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コードトーン装飾チャレンジ

 2023年9月1日から30日間に渡ってX(旧Twitter)「同じ高さのド・ミ・ソの音をどれだけ装飾できるか?」にチャレンジした投稿をまとめたものです。

目次

Bebopのテーマは何故ソロっぽいのか?

やまだ

「コードトーン装飾チャレンジ」のきっかけは、「ビバップのテーマのメロディはどうしてあんなにソロっぽいのか?」と考察したことからです。初めてチャーリー・パーカーの曲を弾こうとした時、「これソロじゃないの?」と思った経験は多いのではないでしょうか?

  • Ornithology・・・無理っす。
  • Donna Lee?・・・いや無理だって!
  • Confirmation?・・・無理に決まってる!  なんて難しい曲を作ってんだよ!
  • Billies Bounce?・・・12小節だけなら頑張れるか?俺。
やまだ

なんて、思っていました。数年が経過し、自分がそこそこジャズを演奏をするようになって、今はこうなりました。

  • かっこいいコードを覚えたら→曲を作ります。
  • 素敵なメロディが閃いたら→曲を作ります。
  • かっこいいリズムを思い付いたら→曲を作ります。
  • 曲じゃなくエチュードだったとしても構わないので、記録として残します。
やまだ

曲にしたり、閃いたアイディアの前後関係を作ることで、自分の演奏に取り込むことが出来ます。

参考までに「Donna Lee」はこんな曲です。

https://youtu.be/02apSoxB7B4?si=1bcUPp7qaOyd87gq

【スウィングからビバップへ】

スウィング時代のミュージシャンが、メロディを軸としたアドリブに飽きて、コードを軸としたアドリブ技法の模索を始めたビバップ時代。 自分がもし、その時代に生きていたとして「わぉ!今日閃いたコード装飾フレーズは最高にクールだぜ!」と、フレーズを思い付いたらやることは同じ。アイディアが閃いたら曲を作ると思います。その理由は前述の通り、

◆そのフレーズを自分の演奏に取り込むため ◆フレーズの前後関係をスムーズにするため ◆記録として残すため

現代と違い情報の伝達速度が早くなかった時代ですからね、バードやディジーに「そのコード装飾フレーズは俺が以前見つけていたものだ!」と言われないようにするためかも知れません(笑) Donna Leeはパーカーの曲?マイルスの曲?確かにパーカーのアルバムに収録。マイルスも一緒に吹いています。マイルスのが長生きしたから「あれは俺だ!」と語った?パーカーとマイルスのラインを分析しまくってマイルス的な特徴が見えるのか?いや逆にパーカーだったら、もっとリズミックだったり、装飾的な音が入るはず?本当のところは分かりません。記録として曲にしてもパーカー先輩に取られてしまうのか!(苦笑) でも、間違いなく言えることは

「ビバップ曲はコード装飾を試行錯誤した結果だった」ということ。

これがみんな大好きビバップ・ジャズなのであります。

やまだ

こちらはマイナーコード編

【Day 1】ダブル・クロマチック・アプローチ

昨日の投稿で「ビバップはコードを軸としたアドリブです」と書きましたが、ビバップが生まれた時代にタイムスリップしてみて、自分がドミソの音をどこまで装飾できるのか?チャレンジしてみるのも良いと思います。たとえば、パーカー先生のブルースではお馴染みのダブル・クロマチック・アプローチ!

強拍(1、3拍)へ向かうために弱拍(2、4拍)から狙っているのがポイント。

これが裏返ると・・・・とても気持ちが悪いのです

【Day 2】挟み込みのルール

昨日の装飾と同じリズムを使用していますが、今回はターゲット音の『挟み込み』です。挟み込むイメージはギターより鍵盤の方が分かり易い。ターゲット音の左右の音(鍵盤上)で挟むのです。

挟み込みのルールは? 「上方にスケール音」「下方は半音」この2つ。

今回はドミソ装飾チャレンジなので、 E音(3rd)であれば、F音とD#音で挟み込み。 G音(5th)であれば、A音とF#音で挟み込み。 では、C音(Root)であれば、どのように挟み込むか? 簡単ですね!!

