際に私がしているアドバイスを少しご紹介します。
LEVEL①

横の移動が大きい時は指をなるべく弦から離さずに
弦を電車のレールだと思って、その上を滑らせてみて!
すると「キュ」って音がするでしょ?
その音ってよくCDで聴くよね、みんな無駄がない動きをしてるんだよ。
LEVEL②
弦移動がある場合は
まず左手で形を作って力をいれずに動かして、その形をよく覚えて。
E7(例)という洗濯バサミがあるかのように挟み直すんだよ。
左手だけで上手くいったら、実際に力をいれてみよう。
これは文章だけで説明するのは難しいなぁ。

という感じだ。
これが上級になるとどうなるか?
やることは同じなのだが、見ている場所が違う。
上級者はテンポがゆっくりであれば確実に音が出せるのだ。
あとはどのポイントから押えていくか?とか
何を見ているか?という問題。

例えばストレッチ・ポジションのCm7で。
6弦から8-×-8-7-4-×というコードに行きたい時。
薬指(6弦8f)が先に移動しなければ、スムーズに移動出来ない。
そして見ている場所は薬指と人差し指(2弦4f)の音間だったりする。
もし、このコードにベースがなく
×-×-8-7-4-8というCm7だったら。
やはりポイントは薬指(4弦8f)が先に到着すること。
そして薬指と小指(1弦8f)の音間を見ている。

何故、私がこのように見るようになったのか?
その過程は全く意識していないのだが。
もし理由があるとすれば、
①ギターパートにはトップノートを書かれることが多く
他の声部は自由に選べることが多いから。
②一人で弾く際にはトップとベースが一番重要だから。
③トップノートが何度の音か常に意識しているから。
またそれを指板上で覚えたから。

であろう。
コードの移動のコツでした。

第158回:フレーズ収集家

変なタイトルですがこれは私のアダ名である(大嘘)
フレーズって本当に面白いですよね(映画ではないフレーズだ!)

どの方のフレーズもその多くは
ビバップのフレーズへ行き着くような気がします。
その人がどうやってフレーズを自分のオリジナルに仕上げたか?
そのあたりを学ぶと自分らしさというのが出来上がってきます。

音を減らすのか増やすのか?
どの音を減らすのか?
どの音を増やすのか?
どんな音程を入れるのか?
リズムを動かすのか?
どこに行き着きたいのか?
などなど、たった1小節の基になるフレーズも
それぞれの好みを知ると自分は何が好きで、
どこに自分らしさを出したいのかが出てきますし、
インタープレイが上手になります。

時にはわざと○○風にしたり△△風にしたり、
と遊ぶことはとても勉強になります。
誰々風な演奏をすることは大切ではありません。
重要なのは、どう仕上げたか?
そのアイデアを知ること。

やり方次第で更にそのアイデアを発展させる事が出来ます。

例えばアダム・ロジャースのプレイには
メセニーの影響とその奥のビバップ
そしてクラシックからの影響が聴き取れますが、
実際は別物、アダム自身の音楽です。
1,2作目のリーダーアルバムでは
アダムがどのように発展させたか?が非常に分かり易い。
どのミュージシャンも必ずこの時期があります。
そして、既にアダムの好みというのが出ていますので
数年もすれば手が付けられない(今でもそうですが)
強烈な個性が出るのでは?と思っています。
ポイントは誰かの真似は絶対にしていない点!
必ず一味、自分らしさをいれているところにあります。
アダム・ロジャースのリーダー作
[amazonjs asin=”B000LP4NY8″ locale=”JP” title=”Time and the Infinite”]

