音の理解力
ジャズを習得する上で欠かせない勉強の1つに「音楽の構成要素の把握」があります。このように書くと、とても難しいことのように思いますが、簡単に言えば、「コードトーンや度数がすぐに答えられるかどうか?」という問題です。私が自身の教室で指導していて、習得の早い方、遅い方の決定的な違いはこの理解度にあります。特にギターでは「TAB譜」により、音を知らなくてもそれなりに演奏が出来ます。
ギター人口が増えたのは間違いなくTAB譜の功績ですが、反面、音を理解せずに弾けるという問題が生まれました。
また、ギターは視覚的にポジションが見える為、音を知らなくても、1本上に下がるとか、2フレット上に上げるという要領で弾けてしまいます。私が大人の音楽ドリル(有料です)を作成したきっかけはこのような理由からです。
販売しておきながら、書くのもおかしいですが、教材をわざわざ買わなくても意識次第で出来ると思います。ギターを練習している時に、考えながらやっていては練習する時間なんてあっという間に無くなってしまいます。ギターを持っていない時、通勤通学時、休憩時、寝る前の5分でも・・・音楽に時間をかけられるかどうか?それがジャズの習得過程に大きな影響を及ぼします。
裏を返せば、それがご本人の音楽に対する向き合い方なのです。時間が割けないなら、所詮はその程度の気持ちということになります。即興演奏は芸術です。簡単ではありません。安易な気持ちで取り組めば、その程度の段階までしかいけません。もっと本気になる必要があるのでは?と私はいつも自分に問いかけています。
スタンダードブックを活用する
Q1、その曲のキーを答えましょう。(部分転調は無視!調号からの判断のみ)
Q2、その曲のコードがキーから何番目のコードなのかを答えましょう。
Q3、その曲のコードトーンを答えてみましょう。
Q4、その曲のメロディがコードに対して何番目の音なのかを考えましょう。
さて、そこでスタンダードブックを持ち歩いて頭をトレーニングしていきましょう。
著作権の切れた楽曲での例題
Q1、その曲のキーを答えましょう。(部分転調は無視!調号からの判断のみ)
A♭メジャーキー
Q2、その曲のコードがキーから何番目のコードなのかを答えましょう。
Fm7(VIm7)ーB♭m7(IIm7)ーE♭7(V7)ーA♭M7(IM7)
D♭M7(IVM7)ーDm7♭5(#IVm7♭5)ーG7(VII7)ーCM7(IIIM7)
本来は転調と捉える箇所がありますが、度数をスムーズに答えることが目的ですので、最初は気にする必要はありません。
Q3、その曲のコードトーンを答えてみましょう。
Fm7(ファ・ラ♭・ド・ミ♭)FーA♭ーCーE♭
B♭m7(シ♭・レ♭・ファ・ラ♭)B♭ーD♭ーFーA♭
E♭7(ミ♭・ソ・シ♭・レ♭)E♭ーGーB♭ーD♭
A♭M7(ラ♭・ド・ミ♭・ソ)A♭ーCーE♭ーG
D♭M7(レ♭・ファ・ラ♭・ド)D♭ーFーA♭ーC
Dm7♭5(レ・ファ・ラ♭・ド)DーFーA♭ーC
G7(ソ・シ・レ・ファ)GーBーDーF
CM7(ド・ミ・ソ・シ)CーEーGーB
Q4、その曲のメロディがコードに対して何番目の音なのかを考えましょう。
Fm7ー♭3rd
B♭m7ー♭3rdー♭7th
E♭7ー3rd
A♭M7ーM7thー3rdーM7
D♭M7ー3rd
Dm7♭5ー♭3rdー11thー♭5th
G7ーRootー♭7th
CM7ー3rd