【Day 3】裏拍のコードトーンで終止

前日の問題→C音(Root)の挟み込み方法は?答えはD音とB音です。 本日のドミソ装飾は3度音へ半音上から連続アプローチ。フレーズを終える時は拍の頭で終わっても構いませんが、いつもレッスンでお話ししているのは裏拍で終止させること。

裏拍のコードトーンでフレーズを終えるのがオススメ

【Day 4】リズムにしっかり乗る

今日はE音(3度)からG音(5th)を連結しました。ポイントは、 1)E音→F音→F#音→G音の間にRoot音を挟む 2)裏拍の多用

シンプルな音使いでもリズムにしっかり乗っていれば、ヨレヨレのオルタード・スケールよりもかっこいいと思います。

是非G音→E音へ戻る練習もしてみましょう。

【Day 5】ニュアンスをマスターせよ!

今日はRoot音の装飾を実際にやってみました。 ポイント1)挟み込む時は上方はスケール音、下方は半音でしたね! ポイント2)拍の裏からレガート(ハンマリング・プリング・スライド)。 ポイント1は、Day.2で説明済みの挟み込み技法。ポイント2は絶対ではないんだけど、裏からのレガートが比較的多い。

ニュアンスさえマスターすればメジャースケールだけでもジャズに聴こえます。

タモリのエセ外国語みたいにね!アドリブを聴くと、その人がジャズを聴いているかどうか?がすぐにバレるポイントでもあります。結構怖い。

【Day 6】コードトーンを弾くだけではビバップ・ジャズにはならない!

今日は昨日取り上げたRoot装飾+4日目に取り上げたE音(3rd)からG音(5th)までをクロマチックで連結してみました。 コードトーンが大事だからと言って、ただコードトーンを弾いているだけの方は多いのですが、それではビバップ・ジャズにはなりません。コードトーンを滑らからに連結させる歌がジャズらしい。だからコードトーン”装飾”チャレンジです! フレーズ1小節目の3、4拍目(タタンタというリズム)がビバップ的な躍動感を生み出しています。パーカー先生はこういうリズムによる緩急が抜群に上手いのです!今回も裏拍C音で終止しています。

コードトーンを弾くだけではビバップ・ジャズにはならない!

【Day 7】3連符の使用

装飾チャレンジも1週間が経ちました。コツコツやるのは得意な方です^^今日のポイントは、3連符の使用。1、2拍目の「3連符+8分」で3拍目のC音(Root)を挟み込んでいます。4日目にご紹介したような「裏拍の使用」はリズミックでかっこいいですよね。

「3連符の使用」はスピード感が出ます。

ビバップ語法は緩急を意識してフレージングするのが大事一昨日ご紹介した「タモリのエセ外国語」も、そのような抑揚を意識して聞いてみると特徴の捉え方が抜群に上手い。 「かっこいいフレーズを弾いているけど休符がないような演奏」とか、「素敵な和音を弾いているのに緩急のないだらだらした演奏」とか。単調なときに「つまらないな」と感じてしまいます。自戒の念を込めて

【Day 8】フレーズはイメージで弾こう!!

G音(5th)からE音(3rd)へ。6日に行ったE音(3rd)からG音(5th)への上行を逆に下行してみました。ここでも気にするのは、1拍目の頭と3拍目の頭にコードトーンが配置できているか?ということ。 そのままG→G♭→F→Eと進むと、コードトーンの3rd(E音)が2拍目の裏にコードトーンが配置されてしまいます。ここでフレーズを終えるのであればOK! でも、まだフレージングを続けたい時は3拍目の頭に配置したい。なので、一旦D#音に降りてからE音に向かうことにしました。

ビバップ語法の仕組みとしてはこのようになっていますが、演奏中はイメージで歌って弾いています。そう、皆さんが日本語の文法なんて気にせず、知っている単語を連結して話しているように。同じフレーズの反復練習によって「指板上をこう動けば、おそらくこんなサウンドが出る」というのが分かっているからイメージで弾いています。 Aマイナーペンタの第2ポジション(6弦から5f-8f、5-7、5-7、5-7、5-8、5-8)で、アドリブ経験がそこそこある方であれば、ブルース・フレーズを聴いた時に「たぶん、こんな感じかな?」ってイメージして似たようなフレーズを模倣できる人が多いんじゃないかな?ジャズだって同じ感覚です。 話が逸れました。最後は4拍目の裏にC音(Root)を配置して終止させています。

フレーズはイメージで弾こう!