分析とは面白いですね。
長くなるので続きは次回へ。

第159回:ピーターバーンスタイン

私もかなり好きなギタリスト・ピーターで
アイデアがどう発展されるかを検証してみましょう。

私が最初に聴いたのはJIM HALLのCDでした。
この頃の演奏は歌心一杯で今聴けば、
ピーターっぽさという部分は少ないけれど、
コレコレ!というピーターらしさが確実に入っているんですよ!
当時はグラント・グリーンからの流れと謳われいて、
実際そうなのかも知れないけれど、見え隠れするフレーズには
Augment的音遣いがあったり、無機質な4度音程があったり。
重いノリもその頃からですが、
今と変わらない「ピーターのコダワリ=らしさ」がある。
当時のインタビューで「あなたはテクニックをひけらかさない」
というような記者のコメントに対して
「フレーズには常に歌心をいれたい」と答えていましたが、
今ではこれでもか!と迫ってくるところがあります。
きっと当時はまだまだ模索中だったのでしょう。

録音で紹介すると第2作目(signs of life)までは割と模索している感じで、
和声も結構普通、オクターブ奏法で盛り上がったりと
ウェス的な部分も見れました。
[amazonjs asin=”B0041ZY812″ locale=”JP” title=”Signs Of Life”]
そして第4作目では完全に語法を確立したように聴こえます。
[amazonjs asin=”B0042NZI9O” locale=”JP” title=”Earth Tones”]

今では何を弾いてもピーターになりますね。
クロマチックとAugment音階の絶妙な歌心!
そこにトッピングされる4,5度音程の使用方法!
大きなインターバルを使用したライン
そして、それらが入ってくる絶妙なタイミングとスピード感、
バックでは4度堆積を基として心地よい刻み。
私もそんな強力な個性をなんとか持ちたいものです。
その為にも、色々と分析をして、
人真似にならない自分というものを持とうと
常に思っていることが大切に思います。

最後にピーターのDVDをご紹介。
これはサウンドも良いし、映像も綺麗。
アングルがバッチリなので両手がよく見えて良いですよ!
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第160回:一歩上へ行くために

ギター歴1年の上級者とギター歴20年の初心者
こんなお二方。実際には結構います。
(勿論プロ・レベルの話ではありません)
ギター上達という道には様々な壁があると思います。
レッスンをしていると誰もがぶつかる大きな壁
どのようにクリアさせてあげられるか?
という点がとても重要になってきました。

その壁とは「指板上の音」をどれだけ理解しているか?
(Fコードなんて壁のうちに入りません。みんな出来ますよ!)
例えば、ロック&ブルースからジャズへ転向した人でも
読譜のトレーニングをやった人とやらなかった人では
理解する早さが大きく違ってきます。
この「音を見る」ために指板上にシールを貼ってきた方もいました。
子供のピアニカのようにドとかレとか書いてあるんです。
笑い話ではなく、それぐらいやる必要はあると思います。
考えてみれば、音が分からなくても弾けるというのは
楽器の中では珍しい方なのではないでしょうか?

この音を見るという奏法(と言うほど特殊ではない)
が出来た人は更なるSTEPへ進めるのですが、
ここで十分だと思ってしまう方が多いのも事実。

それは何故か?
大半の人は知っているんです。
音が分かって弾ければもっと面白いことを。
音が分かって弾ければもっと色んなことが出来ることを。
そして・・・・・
音を分かって弾けるようになるには、
大変な練習を積まないといけないということを。

TAB譜から離れて一歩上へ行くか、
このままコピーを続けるか。
「プロになりたいから」とか「趣味だから」とか
それだけでは判断できません。
こればっかりは、その人が音楽とどう付き合っていきたいか?
だと思います。
辛く大変な練習も含めて楽しめる人は、
一歩上に上がることが出来ます。
これがギター歴1年の上級者とギター歴20年の初心者の
決定的な違いでもあります。

