本番と練習は意識が全く違います。「自分の為に演奏する」のか、それとも「聴いてくれる人の為に演奏する」のか。どの視点から考えるか?によって答えは様々でしょう。ですが、緊張しまくる人や、お勉強ばかりの方には、「聴いてくれる人の為に演奏する」ことを考えて欲しいなと思います。もっと言えば、「まず共演者と分かち合うように演奏する」方が良いでしょう。
今日は、練習と本番が一緒になってしまう中級レベルの方へのメッセージでもあります。レッスンでもそうです。せっかく一緒に演奏しているのに、私をカラオケ代わりにして演奏していたら、肝心の音楽力が身に付かなくなってしまいます。本番は流れに身を任せればいいのです。そこで出てきたモノが、自分の中で消化された技術でしょう。
頑張り過ぎないように!
自分の演奏を頑張り過ぎるから、ミスがミスとして出てきます。(ミスも後処理次第ではなんとかなる時がありますからね)自分の演奏を頑張るから、周りの音が聴こえなくなってきます。練習がうまくいっていれば、本番にも出てきます。本番に自然と出てこないのであれば、それが練習不足というものです。「考えなかったら、スケール一発になっちゃうよ・・・」というレベルの方へのメッセージではありませんので、あしからず。
勿論、アイデアを狙う事は悪い事ではありません。でも、一緒に弾いていると練習になっているのか、本番になっているかはすぐに分かります。音楽には前後の流れがありますから、練習している方のラインは、とても不自然です。私からの音のメッセージは全て無視されてしまいますし・・・。
練習は出来ないことをする!
生徒にはよくお話しするのですが、私は家で一人で練習している時に手が震えていたりします。ふとした瞬間に我に返って、恥ずかしくなりますけどね。とても酷い演奏をしているんです。出来ないことにチャレンジして、どんどん実験しているから、人様に聴かせられるレベルではありません。本番に自然と出てくるのをイメージしながら練習しています。だからどんな相手でも、人と演奏する時は「楽しむ」ことをまず一番に考えます。相手の音と自分の音、それでトータルの音楽です。集中していながら、時には会場の声まで聴こえていますけどね(笑)
もっとのんびり音を配置しましょう!
その方が聴いている人に伝わりますよ。