【Day 9】6度音程は歌いやすい

これまでの装飾は隣り合ったコードトーン(CからE)とか、(EからG)とかが多かったので、今回はC音(Root)からG音(5th)を狙ってみました。G音(5th)をA音とF#音で挟み込み。すると6度音程をジャンプすることになります(C音からA音)6度は3度の転回形のため歌心が作りやすい音程です。

  1. ドからミは3度(CDE)
  2. 3度はコードを構成する音程なので歌いやすい。
  3. 「ドからミ」を転回すると「ミからド」
  4. ミから数えると →ミ(1度)ファ(2度)ソ(3度)ラ(4度)シ(5度)ド(6度)

個人的に6度を覚えるのがめっちゃしんどかったです。私は書き魔だったのでコードトーンはひたすら書いて覚えたのですが、最後まで6度音がすっと答えられなかった。なので「ドラファレシソミ」という6度音程飛ばしの呪文を覚えました。職業音楽家として冒険するためには必須の呪文の1つなのでよく覚えておきましょう笑。 必須スキルとしては、

  • Level.1 調号付加順序シャープ=ファドソレラミシ
  • Level.2 調号付加順序フラット=シミラレソドファ
  • Cicle of 3rd(コードトーン)=ドミソシレフラ
  • Level.4 Diatonic Scale=イドフリミロ
  • Level.5(今回の6度音程) Cicle of 6th=ドラファレシソミ

Level.? 『トサトサ ドトド』とか『中上下な中上下』とか、覚えるために様々なスキルを生み出してきました。

7度を下げるとCircle of 6h

因みにC Major Diatonic ChordをCicle of 6th(ドラファレシソミ)の順で配置すると、 CM7→Am7→FM7→Dm7→Bm7b5→G7→Em7 となりますが、これはコードトーンの7度音を1音下げていくとこのようになります。 CM7(ドミソシ)のシを1音下げるとドミソラ(Am7) Am7(ラドミソ)のソを1音下げるとラドミファ(FM7) FM7(ファラドミ)のミを1音下げるとファラドレ(Dm7)

Rootを1音上げるとCircle of 3rd

同じようにコードトーンであるドミソシレファラ(Cicle of 3rd)はRootを1音上げてみましょう。 CM7(ドミソシ)のドを1音下げるとレミソシ(Em7) Em7(ミソシレ)のミを1音下げるとファソシレ(G7) G7(ソシレファ)のソを1音下げるとラシレソ(Bm7b5) ・ ・ ・ つまりこれは、先ほどのC Major Diatonic ChordのCicle of 6th(CM7→Am7→FM7→Dm7→Bm7b5→G7→Em7)を逆行することになります。CM7←Am7←FM7←Dm7←Bm7b5←G7←Em7←CM7

話が脱線しまくって趣旨が分からなくなってきたので、今日はここまで。つまり6度音程は歌いやすい!

【Day 10】Root音を軸にした動き

F → C→F# → G(5th)

4日目でも取り上げましたが、E♭音(♭3rd)からG音(5th)のクロマチック間にC音(Root)を置く動きは、昔パーカー先生から学んだ動き。リズムが効いてますね。「Relaxing at camarillo」でも、Root音を軸にしてもう1音を動かすような動きが登場します。

【Day 11】アンティシペーションを取り入れる

3拍目のG音に向かうアプローチから後半2拍はG音(5th)からC音(Root)を挟み込んだだけですが、GBDとG7コードの構成音を経過しているためG7を想定したリハーモナイゼーション(別のコードへ変換したり、加えたりすること)と捉えることも可能です。4拍目の裏は、次の小節の1拍目に置かれるべきターゲットC音(Root)を先取りしました。

先取り=アンティシペーションと言います。

【Day 12】1、3拍にコードトーンを配置しない

コード感を表現するための重要なポイントである1拍、3拍にコードトーンを配置していません

配置はしていませんが、「ドミソ」それぞれの音に同じ「挟み込みのアプローチ」を施しています。最後はやはり拍の裏のコードトーンで終止!12日も続けると大事なキーワードが繰り返し登場するので、フレージングのポイントが掴めてきますね!ここでもターゲットの上方はスケール音、下方は半音です。

【Day 13】9th解決

9th着地

今日は、 1)G音(5th)→E音(3rd)は半音階 。2)E音(3rd)→C音(Root)へ挟み込み&先取り(4拍裏)。 3)最後はコードトーンからD音(9th)着地。終止がコードトーンではありません。ビバップ時代のミュージシャンが試行錯誤していた時期は、理論先行ではありません。装飾のルールは自分で作っていきます。9thで終わるのもなかなかお洒落ですが、「いつでも使用できるか?」と言うと、そうではなくてセンス次第。パーカー先生は「9th」をターゲットとして、アプローチ・ノートを加える時もあるんですよ。かっこよければOKですが、私はそれがかっこよく響く理由を突き止めたいのです。