第161回:創作は即興の基

アドリブの勉強もして、コードの勉強もして、
理論も勉強して・・・とジャズを学ぶことは
楽しい反面、とても大変です。

ある程度学ぶと「分かっているけど弾けない」
「考えれば分かるけれど、指が動かない」

という状態になります。

演奏というのは身体で覚えなければならないからです。
どれだけ理屈では分かっていても
指はそう簡単にはついてきてくれないものです。
自分がそうなっていると感じたら、
ソロ・ギターを作ってみて下さい。
テーマのメロディ部分だけでも構いません。
短い小節数の曲を1コーラスだけでも構いません。
凝ったモノを1つ作るより、簡単なモノを3つ作りましょう。
例えば、6弦から(×-×-7-5-6-3)
こんなDm7を使いたいと思った。
これだけを押えるのは簡単だけど、
即興ではなかなか出てきません。
という悩みが、ソロギターの中で使えるよう考えることで
だんだんとDm7として繋がる
ようになってきます。
そして曲数が増えていくつれ、
通常のDm7(×57565)と同様に
パッと思いつき演奏することが可能になります。

また、こんなフレーズが弾きたい!と思った時も
まずはソロ・ギターに入れてしまいましょう。

次第にそれが即興に結びついていきます。

「即興演奏は作曲と似ている」と
喩える方がいらっしゃいます。

厳密には違う箇所の方が多いのかも知れません。
しかし、これらを「脳で閃いたアイデアを
音として出すという行為」
とすれば、
どちも同じではないでしょうか?
曲作りが即興演奏に与える影響は、
かなりのものだと思います。
自分の持つ、好みや行きたい方向が
作曲することで、よりハッキリとしてきます。
また、即興の練習だけでは得ることが出来ない、
予想も出来ない動きや流れ、静寂など、
偶然の産物がそこにあると思います。
これで私はソロの手法を沢山学びました。
[amazonjs asin=”4754933109″ locale=”JP” title=”改訂版 ジョー・パス ジャズ・ギター教本 ブルースと代理コード”]
特にジャズの醍醐味、代理コードとはなんたるかを! ブルースをCD付きで説明しながら弾いていて
基本から段々と高度に発展させていくさまが
書いてあり、かなり分かり易かったのを覚えています。
オススメです。

第162回:新曲に取り組む際に

どこかで書いたと思いますが、
私はジャズを始めた頃、
良い伴奏者になりたかった、根暗な男です(笑)
・・・・いやいや、あなたはそう思いますか?
私は伴奏者はとても素敵だと思いますよ。
ソリストを引き立てることも出来れば、
大いに邪魔することも出来ます(笑)
その為、新しい曲をまずじぃ~~~と見たあと、
一番練習するのは伴奏でした。
勿論メロも練習しますよ^^

その時の意識したことは色々ありますがこんな感じです。
まずルールはインテンポの無伴奏ということ。
①途中で止まってしまったら最初から。
②誰かがソロを取っているのをイメージする。
③ソリストをゆったりとさせるイメージで。
④ソリストをあおるイメージで(笑)
⑤1つのコードでも押え方を2種以上使う。
⑥伴奏だけでもソロとして成立させる。
⑦ポリリズムを導入させる。

和音をどう弾いたら、どう感じるか?
というのをしっかりと理解する必要があります。
また、そう思いながら音楽を聴くと
きっと新たな発見があるでしょう。

伴奏の名手はやはりジムホールが一番ですが、
一風変わった名手ビルフリゼールをご紹介しましょう。
リーダー作は独自の世界をいってますので
マーク・ジョンソンのセカンドサイト
[amazonjs asin=”B001CSQIM8″ locale=”JP” title=”Second Sight: Touchstones Series (Dig)”]
ジョンスコに絡みつく不思議なギターを聴いたら
伴奏ってこうじゃなくちゃ!と思うはず!

