11/22レッスン公開。来週の配信はお休みです♪ Lesson Room

音楽力

「音楽力」・・・・私はたまに使いますが、難しい言葉です。

 ジャズを学習する人達は、音を採譜し、音列の意味を考え、それぞれが時代により、特徴的な文法があることを理解します。またそれらが、人から人へと受け継がれている事を長い年月をかけて習得していきます。しかし、音列の分析は音楽にとっては、まだ表層的な部分に過ぎないことを理解している学習者はとても少ないのです。コード上のアプローチだけに意識がいってしまい、前後との流れによる音列、また共演者とのコミニュケーションによって生まれた音列、そして「間」。そこにジャズの面白さがあります。

 ギターというのは、「音楽力」を身に付けるのが非常に難しい楽器だと感じています。だから、私はきっとジャズヴォーカルや、ピアノやサックスといったギター以外のジャズを聴いている割合が多いのでしょう。勿論、コンテンポラリーギターは勉強のために聴いています。

 私自身が優れたアーティストだと感じるのは、音楽力の深さと、美的感覚で判断している事が多いと思います。ビバップが大好きでコンテンポラリーなジャズを聴かない人は、新しいジャズを語るべからず、アーティストは語法を自分なりに消化して発展させていくのです。「発展された音に自身がついていけないこと」を「面白くない」言ってしまっては、ジャズは過去の産物だらけになってしまいます。

 逆もしかり、ビバップをしっかり理解せずにコンテンポラリーを語るべからず、伝統として受け継ぐべきジャズの魂は優れたコンテンポラリー・アーティストには必ず存在している重要な要素です。

音楽力を伸ばす指導
これが一番、難しいです。言葉でどう表現したらいいのか分からない場面に直面することが多いです。

【どう練習するか?】好きな曲のソロを全て歌えるぐらいまで聴くこと。採譜した音を音源に合わせて何度も何度も聴くこと。採譜して、音列の意味を考えてお終いではなく、本当に大事な要素は、その先にあります。


 You Tubeを見ると楽器のコントロールが上手い人が沢山居ます。しかし、テクニックを取り除いた音楽の質で演奏を判断しなければいけません。ジムホールの教本、そして映像をそのような視点で読んでみていただければ、言わんとしている事が少し理解して頂けるかも知れません。

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