【Day 14】音を飲むニュアンス

昨日の9th着地のバリエーションです。 1小節目でG音(5th)→3拍目のE音(3rd)へクロマチックで連結させています。3拍目にコードトーンを置くためにC音(Root)を2拍目の裏へ置いていますが、このような音を「音飲み」と呼んでいます。この飲ませたニュアンスがあると一気にジャズ・テイスト溢れる演奏になるのですが、 他ジャンルをメインに演奏していて「ジャズの音使い」を学んだだけではこのニュアンスが出ないのです。リスニングと模倣が大切な理由です。

【Day 15】リハーモナイゼーション

今日は3拍目にF音(11th)を配置することでCに対するDominantであるG7を表現させています。このようなリハーモナイゼーションと2小節目冒頭の6度音程のジャンプ。そしてリズミックにG音(5th)の挟み込み。14日間のコード装飾アイディアの複合技です。 そろそろ、Cコードを転回形にしたいところですが、もう少しトライします!

【Day 16】小節間隔をつかもう!

これはパーカーの某楽曲(https://youtu.be/HSeiIvBdAis?si=J2He4xOOSC5DVRNO…)風の動き(音程は違います)この楽曲のタイトル名は料理名なんですって。初めて知りました。「1小節目は2小節目の1拍目のE音(3rd)へ向かう動き」と捉えることもできますが、気持ち的には2小節目の3拍目のC音(Root)をターゲットにした大きなアプローチをしている感覚です。 こうやって毎日毎日ターゲットを狙う練習すると「小節間隔」が掴めるようになっていきます。中級者以上でレッスンに来る方の多くはこの小節感覚が甘いので、音がはみ出てしまったり、音が足りなかったりしてしまいます。 小節感覚が掴めるようになると、演奏中に「このまま進むとターゲット音がずれるだろう」と直前に感覚で掴めるようになって、回避することができるようになります。

小節間隔を掴もう!

【Day 17】ビバップに必要なスピード感

3拍目のG音(5th)への装飾を3連符入りでアプローチ。スピード感が生まれてビバップ的ですよね。ここでも4拍目裏のコードトーンE音(3rd)で終止させています。3拍目裏のC音(Root)はもう少し飲ませて弾いても良かったかも。

【Day 18】こんな装飾もできます♫

G音(5th)へ徐々に近付くようにアプローチをさせています。ポスト・ビバップ期によく使用されたような印象がありますが、個人的にとても好きな装飾。2小節目の1、2拍目はドミナントであるG7が想定できます。そして3拍目でCコードへ解決されますが、そこはE音(3rd)を先取って、裏拍コードトーン終止!

【Day 19】失敗から学ぶ

「裏拍コードトーンでの終止」は何度も書いてきましたが、今回は3連符の最後の音をコードトーンにしてみました。 1小節目1、2拍目は、3拍目のG音(5th)に対する装飾。そこから2小節目の頭のE音(3rd)へアプローチ後に、2小節目の3拍目に置く予定のC音(Root)を装飾。ここで3連符の登場です!C音を先取って終止させました。 ドミソの位置を転回すれば、可能性が一気に広がるのですが、あえて同じ位置の「ドミソ」に限定して試行錯誤することで、これまで弾いたことがないような装飾方法を見つけられるかと思います。大事なことは・・・

失敗から学ぶ

ということ。自分で試行錯誤したものが「かっこ悪い」と思うなら、「この動きは良くない」ことを学んだことになります(進歩)自分を褒めてあげてください。そして「その動きが良くない」と感じた=「自身の演奏をジャッジできた」ということです(進歩)もっと褒めてあげてください(笑) 上達の早い人に共通するポイントです。

【Day 20】フレーズを弾くこと&覚えることが目的ではない

今日も3連符の3つ目でコードトーン終止。ついでに、1小節目のE音(3rd)からG音(5th)の箇所にも3連符を導入し、バップ・テイストを加味しています。 コードトーンの装飾チャレンジを始めてから「私に足りないのはコレです!」と生徒さん達からよく言われます。チャレンジ初期にも書きましたが、ペンタトニックで鼻歌で歌うように、「装飾のサウンドがイメージできること」がコードトーン装飾の最終目標ということを忘れてはいけません。