第163回:リズムを読む

10年程前ですが、
リズムトレーニングのレッスンを受けていた際に
「君に足りないのは、リズムを頭で理解していないことだ!」
と言われました。
当時、私は「こんな感じかな??」と
聴いたものを耳で覚えてレッスンを受けてました。
譜面?そんなもの見ても分からなかったから知りません。
とにかく、それでも叩けれ良いと思っていました。

しかしある時、私は聴き間違えてしまい
全く別物の難しいリズムを叩いていたようです。
当時の私にはそれがどんなリズムだったのかなんて知りません。
先生が言っていたのは、
「君のは2拍3連の1拍を
4分音符とした時の~音符と~音符を叩いている」
と、私は難しいリズムを叩いている自覚なんてまるでなし。
言っている意味すら分かりませんでした。

その後、最初に書いたことを言われたのですが、
これが自分にとっては目から鱗!
色んなリズムを見てすぐ弾けるようになる事は、
ソロを弾くのに理論を勉強することに
良く似ているなぁと思いました。

別に出来なくても良いけれど、
出来たら読譜は楽になるし、
ソロ&伴奏を膨らませるアイデアにもなる。
結構タメになりますよ。
タップする練習というのはリズムトレーニングの基本ですね。

第164回:初心者も即興をしている

「自分は知っているフレーズばかり弾いている。」
そう感じている方はきっと沢山いると思います。
どうやったら自由にカッコ良いフレーズを
生み出すことが出来るのか?

重要なのはどこで即興をしているかを知ることです。
私もジャズを学び初めて数ヶ月経過した生徒様へは
フレーズをどんどんソロの中に入れるようにとお話します。

まぁ生徒様の中には
コレが重要だと思われていない方もいらっしゃいます。
残念なことに約7割以上の方が!
最初はフレーズをソロに入れることにより、
フレーズ~即興~フレーズ~即興~
というラインを意識して作り出します。

と、ここまでは大半の方は出来るのですが、
フレーズを弾くのが楽しいばっかりに
即興部分がかなり適当になってしまう方orまったく進歩がない方が
結構いらっしゃいます。私の教室では8割以上の方が!
次第にフレーズを増やしていくのではありません。
次第にフレーズを減らしていきましょう。
4小節に1回フレーズを入れて、そこから先は次の4小節の頭まで
なんとかうまく繋げフレーズを弾く。
その作業をひたすら繰り返しましょう。

勿論、新しいリックはどんどん覚えるのは続けながらです!
間をあけることで、次のターゲットが出来る。
そこが非常に重要なんです。
次第にその間をどう弾くか?心に鳴るようになるでしょう。

第165回:音を掴む

ジャズの中には沢山の会話がなされています。
JAZZ研に所属している生徒様と一般の生徒様、
両者の大きく違う場所が、この部分です。
一人で練習を続けていると、
相手の音に対する反応が出来ないのはおろか、
相手の音をキャッチすることすら難しく感じられます。

ギタリスト同士であれば指を見ていれば、
「なんとなくこんな感じかな?」と弾けるけれど、
会話の相手が管楽器になると何を弾いているか分からない・・・
これでは困ってしまいます。
見えない音を少しでも取る練習をしましょう。
私は、友達とよく電話でセッションをしてました。
これが今、とても役にたっていると思います。
サックスであれ、ピアノであれ
「大体こんな感じのライン」を弾いているんだなぁと
ギターの指板上に見えるんです。
勿論、絶対音はないので正確には分かりませんが・・・
この方法は首が痛くなるので、あまりオススメは出来ませんが、
CDを聴きながら、即座に真似をする練習をしてみましょう。
コツは唄うこと!です。
すると、音型というものがサウンドと一緒に記憶できます。
簡単なものはベースのⅡーⅤのラインとか2,3音の決まった音型。
高度なものであれば、その音がコードに対する何度の音なのか?
そのカラーまで記憶されます。
「ある昔の曲を聴くと、この曲を聴いていた時の思い出が浮かぶ。」
そういった経験、きっと多くの方はお持ちだと思います。
他には「番号通知のない電話だったけど、声ですぐわかった」

このような事と同じで、絶対音は分からなくても、
集まった音同士の感覚で音型を聴き分けられるようになってきます。
コツコツ続けてみてはいかがでしょう?

第166回:徹底的に

今回はオススメの教本を書くのにUPしました。
ジェリー・バーガンジィ著でATNからでている
インサイドインプロヴィゼイションシリーズ。
私は今Vol.4をやっていますが、
とにかく徹底的に分析&研究されていて好感触。
チャプタ-ごとに分けられていて、
その1つ1つが非常に難しい。だから面白い!!

色々なサイトを見ているとなかには
練習はあまりするな!とか、スケール練習はするな!とか
書いてあるサイトもありますが・・・。
まぁ、それも音楽を楽しめるようになる為の
1つの方法かも知れませんが(汗)
どうせやるなら、あらゆる可能性を考えて徹底的にやりたいものです。

知人の師である某有名ミュージシャンは、
この教本を1日8時間練習して、今ではバリバリ演奏しているそうですよ。
既に名の知れた大御所ですが、8時間!・・・・見習わなければ!

第167回:ジャズ習得に必要なこと

2年振りの更新です。
ジャズを習得されようと頑張っている沢山の方々に出会いました。
高校生から定年後の楽しみにされている方まで、
レッスンでは、ジャズで重要な内容を中心に
どう考えて何を弾いていくかを練習していきます。

しかし、ある時点を境に、
生徒によって大きな差が出てきます。

初期の段階で必要なことは2つあります。
1つ目は、コードトーンやスケールの勉強をすること。
ジャズの勉強を野球に置き換えましょう。
試合慣ればかりして、素振りやキャッチボールが全く出来ない選手
そんな選手になりたいでしょうか?
ジャズにおけるコードトーンや、スケールの練習は
素振りやキャッチボールと同じ。
ジャズの勉強を始めて2~3年の間で
スケール練習をしていないのであれば、
考えを改めるべきでしょう。

2つ目は、TAB譜でも構わないのでフレーズを沢山練習すること
正しい音は弾けているのに、ジャズらしくならない。
弾く音はわかっているけれど、ジャズらしくならないのは
完全にフレーズ練習不足です。

ジャズを沢山聴いて、沢山考える。
そしてコピーの意味をしっかりと考える。
ジャズ習得をしたいと思っても、出来ない方もいるんです。
もっと必死になる必要があるのでは?
と自分に問いかけてみてください。

第168回:語法

語法を確立することは容易ではありません。
語法について私自身思うことを今回は書きます。

まず、あなたはギターを持っていない時、
どのように会話をしますか?

最終的に即興演奏は、自身の会話と同じスタイルとなる。
と私は考えています。
勿論、”最終的に”ですから、
そこに辿りつくためには、
過去の伝統を学び、師から指導を受け、
そして、その影響を自身の中で発展させて
初めて成し遂げられることです。

会話の中で、あなたがよく考えずに、
適当になんでも相槌を打ってしまう人であれば、
あなたの演奏は、ちょっとぐらい分からなくても
弾き続けてしまうタイプになることでしょう。
よく喋る人は、音数も多いでしょうし、
優しい方は、優しいメロディを感じられることでしょう。
練習してもジャズになっていない人からは
ジャズを聴く量が絶対的に足りませんし、そう聴こえます。
やっつけで弾いていたら、そう聴こえるから怖いものです

私自身のことを書くとすれば、
昔はあまり喋る方ではありませんでした。
レッスンをするようになり、ぺらぺらと喋るようになりました(笑)
それに伴って、不思議と演奏スタイルも音数が多くなりました。

でも、本当の所は
「師の影響から抜け出せない時期」だったのでしょう。
よく考えると、今も昔もよく喋ります(苦笑)

自分を殺しても、師のスタイルを追いかけていました。
そうしたかったし、それでも良いと思っていました。
でも、それは間違いなのです。
そうすることよりも、過去自分が学んだ全ての音楽
ポップス、ロック、ハードロック、ファンク、ブルース、
自分がそれを好きだったということを、
その感覚を素直に受け止めることの方が重要なのです。