フレーズを弾くこと、覚えることが目的ではありません。

即興演奏では過去に学んだものが、心のどこかで紐付けられて自分でも驚くような音が閃くことがあります。すべてを閃きだけで演奏できたら最高なんですけどね!実際には「音の動きとサウンドがリンクした小さな単語」をイメージで連結しています。これがコードトーン装飾だとバップの語法になります。 喋り方に癖があるように、バップ語法にも癖があり、それが演奏スタイルとなります。だから可能性を探って現時点での「自分の好み」を探すのが大事です。

【Day 21】ドレミソ型

私の教則本にも書きましたが1235型。これはドレミソに聴こえる音のグループ(Root+2nd+3rd+5th)です。これを、3→5→2→Rと弾くのは個人的に好きな動きです。 今回はそのR235型を1小節目の3、4拍目に配置し、最後のRootを次の小節の1拍目頭に配置するために、B音(7th)に変化させて、挟み込むイメージにしています。

【Day 22】短3度間の連結

今日はE音(3rd)からG音(5th)までを全て3連符で連結。ピアニストを採譜している時によく耳にする印象があります。さらに辿り着いたE音から、次の小節1拍目のC音(Root)を挟み込みに向かうので1小節目はすべてアプローチ! 短3度音程間だったらどこでも使用可能なので ◯M7では、3rdー5th間。 ◯m7ではRootー♭3rd間、5thー♭7th間。◯m7♭5ではRootー♭3rd間と♭3rdー♭5th間。 ◯7では、3rdー5th、5thー♭7th間 を連結させてみると良いかも!

【Day 23】Tonic Diminish

  • 1小節目1、2拍目→E音(3rd)へ向かう動き
  • 1小節目3、4拍目→スケール
  • 2小節目1、2拍目→スケール
  • 2小節目3、4拍目→Cdim

2小節目4拍目裏→G音(5th)の先取り&裏拍終止 今日は、F#音(♯11th)を3拍目に大胆に使用してみました。一瞬だけCdimを挟み込んだTonic Diminishと捉えることも可能。レッスンではAuxiliary Diminish(補助的な使用方法)として解説しています。 ビバップ語法では、コードの装飾の他にもコードを想定して置き換えてしまうこと(リハーモナイゼーション)が多々あります。でも、最近はコードを置き換えるより、別のコードを乗せる方が好きです。

【Day 24】ポジションが違えばアプローチが変わる

今回はドミソの位置は同じですが、4弦7FのA音から5FのG音(5th)を装飾するように作ってみました。ポジションが変わると、これまで指使いが困難であった装飾方法がスムーズに出来たり、その逆もあります。

「ポジションの選定がその人のスタイルを作る」

とよくお伝えしています。同じ音が指板上に複数存在するギターならではですね。マンネリ化している方には、新たな視点を与えてあげるようにレッスンしています。 1小節目の3拍目裏、4拍目裏はゴースト・ノートで音を飲ませています。動画の右手を確認してみてください。ピッキング不要ですが、この音が無いとジャズらしくなりません。

【Day 25】クレオパトラ風

今回はバド・パウエルの名曲風の装飾をE音(3rd)に施しました。1小節すべてが2小節目への装飾となっています。パウエルの楽曲情報を調べてみると「日本でだけ人気の曲」とのことです。本当かどうかは分かりませんが、私も自分から「やりたい!」とは言わない楽曲です。

【Day 26】3連符+9th終止の複合技

今回は2拍目の裏からリズミックにE音(3rd)へアプローチ。リズムが歌っているとかっこ良くなりますね。 2小節目の最後は3連符と9thを終止を組み合わせています。伴奏がなっていないから良いけど、G7からCM7の9th解決と言われてもイメージ出来るフレージングになってしまいました。 7thコード上でE音(13th)→E♭音(♭13th)→D音(5thだけど、解決先の9th)と動く解決ラインはよく耳にするフレージングです。

【Day 27】ストーリーテリング

  • 1小節目1、2拍→3拍目のG音(5th)への装飾
  • 2小節目1、2拍→3拍目のC音(Root)への装飾

 今回はストーリーテリング(物語性)を施しました。1小節目と2小節目が会話のようになっています。 フレーズばかりを考えていると音楽の全体像を見失います。【木を見て森を見ず】になってしまう人はとても多いのですが、【木を育てなければ森が育たない】のも事実。だからフレーズを学ぶことは大事。どんな音使いなのか?どんなリズムなのか?どんなニュアンスなのか?よく考えます。でも、フレーズに依存していてはいけません。 ◆練習は木を育てること「フレーズの模倣→解体→再構築」 ◆実践ではフレーズのことは忘れて、森を見ること。