自分にとって、それらの何が好きだったのか、
それが自分の語法を見つけていくきっかけになります。

だから、なるべく誠実に生きていきたいと思いますし、
意味のない嘘で自分を固めたりしたくはないのです。
参考になるかどうか分かりませんが、
これが私の語法についての捉え方です。

第169回:ヘクサトニック

この言葉を初めて聞いたの専門学校に居た頃でした。
当時は全く意味が分からないことでしたが、
最近知った話では、ヘクサトニックという6音階は
トライアドを2つ重ねたものだそうです。

ある意味衝撃的だったのは、
私自身、今までチャレンジしてきたトライアドによる手法は
複合的ヘクサトニックスケールと言えることです。
2年以上前に書いたトライアド手法。
第144~148回を参照して下さい。

トライアドによる手法を基本に考えると
このようにアプローチが可能です。
例えば、メジャーコード上では、
I△、II△、III△、V△、
IIIm△、VIm△、VIIm△
時としてIII△+、VII△なども使用します。
これら全てを即興で演奏していきます。
Lydianなら、I△+II△とか、V△+VIIm△とか
オーグメントにはII△+III△とかV△+III△+とか。

これは伴奏を行うときにも役にたちますよ。

第170回:テトラスケール

テトラとはギリシャ語で4を意味します。
4音の音階、これはまだまだ理論としては成り立っていません。
コードトーンというのは4音です。
つまりはコードトーンと同じような
4音のグループを作って形作っていきます。

「ドミソシ」でもテトラですし、「ドレミファ」でもテトラ
そこが、この音階の難しいところです。
そこで、私は根底にあるトライアドアプローチに
1音を加えて考えることでテトラを形成しています。

例えば、CAug+b9というテトラ。
C+Db+E+G#という4音の組み合わせ。
これをC7(b9)やDbm7、ブルーノートを含んだAM7などに使用。
テトラはまだまだ存在します。研究してみてはいかがでしょう?

第171回:違いの分かる大人になろう

ジャズ・リスナーならいい!
でもプレイヤーなら違いを答えられるようになりましょう!!

と、いきなり赤文字で書いてしまいましたが、
あるプレイヤーとあるプレイヤーが似てる・・・
そんなことばかりを言う人がいます。
リスナーなら、それは別に問題ないと思いますが、
プレイヤーから言えば、
「似てるから何なの?」と思ってしまいます。

ジャズは聴覚上の芸術なんですから、
プレイヤーは昔のミュージシャンの演奏手法に
敬意を払いつつ発展させています。

だから似ているのは当たり前というか、
似ていなければおかしい話ですし、
似ている箇所を見つけるのは意味のないことです。

「このプレイヤーは、あのプレイヤーの演奏を、
こんな風に解釈して、演奏している!!」

プレイヤーなら、そう答えるべきだと思いますし、
あるプレイヤーが発展させた手法を知り、
そしてまた自分も発展させていくことが
私達、ジャズを演奏するプレイヤーではないでしょうか。

第172回:Harmonic Clice

先日、とある方から質問を受けた内容です。
ハーモニック・クリシェとは
2つの声部が同時に動くことを意味します。
エド・ビッカートやジムホールがよく行う伴奏手法の1つです。
私は伴奏する時、特に意識していませんでしたが、
このHarmonic Cliceがとても多いことに自分でビックリしました。

1)それぞれが同じ方向に動いていく
Dm7→6弦から××325×
G7→→6弦から××314×
CM7→6弦から××203×

2)反行していく
Dm7→6弦から××758×
G7→→6弦から××668×
CM7→6弦から××578×

ツーファイブワンの進行で色々試してみると
少ない動きでコード感を感じられます。

第173回:コードの鍵は3と7

ギター上のコードは本当に沢山あります。
ジャズコードをじ~~~っと見てみると、
多くのコードは低音弦に3度と7度を作っています。
(勿論、例外はあります)