「音楽の流れに身を委ねましょう」

【Day 28】ジャズの伝統

コード装飾で重要な要素はこれまでの投稿で解説済み。同じ高さのドミソだけでも、装飾とリズムのバリエーションで幅広いフレーズに展開することが出来ます。ここまで徹底的にやって、イメージできるようになれば、それはもうフレーズとは言いません!フレーズの先にある自由へ到達できます。それが「ビバップ語法」であり、コンテンポラリー系のミュージシャンのプレイの中に残るビバップの流れが聴こえてきます。

 おそらくパット・メセニーの語る保守的な思想→「ビバップの流れを汲んでいるか?を重視している」って、そこにあると思うんです。 私も新しい音楽は好きだけど、そこにビバップの流れがあるかはかなり重視しています。「ジャズの伝統」という樹形図の末端に居たいし、生徒には伝統を伝えていきたい。 ということでコード装飾28日続けましたが、きりの良い30日までは続けたいと思います

【Day 29】シーケンスの使用

同型が連続されたフレーズ(シーケンス)もまた、ビバップの演奏からはよく聴くことができます。言語でも「韻を踏む」ってことがあるでしょ?音のストーリーにも、韻を踏むことでリズミックになったり、強調されて聴く側の心に残ったりするものです。 私が聴いた中で、過去一番長い同型フレーズは(同音だけど)ピアニストのミシェル・ペトルチアーニ。旧Blue Note Tokyoへ観に行った時のことです。 「So What」であり得ないほど長い時間に渡り、1音を連打してました、しかも両手で。ソロが終わったあとのスティーブ・ガッドのドラムソロ中、ピアノの蓋を閉じて休んでました(笑)

【Day 30】ジャズらしさ=ニュアンス

30日間ずっとドミソを装飾してきました。最終日はやはり「音飲みのニュアンス」かと思います。これを「スコア通りに弾いてジャズになるかどうか?」が大事。 音使いは大事ですが、適したリズムとアーティキュレーション(発音)で弾かれて、ようやくジャズ言語として聴こえてきます。 教則本では学べないアーティキュレーションの習得がジャズを学ぶ上ではとても重要です。

ポイントは「とにかく聴くこと」です。

【おまけ1】練習らしい練習をしよう!

『練習らしい練習をしよう』と、この1週間はよくアドバイスしています。 レッスンも2年ぐらい経つと皆んなそこそこ演奏出来るようになるのですが、オケを流してアドリブの練習ばかりしてる方がとても多い(もちろん、それは楽しいし、大事ではあります) ただ、私自身はアドリブはよくサボるけど、基礎練習をサボる日はあまりありません。

それは『基礎力の上に、上達の伸び代が決まる』

と思っているから。素振りやキャッチボールをしないで野球の試合に出るのと同じ

音楽上決まっている→ ■調性 ■音程 ■コードトーン ■スケール などを、いかにストレスなくが答えられるかにより、学ぶときの情報収集力が断然違ってきます(つまり上達スピードが上がります)そして ■指板上で音を探す力 これを向上させると、演奏時の瞬発力が鍛えられます。ジャズは会話の音楽ですからね

閃きを再現出来るようになります。 音楽にはその上にさらに『センス』があるから、せめて誰にでも身に付けられる基礎力だけは下げたくないなと思って毎日コツコツやっております。『抜群のセンスを持った練習しない生徒』も過去には在籍されていました。そのセンスに私は嫉妬すら感じました。でも練習しないとセンスが活かせないんです。基礎練は大事!

【おまけ2】ジャズのアドリブとは?フレーズ作りの狙い!!

教則本の解説動画でも話していますが、

スケールを感覚で弾く、ただ羅列することは

「あいうえお・・・かきくけこ」と喋っているのと同じ。無意味な音が多過ぎる印象を受けます。

フレーズを覚えるのは、

昔の学校の英語学習と同じで「How are you?」と聞かれたら、みんな「I’m fine,thank you」と答えるような、実用的ではないものになります。 でも、その1つ1つの単語には意味があり、それらの組み合わせが言語(ジャズ言語)であるのは間違いありません。

単語を感覚で組み合わせられるようになるのが目的であって、フレーズを当て嵌めるのが目的ではありません

だから、フレーズ・ネタばかりを繋げてソロを弾いている方には、レッスンやジャズギター大学の動画添削でも指摘させていただいております。 そのフレーズが「ネタ」なのか「即興の組み合わせ」かを判断するのは私の仕事。生徒さんの演奏の裏にある思考を読み取っています。

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