3度と7度の形はギター上で3つしか存在しません。
パワーコードの形(完全5度インターバル)
これをAと呼びましょう。

斜めになる形(増4度インターバル)
これをBと呼びましょう。

同じフレットになる形(完全4度インターバル)
これをCと呼びましょう。

メジャー7コードは
3度が下になっていればA、7度が下になっていればC
7thコードは
3度が下でも、7度が下でもB
マイナー7thコードは
3度が下になっていればA、7度が下になっていればC

言葉で説明するのは非常に難しいですが・・・・
何度も何度も読み返して、
これを3、4弦だけでなく4、5弦でトライしてみてください。
この3と7の上に音を足して、
ジャズコードの多くは作られています。

第174回:装飾音符

第83回、84回で、
音を繋げたり、囲んだりすることを書きました。
装飾はある1音を飾るために上下からのアプローチ音に始まり、
囲むアプローチになり、大きくクロマチックで繋げるアプローチまで
瞬く間に発展し続けました。
この装飾するアプローチは更に発展を続け、
現在では、半音というインターバルに限らない、
いくつかの音のグループを使用して装飾するアプローチに至ります。
装飾するターゲットも1音ではなく、
音のグループがある特定のグループを装飾することもあります。

どの音がどの音を装飾しているのか?
そんな視点で、色々な譜面を見ていくと
新たなアプローチが見えてくるでしょう。

第175回:ANALYSE

アナライズ、クラシック風に言ったらアナリーゼ、
これは分析をすること!です。

ジャズでは、多くの知識が必要となるのですが、
最も重要なことはそれを自分で分析することです。
レッスンでも最初の1年間は
私の分析例を徹底的に学んで頂いてます。
その後、1人で分析できるようにしていきます。
レッスンでも、教材でも、この講座でも
分析をとても大切にしています。

分析をすれば、アイデアの歴史を知ることが出来ます。
無から生まれる一瞬の閃きばかり待っていては即興は出来ません。

分析をするに順序は下記の通りです。
1)どの音が面白いのか?
2)その音を使用したらどうなるのか?
3)その音を使用するためにはどう考えればいいのか?
4)それを日本語で覚えましょう。

下記、170以上のコンテンツのほとんどは、
自分で色々なソロを勉強し、分析した結果です。
勿論、人から聞いたもの、本で読んだものなどもあります。
しかし、他から得た情報も自分自身で試行錯誤して、
自分の中に取り込んでいます。
と言うのも、本を読んだり、人から聞いたりと、
楽に手に入れてしまったものは、
えてして簡単に忘れるものなのです。

そのことに私が気付いたのは、指導を始めて数年経った頃です。
こんなに重要なアイデアなのに、何故もっと練習しないの?
そう思うことが多々ありました。
何故生徒が練習しないか分かりますか?

私自身は、自分で苦労してソロを分析して、
必死で考えて1つのアイデアに行き着きました。
だから、その重要性も知っていますし、
ジャズの歴史上、このフレーズがどう発展してきて
このアイデアに行き着くのかを知っています。

でも、口頭で聞いただけでは、その重要性に気付かないのです。
だから、忘れてしまう。

時代もあるでしょう。
生徒の中にも、コンテンポラリーが好きで、
昔の演奏はあまり聴いたことがない方が増えてきています。
もう1歩上に行こうと思ったときは、
必ず音の歴史を分析しましょう。

先日、聞いた将棋の世界の話ですが。
「当時としては、物凄いことをやっていたけれど、
今、勝負をしたら、相手にならないでしょう。」
細かい言葉は違うと思いますが、
現在の名人が、昔の名人について語った言葉だそうです。
将棋の技術が日々進歩していることが分かります。
そして音楽もまた、例外ではありません。
学ぶことが膨大な量になっています。

だからと言って、
目先のやりたいことばかりをやっていては、
今後の発展へと結びつくことはありません。
そんな時こそ、このワンポイントレッスンで、
分析の重要性に気付いて頂きたいと思います。

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